小型犬が主流の日本でも、比較的人気の大型犬がゴールデンレトリーバーです。
その賢さと人懐こさから、大型犬人気No.1ともいわれるゴールデンレトリーバーですが、実は1種類ではないことをご存じでしょうか。
ここでは、ゴールデンレトリーバーという犬種への理解を深めるための情報を紹介していきます。
2種類のゴールデンレトリーバー
イギリス原産の犬種であるゴールデンレトリーバーですが、実はイギリス系だけでなくアメリカ系のゴールデンが存在することをご存じでしょうか。
本場イギリスのケネルクラブで公認された後、アメリカに渡り独自の改良が加わったことで「アメリカンゴールデンレトリーバー」が生まれたのです。
アメリカンゴールデンレトリーバーの特徴
目や鼻の色は濃い目の茶色、イングリッシュに比べ細身で長いマズルが特徴です。
被毛は柔らかい直毛で、明るいゴールドからブラウンに近い色まで、個体によって毛色に差があります。
優しく「人の役に立ちたい」という欲求が強いので、盲導犬やセラピードッグとして人間社会で活躍しています。活発で好奇心旺盛なところがあり、やや興奮しやすい傾向もあります。
イングリッシュゴールデンレトリーバーの特徴
基礎犬種であるニューファンドランドに似て、骨太・筋肉質でずんぐりとした体型でマズルも短めです。
目鼻は黒く、被毛はウェーブがかった硬めの短毛。毛色は、白やクリーム色のプラチナカラーをしています。
ゴールデンレトリバーらしい性格ですが、アメリカンよりもおとなしめなので、より家庭犬向きといえるでしょう。
また、下記ページでは全般的なゴールデンレトリーバーの性格について詳しく解説しています。お迎えを考えている方はぜひ参考にしてみてください。
ゴールデンレトリーバーの性格は？
日本でよく見かけるのはどっち？
一般的に、日本で見かけるのはアメリカ系のゴールデンレトリバーです。
特徴に関しては上述していますが、どちらのタイプか知りたい場合は血統書で確認しましょう。先犬の名前に『KC』とあればイギリス系、『AKC』とあればアメリカ系です。
ゴールデンレトリーバーの毛色は？
ゴールデンという名前からも分かるように、毛色はゴールドもしくはクリームです。
とはいえ、濃淡のバリエーションは意外に豊富で、茶色に近いゴールドからホワイトに近いクリームまで、同じに見えても違うことが分かるでしょう。
JKCが定めるスタンダードでは、胸元に入っている白は許容の範囲内です。
ゴールドの子犬を見てみる
クリームの子犬を見てみる
白いゴールデンレトリーバーもいる？
上述したように、ゴールデンレトリーバーのスタンダードの毛色はゴールド、もしくはクリームです。しかし、このスタンダードに当てはまらない「白いゴールデンレトリバー」が存在することをご存じでしょうか？
白いゴールデンレトリーバーとは、イングリッシュゴールデンレトリバーのことです。
日本ではアメリカンタイプが一般的なので、国内で白いゴールデンレトリーバーを探すのは難しいかもしません。少ないながら、国内にも白毛のゴールデンレトリバーを繁殖しているブリーダーも存在します。
ホワイト（白）の子犬を見てみる
ゴールデンレトリーバーのミックス犬の種類
ゴールデンレトリーバーは、賢さと飼いやすさもありとても人気が高い犬種なので、元にしたミックス犬も多数存在します。
ここでは、ゴールデンレトリーバーとのミックス犬の中でも代表的な犬種を紹介します。
『ゴールデンドゥードル』
ゴールデンレトリーバーとプードル、それぞれの良い所が合わさったミックス犬です。
人が大好きで非常に賢いので、盲導犬などの使役犬としてさまざまな分野で活躍しています。
被毛は柔らかく豊かな毛並みが特徴的で、バリエーション豊富。大きな目に通った鼻筋、垂れ耳で優しい顔立ちをしており、長いしっぽに飾り毛がついていることが多いです。
