チワワの耳の特徴
チワワの耳は立ち耳で、左右の耳の感覚が広くコウモリのように見えることから、「バットイヤー」と呼ばれています。
ロングコートチワワは耳に飾り毛が生えているので、スムースコートに比べて華やかな見た目をしています。
耳を前に倒している
耳を前方に倒している場合は、危険を感じている状態です。敵と見なしたものを威嚇していたり、危険と判断したときは警戒していたりします。
威嚇の際は、マズルにしわを寄せて唸り声を上げるなど、耳の倒し方以外にも分かりやすい見た目の変化があります。
トラブルを未然に防ぐためにも、この状態になったら対象と引き離すといいでしょう。
耳をうしろに倒している
耳をうしろに倒しているときはとてもリラックスしている状態で、飼い主への親愛や友好の気持ちの表れでもあります。この状態ですり寄ってきたり左右にしっぽを振ったりするようなら、甘えている証です。
しかし、耳を後に倒していても、不安や恐怖、ストレスを感じていることもあるので、緊張しているかどうか注意深く観察しましょう。
耳を立てている
ワンちゃんが何かに興味を示すと、耳をピンと立てて周囲の様子を探ろうとします。
加えて、落ち着きがないようなら周囲を警戒しており、逆に落ち着いているようなら好奇心から対象に興味をもっている状態です。
口や目の動きにも注目
人間同様、ワンちゃんの気持ちや感情は口や目の変化にもよく表れます。
これまで紹介してきたしっぽや耳の動きと合わせて、チワワの気持ちを知りたいのなら、口や目の動きにも注目するといいでしょう。
口元の動きから読み取れる感情
・口を少し開けている
口元が軽く開かれて舌が少し覗いている状態は、リラックスの証です。口元の咀嚼筋(そしゃくきん)という筋肉が緊張しておらず脱力していると、自然と口が開いてしまいます。
人間が笑うような表情をしている場合は、心底穏やかな状態です。
・口を閉じている
ワンちゃんは鋭い嗅覚で、興味を持った物の理解しようとします。口を閉じている状態は、嗅覚に集中して匂いを嗅ぐチャンスを窺っているのかもしれません。
耳や頭を前方に傾けている場合は、何かに注目しているときの証です。
・唇をめくり歯の一部を見せている
本格的に怒りを露わにする一歩手前で、軽く唸ることもあります。
・歯茎と犬歯が見えている
犬の武器である犬歯を見せている状態は明確な威嚇で、「それ以上近づくと攻撃する」という臨戦態勢です。鼻の上にシワが寄っていて、人間の感覚でも怒っていることが分かります。愛犬がこの状態になったら、早急にその場から離すようにしましょう。
目の大きさや向いてる方向から読み取れる感情
基本的に、野性の動物は目を合わせないようにしています。また、「目は口ほどに物を言う」という言葉があるように、目から読み取れる感情などの情報は意外と多いものです。
例えば、興奮や集中している時は瞳孔が開くので普段よりも瞳が光って見えます。
また、真っ直ぐに相手を見据えているようなら、威嚇しているか自分の優位性を相手に誇示しているときです。このほか、瞬きが多いようなら退屈を我慢しているかもしれません。
ボディランゲージの種類
冒頭でも述べたように、ワンちゃんの気持ちが表れやすい体の部位といえばしっぽです。しかし、ここまで解説してきたように、しっぽだけでなく他の部位も合わせて観察することで、より詳しくチワワの気持ちが理解できるようになるでしょう。
ワンちゃんは、言葉を話せない分、全身を大きく使って自分の気持ちや感情をアピールします。体が小さいチワワでもそれは同様なので、ワンちゃんのボディランゲージを知ることで、今まで以上に愛犬への理解が深まるでしょう。
遊んでアピール、お誘いのボディランゲージ
体を低くした状態で前脚を伸ばし、腰や尻尾を上げるポーズは、一番よく見られる犬独特のボディランゲージです。尻尾を大きく揺らし、興奮気味に高い声で吠える様子も見られます。
社会的地位が近しい犬同士の場合だと、片方がこのポーズをとると呼応するように同じポーズをすることもあります。お互いしばらく向き合ったまま見つめ合い、そのまま遊びはじめるのです。
このボディランゲージを「プレイバウ」といい、相手を遊びに誘うときや、「仲良くしよう」と伝えるときなどに使います。遊び好きなチワワですから、プレイバウはよく見られるのではないでしょうか。
