チワワを飼ううえで、飼い主さんの悩みの1つが【吠え癖】です。
しかし、ワンちゃんは本来吠える動物。完全に吠えないようにさせることはできません。では、どんな吠え方をする場合、しつけが必要な【無駄吠え】といえるのでしょうか?
ここでは、チワワが無駄吠えする原因や、改善するためのしつけ方について解説していきます。
チワワが吠える理由は?なぜ無駄吠えするの?
photo by Don DeBold
人間が声を発するのと同様に、ワンちゃんが吠えるのは自然のことです。
しかし、過度に大声で吠え続けたり、周囲に迷惑がかかるようになると、それは問題行動としてしつけが必要になります。
では、チワワはどんな理由から吠えることがあるのでしょうか?
警戒心から吠える
チワワは臆病で警戒心が強いため、突然の来客や知らないワンちゃんを警戒して吠えやすく、そのまま放置していると吠え癖がついてしまいやすい犬種です。自分の体の小ささを自覚して、少しでも強く・大きく見せるように、吠えることで相手を威嚇しているといわれています。
下記ページでは、チワワの性格にはどんな傾向があるのか、詳しく解説しています。気になる方はこちらも合わせてご覧ください!
【初心者向け】チワワの飼い方やしつけ方は?
飼い主への要求があって吠える
ワンちゃんは、言葉を話す代わりに吠えることがあります。この場合、「ごはんが欲しい」「散歩に行きたい」など、何かを飼い主に要求するために吠えている場合がほとんどです。
飼い主の心理からすれば、こうした要求に応えてあげたいと思うものですが、ここで要求に従ってしまうと、無駄吠えを助長させることになってしまいます。
「近所迷惑だから」「かわいそうだから」と、散々吠えさせた後で最終的に根負けして従ってしまうと、「しつこく吠えれば要求が通る」と学習させることになるので、絶対に避けましょう。
興奮が抑えられなくて吠える
チワワは、興奮することで吠える場合もあります。興奮は、嬉しい場合でも怒っている場合でもありえるので、対応を間違えないようにする必要があります。
「尻尾を振る=嬉しい」と考えている方もいるようですが、これは間違い。ワンちゃんが尻尾を振るのは、嬉しいからではなく「興奮しているから」です。そのため、尻尾を見ただけでは、嬉しくて興奮しているのか、怒って興奮しているのかまでは分かりません。
チワワの行動を観察して、今どんな気持ちなのかサインを見逃さないようにしましょう。
ストレスを発散するために吠える
チワワは、興奮することで吠える場合もあります。興奮は、嬉しい場合でも怒っている場合でもありえるので、対応を間違えないようにする必要があります。
「尻尾を振る=嬉しい」と考えている方もいるようですが、これは間違い。ワンちゃんが尻尾を振るのは、嬉しいからではなく「興奮しているから」です。そのため、尻尾を見ただけでは、嬉しくて興奮しているのか、怒って興奮しているのかまでは分かりません。
チワワの行動を観察して、今どんな気持ちなのかサインを見逃さないようにしましょう。
吠え癖・無駄吠えを悪化させるNG行為!
