ゴールデンレトリーバーは、基本的にカットが不要な犬種ではありますが、長く魅力的な被毛をカットすることで、さまざまなスタイルを楽しむ飼い主さんも少なくありません。
ここでは、カットやトリミング、シャンプーといった、ゴールデンレトリーバーの被毛のケアについて紹介します。
目次
ゴールデンレトリーバーにカットは不要?頻度や料金は
ゴールデンレトリーバーは、基本的に被毛のカットが必要ない犬種です。それでも、夏場に暑い思いをさせたくないなどの理由で、愛犬の被毛をカットする飼い主さんはいらっしゃいます。
では、ゴールデンレトリーバーの被毛をカットするのであれば、どのくらいの頻度で行い、いくらくらいの費用が必要なのでしょうか?
ワンちゃんの被毛にはどんな役割がある?
そもそも、ワンちゃんの被毛にはどんな役割があるのでしょうか。
多くの方がまず思いつくのが、体温調節でしょう。
ゴールデンレトリーバーは、イギリス原産の犬種なので、環境に適応した寒さに強いダブルコートの被毛を持っています。断熱材のような機能もあるので、被毛の間に空気の層をつくり冬場には保温を、夏場であれば保冷の役割を果たしてくれるのです。
また、外敵や刺激から皮膚を守る役割も担っています。被毛は、菌や虫だけでなく紫外線といった刺激から体を守っているので、なくなると無防備な状態になってしまい、ケガや病気に弱くなってしまいます。
ゴールデンレトリバーのような長毛犬種は、皮膚が弱い傾向があるので、特に重要な役割といえるかもしれません。
清潔さを保つためのカット
ゴールデンレトリーバーは長毛種ですが、長い被毛は毛玉になりやすく汚れやすいという特徴があります。そのため、お手入れのしやすさや清潔さを保つために、被毛を短くカットする飼い主さんもいるようです。
特に、垂れ耳なので耳の中が汚れやすく、かくことで耳の後ろが毛玉になります。そこで、耳の飾り毛や耳の内側を短くしてあげると、通気性が良くなり清潔さを保ちやすくやお手入れもしやすくなるでしょう。
カットの注意点
子犬は免疫力や体力が低いので、これ以前に行うと大きな負担となってしまうので、安全にトリミングができるようになるまで待ちましょう。
カットを含め、ワンちゃんのお手入れは飼い主が思っている以上に体力を使うため、負担にならないようにしてください。
カットするなら月1回程度を目安に
ゴールデンレトリーバーは、トリミングを必要としないグルーミング犬種なので、被毛をカットする場合、月に1回を目安にすると良いでしょう。
グルーミングとは毛繕いの意味です。
グルーミング犬種とはカットを必要とするトリミング犬種とは違い、被毛をカットしなくても問題がないブラッシングなどのお手入れだけで大丈夫な犬種を指します。
サロンでのトリミング料金はいくら?
サロンのトリミング料金は地域やサロンによってさまざまです。
あくまで目安ではありますが、多くのトリミングサロンでは、ゴールデンレトリーバーのトリミング料金として概ね以下の金額が提示されています。
カット:8000~2万円
ゴールデンレトリーバーは大型犬なので、小型犬や中型犬に比べて料金が高く設定されています。初めてのサロンを利用する方は、事前にしっかり確認したうえで予約するようにしましょう。
ゴールデンレトリーバーのカットやシャンプーは自宅でできる?