また、抜け毛が少ないプードルの特性を受け継いでいるので、犬アレルギーの方も飼いやすい犬種といえるでしょう。
『ゴベリアン』
シベリアンハスキーとのミックス犬で、ゴールデンレトリーバーの見た目にハスキーのブルーの瞳が特徴です。ゴールデンレトリーバーの穏やかで友好的な性格や、遊び好きな点を受け継いでいます。
扱うブリーダーの数が少ないので、目にする機会は少ないミックス犬です。
『ゴールデンレトニエル』
イングリッシュコッカースパニエルとのミックスで、見た目は小さなゴールデンレトリーバーそのものです。
室内飼いにも丁度良い大きさで、賢くおとなしく無駄吠えが少ない傾向にあります。
「レトリーバー」という名が付く他の犬種
ゴールデンレトリーバー以外にも、レトリーバーが付く犬種は多数存在します。
ここでは、一般的にも知られているラブラドールをはじめとした5種類のレトリーバーをご紹介します。
ラブラドールレトリーバー
ゴールデンレトリーバー同様、体高よりも体長が長めで、骨太でがっしりとした体型です。
短毛で、ブラック・イエロー・レバー・チョコレートの基本色があり、胸には『メダル』と呼ばれる白い差し毛が入る場合があります。
穏やかで高い知性を持っており、適応性が高く献身的。飼い主だけでなく人間が大好きで、社交的な性格のため、番犬向きではありません。
フラットコーテッドレトリーバー
レトリバーの中では細身ですが、筋肉質で軽快な動きを見せ、垂れ耳とアーモンド形の目、長めのしなやかな直毛をもつ大型犬です。
他のレトリーバーと同じく、家族以外の人間やワンちゃんにもフレンドリー。明るく陽気で、楽天的な性格です。遊び好きで活動的な面も合わせて、猟犬としての能力がとても高いと言われています。
チェサピークベイレトリーバー
適度な皮下脂肪と逞しい筋肉を持つ、がっちりとした力強い体格の大型犬です。
体高は体長より長めで垂れ耳、ダブルコートの短い被毛はカールしており、水を弾く特性を持ちます。
自己判断できる知性に加え、自立心と服従心の両方を兼ね備えており、勇敢で作業を好み、注意深く利口。嗅覚が鋭く水を好むなど、レトリバーの中でも特に猟犬としての能力に優れている犬種といわれています。
カーリーコーテッドレトリーバー
カーリーという名前の通り、全身を巻き毛で覆われたレトリーバーで、『最も古いレトリーバー』と呼ばれています。
垂れ耳で真っ直ぐな尻尾。力強くスラリとした気品ある体型で、逞しい筋肉に深い胸、しっかりとした首が特徴です。
賢く落ち着いており、勇敢で友好的。飼い主にとても忠実で家族以外の人間や動物に対してもフレンドリーに接します。争いごとを避けようとするあまり、空気を読んで他者と距離を置こうとすることも。
ノヴァスコシアダックトーリングレトリーバー
レトリーバーの中で最も小柄な犬種で、筋肉が発達した力強く均整のとれた体型をしています。
また、体が小さい分敏捷性などの運動能力は高く、スイマーとしても有能です。
賢く忍耐力があるため訓練性が高いので、しつけはしやすいでしょう。
ただし、豪快で陽気、頑固な面があるので、初心者が飼うのは難しいかもしれません。
まとめ
大型犬の中ではトップクラスの人気を誇るゴールデンレトリーバーですが、ミックス犬やレトリーバー種など、比較的近い犬種を含めるととても多くの種類が存在します。
今回の記事をご覧いただければ、ゴールデンレトリーバーという犬種への理解がより深まるでしょう。
また、下記ページではゴールデンレトリーバーの飼い方について解説しています。これからお迎えをご検討されている方の参考になれば幸いです。
初心者向けゴールデンレトリーバーの飼い方
著者／ブリーダーナビ編集部