愛犬の吠え癖・無駄吠えはできるだけ速やかに止めさせたい行動行ですが、場合によっては飼い主の行為1つで悪化させてしまう場合もあります。
吠え癖を改善するためには、ただ止めさせるだけでなく、後々のことまで考えて、根本的な解決を試みる必要があるのです。
チワワの要求に応じてしまう
吠えるのを止めさせるために、要求に応じてしまうのは、チワワに「吠えれば要求が通る」と学習させることになります。これは、愛犬のわがままを許すようなものです。その場は納まるかもしれませんが、また何か要求がある時に吠えることになるので、結局は同じことの繰り返しになります。
飼い主よりも自分の方が立場が上だと思わせる
チワワをしつけるうえで、飼い主と愛犬との主従関係の構築は大切です。「飼い主が優先」という関係性をはっきり認識させることは、正しくしつけを進めるうえで大切なポイントです。
例えば、散歩の時は飼い主の後に付く、ごはんは飼い主が先、など上下関係を覚えさせましょう。
甘やかして育ててしまうと、自分の方が飼い主より立場が上と認識してしまい、言うことを聞いてくれなくなり、「飼い主の方が自分に従うべき」と考えるようになってしまいます。そうなると、ワガママで攻撃的になってしまい、散歩中にトラブルを起こしてしまうかもしれません。
ストレスの要因を作ってしまう
ストレスは、ワンちゃんの健康を害したり問題行動を誘発したりと、愛犬に悪影響を及ぼす原因になります。
例えば、「散歩や運動不足」「遊びの時間が少ない」「留守番などひとりの時間が多い」といったことが、ワンちゃんにストレスを与える原因になっているのです。
チワワは、必要な運動量が少ない犬種なので、「散歩しなくても良い」と考えているかもしれませんが、散歩は運動だけが目的ではありません。
ストレスを解消するための気分転換としての役割もあるので、他の犬種同様、できるだけ毎日散歩に連れて行ってあげましょう。
散歩に関する詳しい内容は、下記ページで解説しています!
【原因別】無駄吠えをやめさせるしつけ方
チワワに問題行動である無駄吠えを止めさせるためには、原因を特定したうえで、その原因から遠ざけるか取り除くなどの対応が必要です。
基本的なしつけ方として、「叱る」のではなく「褒める」ことを重視してください。そのうえで、チワワに「吠えなければ褒めてもらえる!」と学習させるようにしましょう。
まずはいろんなことに慣れてもらおう
上述したように、チワワは臆病で警戒心が強い犬種なので、恐怖心から攻撃的になり問題行動を起こすことも少なくありません。こうした問題行動を起こさないように育てるには、外の世界のさまざまな物事に慣れさせる必要があります。
人間同様、チワワも恐怖を感じるとパニックになってしまい、自分の行動を制御できなくなります。そもそもチワワが恐怖を感じるのは、その対象が分からない存在だから。それが「怖くないもの」と理解すれば、冷静に対処できるようになります。
ワンちゃんの生後3~14週間(生後3ヶ月半)は「社会化期」と呼ばれる、周囲の環境や家族以外の人、ほかのワンちゃんに慣れ、社会に順応するための学習に最適な時期です。この時期により多くの物事に慣らしておくことで、恐怖からパニックを起こすことは限りなく少なくできるでしょう。
チワワの社会化や、ワンちゃんの代表的なしつけである「おすわり」などについては、下記ページでまとめて解説しているので、こちらも参考にしてみてください。
インターホンやチャイムで吠える場合は?
インターホンの音に反応して吠えるワンちゃんは少なくありません。音に反応して吠えること自体は自然のことですが、それが習慣化してしまうと吠え癖になってしまいます。癖をつけないためには、チワワの意識をインターホンの音から別のものに逸らすのが効果的です。
インターホンが鳴ったら、チワワにおやつやフードを与えてください。これを繰り返すうちに、「インターホンが鳴る=おやつやフードが貰える」と覚えるようになるので、「インターホンが鳴る⇒吠える」という流れに上書きされ、吠えなくなるでしょう。
また、インターホンが鳴る回数を減らすことも効果的です。宅配物はコンビニで受け取るようにするなど、できるだけ慣らす回数を減らしてあげましょう。
ほかのワンちゃんに対して吠える場合は?
散歩時など、ほかのワンちゃんに向かって吠えるチワワには、ポジティブなタイプとネガティブなタイプの2通りがいます。
<ポジティブなタイプ>
他のワンちゃんと一緒に遊ぶために、近づきたくて吠えます。お互いが近づけば仲良く遊べるので、問題行動に発展することはありません。ただし、ほかのワンちゃんに興味を持つあまり興奮してしまい、暴走してしまいがちです。まずは興奮を抑え、大人しくすれ違うことができるようにおやつなどのご褒美で誘導して褒めてあげましょう。
<ネガティブなタイプ>
ネガティブなタイプは、「ほかのワンちゃんを怖がって吠える」タイプです。
このタイプは、ワンちゃん同士のコミュニケーションに不慣れで、どう接してよいかわからず吠えてしまうことが多いのです。無理に慣らそうと近付けても、より強い恐怖を感じて、場合によっては噛みつくなどの問題行動を起こす可能性もあります。まずは適度な距離を保つことを心掛けましょう。
吠えない程度の距離で、おやつを与えて褒めることで、怖さを嬉しさに上書きするようにしてください。恐怖を感じず安心できる距離を取り、少しずつ時間をかけて慣らしていく必要があります。
次第に近づいても吠えなくなり、静かにすれ違うことができるようになるでしょう
来客に吠える場合は?