愛犬のカットやシャンプーを自宅で行う飼い主さんも多いようですが、大型犬に属するゴールデンレトリーバーには可能なのでしょうか。
結論としては、大型犬であってもカットやシャンプーは可能です。しかし、体が大きいため、それなりの労力は必要となります。
自宅でカットするには
・スキバサミ
・バリカン
足裏の毛をカットする場合、ハサミでは危険なのでバリカンを使用します。短い刃をセットして、足裏と平行に動かしてください。
耳の飾り毛など部分的にカットしたい場合、スキバサミの使用がおすすめです。毛並みに沿ってカットしていけば、ハサミの跡がつきにくいでしょう。
特に顔周辺は敏感なので、ハサミの刃先が皮膚に当たらないよう、注意してください。
自宅でのシャンプーのやり方とその頻度
ゴールデンレトリーバーの毛は撥水性が高いので、毛の根元までしっかり濡らしてから、スポンジを使って洗ってください。
内股や耳の後ろ、足先は、特に洗い残しやすい場所なので、入念に洗うようにしましょう。
顔が濡れるのを嫌がる子は多いので、濡らしていくのは後ろ足から始めて最後に顔。洗うのはその逆の順で行っていきます。
洗い終えたらすすぎと乾燥ですが、すすぎ残しや生乾きは皮膚によくないので、洗う以上に丁寧にしましょう。
シャンプー後はブラッシングをして、毛を整えてあげるといいかもしれません。
大型犬のシャンプーは、想像以上に重労働です。
ゴールデンレトリーバーのシャンプーは、月に1~2回が理想。これ以上の頻度で行うと、弱いゴールデンレトリーバーの皮膚に悪い影響を与えることになってしまいます。
どうしても自宅でのシャンプーが難しいようなら、カットと合わせてプロに任せるのも良いでしょう。
ゴールデンレトリーバーのカットスタイルの種類
ゴールデンレトリーバーは、カットの必要がないグルーミング犬種です。しかし、愛犬や生活環境に合わせてカットすることは可能で、実際に愛犬をカットしている飼い主さんも少なくありません。
ここからはゴールデンレトリーバーの代表的なカットスタイルをご紹介します。
飾り毛カット
胸・お腹・お尻・足などの汚れやすい箇所を短くして、それ以外をほどほどの長さにカットするスタイルです。
見た目は一回りほど小さくなりますが、全体的な雰囲気はそのままで、お手入れが楽になるのがメリットといえます。
お尻カット
ゴールデンレトリバーはお尻の毛量も多いですが、このお尻の飾り毛のみをカットするスタイルです。
お尻の飾り毛はもつれやすい上に汚れやすいので、短くカットすれば清潔さを保ちお手入れがしやすくなります。
ライオンカット
多くの犬種で人気のカットスタイルですが、ゴールデンレトリーバーは最も似合う犬種といえるかもしれません。体の大きさも手伝い、胸の飾り毛の多さや毛色はライオンのような見た目になります。
ただし、「肌に負担がかかる」「毛が伸びにくくなる」などのリスクが考えられることから、尻尾だけカットするスタイルが多いようです。
夏場に人気のサマーカットには注意が必要?
夏の暑さから守るために、愛犬をサマーカットにする飼い主さんも多いことでしょう。
毛は一度短くしてもまた伸びてくるので、気軽にカットに踏み切る方も多いようですが、サマーカットにはメリットだけでなくデメリットもあり、専門家の中には否定する方も少なくありません。
そもそもサマーカットとは?
ワンちゃんのサマーカットとは、全身の被毛を短く刈り込むカットスタイルです。
「暑そうな愛犬を少しでも涼しげにしてあげたい」という想いから、サマーカットを行う飼い主さんが多いようです。
サマーカットのメリットとデメリット
・毛玉ができにくい
・濡れても乾きやすい
・清潔さを保つ
・皮膚病の予防がしやすい
・ケガをしやすくなる
・日光の熱を感じやすくなる
・毛質が変わってしまう
賛否両論?専門家でも分かれるサマーカットの評価
ゴールデンレトリーバーのような長毛種は、暑いと皮膚が蒸れてノミやダニの温床となり、不衛生な状態から皮膚病を患う可能性もあるので、それを予防できるのも大きいでしょう。
人間から見たら暑そうに見えても、換毛期を経て夏用の毛に生え変わっているので大丈夫。被毛で身体を守っているため、サマーカットをすると逆に健康に害を及ぼす恐れがある、というのが主張です。
まとめ
金色の長い被毛が特徴のゴールデンレトリーバーは、カットが必要な犬種ではありません。しかし、被毛の美しさを保ち、健康を維持するためには、ブラッシングやシャンプー、など丁寧なお手入れを定期的に行う必要があります。
お手入れは愛犬とのスキンシップも兼ねているので、今回の内容を参考に心身ともにケアをしてあげてくださいね。
下記ページではゴールデンレトリーバーの飼い方について全般的に解説しています。こちらも参考になれば幸いです。
初心者向けゴールデンレトリーバーの飼い方
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著者/ブリーダーナビ編集部