また、プレイバウは飼い主さんにも使うボディランゲージです。チワワがこのポーズをとった後、いきなり室内を走り回ったという経験をされた方はきっと少なくはないはず。
あまりにも室内を走り回るので、ついつい叱ってしまいがちですが、チワワは大興奮しているので言うことを聞いてくれないことがほとんど。
しかしプレイバウをきちんと確認できれば、飼い主さんも叱らずに済みますよね。一旦興奮を落ち着かせてから存分に遊んであげましょう。
飼い主に服従を誓う
服従のサインは、お腹を出して仰向けになった姿勢や、体を低くし、耳や尻尾を下げて飼い主の目をじっと見る姿勢などがあります。
このポーズは争いごとを避けるため、相手に敬意と服従の意思を伝えるために行うボディランゲージです。服従を示すときは飼い主の目をしっかりと見つめます。その体は緊張していないか、不安そうな顔をしていないか、姿勢だけでなくほかのこともよく観察し、気持ちを汲み取ってあげましょう。
攻撃的な威嚇と保守的な威嚇
威嚇にも2つの意味があります。
相手の出方を伺いながら「行動次第では咬みつくぞ」といった意味合いの攻撃的な威嚇と、服従ではないが相手に対して強い恐怖を抱いていて、どうしたらよいかわからずに困惑している保守的な威嚇。
攻撃性のある威嚇の特徴としては、体は前のめりになり、尻尾や耳はピンと立った状態です。さらに目の瞳孔が開き、迫力があります。また、チワワの場合は唇をめくり上げ、鼻と額に皺が寄っていることが多いです。
保守的な威嚇のときは体全体を低くし、尻尾を両脚の間に挟み込み、鼻の上にシワを刻み込ませます。追い詰められているときにこのポーズをしますが、場合によっては咬みつくことがあるため注意が必要です。
威嚇のボディランゲージは、社会性が十分でない臆病なチワワが他の犬に対して行うことが多いです
謝る仕草、降参
お腹を見せて仰向けになる姿勢は服従を意味することでも紹介しましたが、お腹を見せる意味として「もう降参」「許してください」など、謝罪の意が込められている場合もあります。
お腹を出してきたから撫でたら噛まれたという事例もあるように「もうこれ以上は勘弁してください」「構わないでください」という意味でもあるため、服従と降参を見分けられるように、日頃からよく観察してみましょう。
カーミングシグナル
カーミングシグナルには「顔をそむける」「視線を反らす」「あくびをする」「臭いを嗅ぐ」などがあります。カーミングシグナルは犬が生まれ持った本能ですが、社会に出る機会が少ないと忘れてしまう子もいるようです。
自分の興奮を抑えられない、相手の興奮をどうしていいか分からない、そんな子には飼い主がカーミングシグナルを思い出させてあげるといいでしょう。
気持ちを抑止する初歩的な指示「フセ」や「マテ」を教え込むこともその方法のひとつです。
体を振るのはなぜ?
チワワは寒がりであったり臆病であったりすることから、体を震わせていることがあるかと思います。実は体を振る動きはボディランゲージのひとつでもあり、ストレスを感じたときや、嬉しいとき、夢を見ているときなどに体を振ります。
散歩中、自分の行きたい方向に行けないとき、体を震わせて飼い主に訴えることもあるようです。体を振るときは感情の変化によるものなのか、身体的なストレスや病気的なものなのか、その他のサインも参考にしながら気持ちを読み取ることが大切です。
まとめ
犬は群れで行動する、社会性の高い動物です。群れの仲間同士でコミュニケーションを円滑にするため、しっぽをはじめさまざまな部位を動かすことで自分の気持ちを表現しようとします。そうした表現を少しずつでも理解できれば、愛犬とよい関係を築くことができるでしょう。
今回の内容を参考に、愛犬とのコミュニケーションをより一層楽しんでください。
下記のページでは初心者の方に向けて、チワワの基本的な飼い方について解説しています。合わせてご覧ください。
【初心者向け】チワワの飼い方やしつけ方は?
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著者/ブリーダーナビ編集部