丸々と太ったワンちゃんは、それはそれで可愛いものですが、イタリアングレーハウンドのような細身の犬種の場合、最大の魅力が失われてしまうことになります。
何よりも肥満は万病の元。場合によっては日常生活に支障をきたすほどの大きなリスクを抱えてしまうことにもなりかねません。
本記事では、愛犬の健康を守ってもらうために、体重や大きさの紹介とともに、肥満を予防するための方法も解説していきます。
目次
イタリアングレーハウンドの標準的な体重と大きさ
体高 | 32~38cm |
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体重 | ~5kg |
イタリアングレーハウンドは、オスメスともに標準体高(身長)体重に違いはありません。
筋肉質でスマートな体型をしており、「深い」と称される胸が特徴的な、見た目からして狩猟犬らしい犬種です。
先細りになったマズルと皮膚の薄さも相まって、無駄がない上品さを感じさせます。また、折れた耳先と穏やかな表情が可愛らしいポイントです。
よく似たウィペットとの大きさの違い
イタリアングレーハウンドとウィペットはどちらもスマートで足が速いという共通点があり、良く似ている犬種といわれています。しかし、良く見れば違いも多く見分けることは難しくありません。
では、イタリアングレーハウンドとウィペットにはどんな違いがあるのでしょうか。
イタリアングレーハウンドはブラックやグレー、レッド、クリーム、ホワイトが認められており、単色が理想的なカラーと考えられています。一方、ウィペットは色や柄のパターンが全て認められています。
成長はいつまで?イタリアングレーハウンドの体重推移
イタリアングレーハウンドのような小型犬は、生まれてからおよそ1年かけて急激な成長を見せ成犬になります。
では、どれくらいのペースで体は大きくなり、体重は増えていくのでしょうか。
生後3~4週間
この時期は慎重にお世話をしつつ、成長に必要な栄養を十分摂取させることが大切です。生まれてすぐの食事――母親からもらう初乳は、子犬に免疫を与えるための重要な食事でもあります。
生後9~13日目になると急激に成長し、体重は倍ほどに増加するでしょう。
生後1ヶ月
生後1ヶ月の間に、子犬には歯が生えてきます。それに伴い、食事も栄養的に適切な離乳食に切り替える必要がある時期です。体重はおよそ4倍にまで増加し、子犬の産毛からイタリアングレーハウンドらしい毛に生え変わります。
母乳を止めることで徐々に免疫が失われていく時期なので、ワクチンを接種するまで感染症にかかりやすくなってしまうので注意してください。
生後3~5ヶ月
この時期は小型犬の子犬が最も急激に成長する期間になり、体重は概ね2.5~3㎏と成犬時の半分以上にまで増加します。
噛む力を鍛え、新しい歯を良い状態に保つために、離乳食を終えドッグフードをそのまま与えるように切り替えていきましょう。
生後8~10ヶ月
この時期はそれまで急激に増加していた体重が落ち着き始め、体つきは成犬のそれになっていきます。イタリアングレーハウンドのような小型犬は、出生時体重から20倍にまで体重が増加します。
イタリアングレーハウンドの適正体重を見極める方法は?
同じ犬種、同じ体重であっても肥満度は同じとは限りません。単純な体重の数値だけでは適正な体重かどうかは分からないのです。
ここでは、愛犬の肥満度を確かめるための方法を解説します。
体重の量り方はどうすればいい?
ワンちゃんは体重計に乗っても、大人しくしていてくれるとは限りません。体重を量るのも一苦労という飼い主さんも少なくないのではないでしょうか。
愛犬の体重を最も簡単に量るには、飼い主が抱っこした状態で人間用の体重計に乗ると良いでしょう。これで飼い主+愛犬の重さが量れるので、そこから飼い主の体重を引けば愛犬だけの体重が分かります。
ただしこの方法では、体重計の性能によってはあまり細かく量ることができません。
小型犬のイタリアングレーハウンドにとって、100gの差は大きいので可能であれば10g単位まで正確に量れる体重計を利用しましょう。
また、食前と食後では体重に違いが出るので、正確な体重を知るためにも体重は毎日決まった時間に量るようにしてください。
肥満度をチェックする方法は?
体重が重いからといって必ずしも肥満とは限らないのは、人間もワンちゃんも一緒です。
肥満度をより確実に知るために、【ボディコンディションスコア(BCS)】というチェック方法を用いると良いでしょう。
BCSとは上と横から見た時の体型と、肋骨付近を触ったときの脂肪の付き具合をスコアで判別して肥満度をチェックするための基準で、標準となるBCS3を中心に、5段階で肥満度を確認します。
肥満にさせないための食事管理方法
体型を維持し肥満を予防するために、食事の管理は必要不可欠です。
しかし、ワンちゃんは自分で食事管理ができるわけではないので、飼い主が適切に食事管理をしてあげる必要があります。
適正な食事量
基本的には、ドッグフードのパッケージ裏に記載されている量を与えれば問題ありません。そのうえで、愛犬の体重や体調、便の状態などを考慮して量を調整するようにしましょう。
特に便の状態は、毎日メモしておけば体調管理にもなるのでおすすめです。
便が緩ければ食べすぎ、硬いようなら量が少ないので、量を調整してあげてください。
また、フードの種類もさまざまなので、量の調整と合わせてフードを選びましょう。
おやつのあげすぎには要注意
しつけなどのご褒美として、何かとあげる機会が多いおやつも、カロリーがあるという点では食事の一種です。与えるおやつも、1日の食事量として考えなくてはなりません。
おやつは意外とカロリーが高いので、これを理解せずに与えていると、気付かないうちに肥満になってしまうことも。
特に体が小さい小型犬の場合、人間の感覚では少量でも多すぎるということもあります。そのため、「喜ぶ姿が見たい」からと気軽に与えるのは控えてください。
まとめ
イタリアングレーハウンドはスマートな体型と豊富な運動量が魅力な犬種です。
しかし、肥満になってしまうとそうした魅力が失われてしまい、健康を大きく損なう恐れがあります。
今回の内容を参考に、愛犬の肥満度を確認して食事を管理し、適正な体重を維持してあげてくださいね。
著者/ブリーダーナビ編集部