キャバリアのしつけは難しい?時期はいつから?必要なしつけと方法

キャバリアの甘噛み・噛み癖のしつけ

キャバリア
photo by Hirotoshi Maeda

ワンちゃんの噛み癖で悩む飼い主さんは、意外と多いのではないでしょうか?
犬は噛む動物なので、完全に止めさせることは難しいですが、周囲へ迷惑をかけないためにも、愛犬の安全を守るためにも、甘噛み・噛み癖のしつけはしっかりしておきましょう。

そもそもワンちゃんはなんで噛むの?

人間のように物を持つための手がないワンちゃんは、物を日常的に咥えます。そのため、噛みつくこと自体は何ら特別な行為ではありません。

ただし、恐怖やストレスが攻撃性に転じて噛みつくこともあるので、そうした攻撃とは明確に分けて考えるべきでしょう。

また、驚いたり痛みを感じたことで反射的に噛みついてしまうこともあるので、場合によってはプロに見てもらう必要があるかもしれません。

原因別の対処法

噛んでも良いおもちゃを与える
噛むことを禁止するのではなく、噛んでも良いおもちゃを与えることで欲求を満たしてあげるのも有効です。

例えば、歯の生え変わり時期は物を噛むことでムズ痒さを抑えようとします。また、単純な好奇心から物に噛みつくこともあるので、そんな時は誤飲しないようある程度大きく、壊れないように頑丈なおもちゃを与えると良いでしょう。
噛まない方が良いと教える
構ってほしくて噛みつくこともあるので、その場合は一切相手をせず無視するようにしましょう。飼い主からすれば叱っているつもりも、反応そのものを喜んで「構ってもらえる」と勘違いさせてしまうので、噛んできても過剰な反応は厳禁です。

そして、落ち着いたタイミングを見計らって声をかけ遊んであげてください。
これにより、「噛まなければ遊んでもらえる」と覚えてくれるでしょう。

キャバリアの無駄吠え・吠え癖のしつけ

ワンちゃんは吠える動物なので、完全に吠えなくさせるのは難しいでしょう。幸い、キャバリアは大人しく穏やかな性格をしているので、滅多に吠えることはありません。

しかし恐怖心や警戒心から反射的に吠えてしまうこともあるので、吠えないようにしつけておく必要はあるでしょう。

過剰な甘やかしや運動不足は無駄吠えの原因になってしまうので、日常的に気を付けて生活するようにしてください。

そのほか、無駄吠え、吠え癖のしつけに関しては、下記リンク先のページで詳しく解説しています。ワンちゃんが吠える理由はさまざまなので、原因や状況に合わせて最適なしつけをしてあげましょう。
温厚なキャバリアが吠える理由とは?吠え癖の原因と対処方法について 温厚なキャバリアが吠える理由とは?吠え癖の原因と対処方法について

おすわり・ふせ・まてを覚えてもらおう

「おすわり」や「ふせ」、「まて」といったしつけは、ワンちゃんの簡単な芸としての側面もありますが、安全を守るために必要なしつけでもあります。
この項目では、さまざまな場面で役立つこれらのしつけの教え方について解説します。

「おすわり」の教え方

「おすわり」は最も基本的なしつけで、ほかのしつけを教える前提であったり、飛びつきを防止したりと、さまざまなシーンで役に立ちます。慣れないうちは、キャバリアのモチベーションを保つためおやつなどのご褒美を用意すると良いでしょう。

ステップ1
キャバリアの注意をひけるおやつなどのご褒美を手に持ち、ワンちゃんの目と目の間に手を持っていきましょう。この際、まだ「おすわり」などの声による指示はしないようにしてください。
ステップ2
おやつをワンちゃんの耳と目の間あたりに持っていき、視線で追いかけるのを確認してワンちゃんが腰を低くするのを待ちます。
ステップ3
おやつを少しずつ上に持っていくと、自然とのけぞるような格好をするので、自然とおすわりの姿勢になります。そのまま、おすわりの姿勢をキープできたらおやつを与えてください。
ステップ4
ステップ1~3を繰り返し、時・場所を問わずできるようにしましょう。おやつを使わずに、手の動きだけでもできるようになれば理想です。
ステップ5
どこでもできるようになってきたら、「おすわり」と声を掛けて手の動きを合わせましょう。声だけでできるようになるまで、ステップ5を繰り返してください。