このタイプも、人が好きなタイプと苦手なタイプに大別されます。
<人が好きなタイプ>
人が好きで吠えるタイプは、来客があると嬉しくて興奮を抑えられなくなり、吠えてしまいます。これは構ってほしくて吠えてるので、ほとんどの場合、お客さんに撫でてもらうだけで落ち着きます。
<人が苦手なタイプ>
「怖い」「近づかないでほしい」という気持ちからお客さんに向かって吠えます。そのため、落ち着かせようとしても上手くいかず、愛犬にとってのパーソナルスペースからいなくなるまで警戒を続けます。
このタイプは、外から一緒に家に入れば吠えなくなることもあるので、チワワと一緒に外まで迎えに行って自宅へ向かい、先にお客さんに家に入ってもらいましょう。こうすることで、お客さんを侵入者と認識しなくなり、吠えるのを止めてくれる場合があります。
また、チワワを落ち着かせたうえでお客さんからおやつを与えてもらうと、受け入れてくれることも。どうしても来客に慣れないようであれば、お客さんがいる間だけ別の部屋で待たせるのもよいでしょう。
要求吠えには無視が有効?
「抱っこしてほしい」「食べ物が欲しい」などの要求があって吠えられると、飼い主としては、近所迷惑などを考え、早く静かにするために要求に従ってしまいがちです。
しかし、ここで言うことを聞いてしまうと、「吠えれば要求が通る」と認識してしまい、要求吠えが癖になってしまいます。
そのため、吠えても要求が通らないことを分からせるために、例え吠え続けても要求を聞き入れてはいけません。無視を続けるのが効果的ですが、なかなか止めない場合はチワワの視界から一度去るといいでしょう。こうすることで、吠えても意味がないことに気づき、要求吠えがなくなっていきます。
自発的に吠えるのを止め、完全に落ち着いたらおやつなどのご褒美を上げて褒めてあげましょう。
興奮して吠えてる場合は?
チワワが尻尾をしきりに振って吠えているようなら、興奮して吠えています。
興奮して吠えている場合、嬉しくて興奮している時と、恐怖や怒りから警戒して吠えている時の二通りに別れます。安易に「尻尾を振っているから喜んでいる」とは思わないようにしてください。
興奮して吠えている場合、何よりも興奮を抑え落ち着かせることが重要です。そのためには、興奮している原因を遠ざけるなり取り除くなりしてあげましょう。
そして落ち着いたら、安心させるように頭を撫でたりおやつをあげたりしてください。
興奮しているチワワのテンションに付き合うとより興奮してしまうので、まずは飼い主であるあなたが落ち着いて接してあげる必要があります。
まとめ
チワワが吠えるのは「嬉しい時」と「怖がって警戒している時」に大別されます。
特に、チワワは臆病で警戒心が強いので、他人や余所のワンちゃんに慣れていないと、怖がって問題行動を起こしがちです。
周囲への迷惑を防止するだけでなく、愛犬の安全を守るためにも、しつけを試みましょう。
噛み癖のしつけについては、下記ページで詳しく解説しているので、今回の記事と合わせてご覧ください!
また、無駄吠えのしつけに関しては、下記のページでも解説しています。こちらも参考にしてみてくださいね。
これからチワワを迎えようと考えている方は、専門家であるブリーダーに一度お話を聞いてみることをおすすめします。ブリーダーは、子犬だけでなく親のチワワも育てているので、
実際に長年育成した飼い主のアドバイスを聞くことができるでしょう。
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著者/ブリーダーナビ編集部