声だけでできるようになったらおやつを減らしていき、最終的に声だけでできるようになれば完了です。

「ふせ」の教え方

「ふせ」は、ワンちゃんがリラックスできる姿勢であるとともに、飛びつきなどの突発的な
行動を抑止する効果も期待できます。

ステップ1
ワンちゃんが立った状態で、手に持ったおやつを鼻先に持っていき、意識を集中させましょう。
ステップ2
おやつを床に置くように下げていき、後ろ足が折りたたまれるのを待ちます。
踏ん張って後ろ足をたたまない場合は、おやつを下げつつ、ワンちゃんのお尻方向に少しずつ動かして行くと後ろ足を折りたたみやすいです。
ステップ3
足を全て折りたたんでお腹が完全に床にくっついたら、褒めてあげておやつを与えましょう。この際、中途半端な姿勢で褒めるのはNGです。
ステップ4
姿勢は低くなっても、なかなかお腹を地面につけてくれない場合は、飼い主が体育座りになり、その足の下をくぐらせるようにおやつで誘導しましょう。

これを繰り返すことで、「ふせ」の姿勢を覚えてくれます。

「おすわり」ができる場合の「ふせ」の教え方

すでにおすわりが身についているようなら、こちらのやり方をおすすめします。

ステップ1
愛犬に「おすわり」をさせた状態で手に持ったおやつを鼻先に持っていき、意識を向けさせましょう。
ステップ2
おやつを床に向かって下げていき、前足が折りたたまれてお腹が床につくのを待ちます。お腹が床にくっついたら、思い切り褒めておやつを与えてください。
ステップ3
「ふせ」と声をかけながらステップ2を繰り返します。最終的におやつを使わず、声かけだけでふせができるように目指しましょう。

「まて」の教え方

「まて」は、食事の前に一旦待たせるだけでなく、散歩中の急な飛び出しや飛び掛かりを抑止するなど、ワンちゃんに思わぬ行動をさせないためにも有効なしつけです。

ステップ1
愛犬に「おすわり」もしくは「ふせ」の姿勢をさせ、「まて」と指示します。
ステップ2
そのままの姿勢で数秒待つことができたらご褒美を与えて思い切り褒めてあげてください。
ステップ3
最初は1秒でも良いので、繰り返して少しずつ「まて」ができる時間を延ばしてい行きましょう。
ステップ4
まずは室内で練習して、慣れてきたら公園や車・人通りの多い道路など、いつでもどこでも「まて」ができるように練習しましょう。

キャバリアに留守番してもらうために必要なしつけ

ワンちゃんと一緒に生活するうえで、お留守番をさせる機会は必ずあるでしょう。
キャバリアは寂しがり屋な性格で、常に飼い主と一緒にいたがるため、お留守番に向いている犬種とはいえません。
ワンちゃんにお留守番をしてもらう一番のポイントは、「お留守番が日常」と理解してもらうことです。

実際に留守番をさせる前に知っておきたいこと

ワンちゃんは、基本的に群で行動する動物なので、留守番などひとりになることに慣れていません。

特に、キャバリアは寂しがりな性格なので、長時間ひとりでいると強いストレスを感じてしまいます。これがいきすぎると、『分離不安』という状態に陥り、さまざまな問題行動を起こすようになるのです。

「愛犬にお留守番を任せて帰宅したら、家の中がグチャグチャに荒らされていた」という状況であれば、分離不安の可能性があります。

いきなり長時間のお留守番を任せるのではなく、最初は数十秒でも良いので、愛犬がひとりでいる時間を作ってあげて、少しずつ長くしていきましょう。

また、ひとりにした際怖いのが誤飲や事故です。愛犬の生活圏内には飲み込めそうな小さな物や電気ケーブルは隠しておくことをおすすめします。

留守番のトレーニング方法

1.環境に慣れさせる
誤飲などの心配があるため、お留守番の間は基本的にケージやサークルの中で過ごしてもらうことになります。その間ストレスを感じないようリラックスしてもらうために、ハウストレーニングをしておくと良いでしょう。

そこが自分の居場所だと認識させることで、お留守番の間も落ち着いて過ごせる居心地の良い場所になります。
2.飼い主が帰ってくることを覚えさせる
ひとりぼっちになったワンちゃんは、不安からストレスを感じてしまいます。

まずは、飼い主がいなくなっても必ず帰ってくることを知ってもらいましょう。帰ってくることを理解していれば、ある程度安心してお留守番ができるようになります。
3.ひとりの時間を少しずつ長くしていく
最初は数十秒間だけ愛犬の視界消えるだけでも良いので、少しずつひとりの時間を増やしていきましょう。慣れないうちは愛犬が不安で鳴くこともあるかもしれませんが、ここですぐに姿を現わしてしまうと、「鳴けば戻ってきてくれる」と認識するようになり、吠え癖に繋がってしまう可能性もあります。

そのため、あらかじめ決めた時間内は決して戻らないようにして、様子を見ながら少しずつ慣らしていきましょう。

安心できる環境づくりも大切

室温を一定に保つ
ワンちゃんを室内飼いする場合、1年を通して快適にすごせるように、室温は常に一定に保つ必要があります。そのため、基本的にエアコンは点けっぱなしにしておきましょう。
ケージの設置場所に注意
エアコンで室温を管理していても、ケージの設置場所によっては注意が必要です。直射日光が当たる窓際や、エアコンの風が直接当たる場所だと、室温が適切であっても体調をくずす原因になってしまうので、愛犬が過ごす場所にも気を付けるようにしましょう。
用意するもの、隠しておくべきもの
お留守番中に暇を持て余さないように、お気に入りのおもちゃを用意しておきましょう。飼い主さんが帰ってくるまでの間、おもちゃで夢中になって遊んでくれているくらいが理想です。

逆に、誤飲してしまいそうな小さな物やかじったら感電してしまう電気ケーブル、ワンちゃんにとって毒物となる食べ物は、手が届かない場所に隠しておきましょう。
外が見えないようにする
臆病な性格の子の場合、外が見える環境というのは警戒心を煽ってしまうので、落ち着いてお留守番をすることができません。

外の様子を必要以上に気にするようなら、カーテンを閉めたりケージを置く場所を変えるなど工夫すると良いでしょう。

お留守番させる際のポイント

お留守番の前後でストレスを発散させる
お留守番の前後は、短い時間でも良いのでお散歩へ行ったり遊んであげたりしましょう。これで、お留守番で感じるストレスを抑えることができます。ただし、遊んであげたら少し間を置いて、落ち着かせてから出かけるようにしてください。
出かけるときは静かに
ひとりにさせることの罪悪感から、出かける直前に過度に構ったり「行ってきます」などの声をかけるのは逆効果です。

出かける前に毎回同じことをしていると、ひとりになるタイミングを覚えてしまいます。そのため出かける際は静かに、準備をする姿も見せないようにしてください。
帰宅後は落ち着いて声をかける
帰宅直後は飼い主もワンちゃんもテンションが高くなりがちです。

どんなにしつけが行き届いたワンちゃんでも、興奮すると何をしでかすか分からないため、まずは飼い主が落ち着いて接するようにしましょう。

興奮しているようならじっと待って、お落ち着いてから思い切り褒めてあげてください。

散歩のしつけは必要?

小型犬であるキャバリアは、それほど運動量が必要な犬種ではありません。そのため、「小型犬は毎日散歩をする必要はない」と考える方も中にはいるかもしれません。
しかし、散歩には運動以外にも多くのメリットがあるため、可能であれば日課にしておくべきです。そのためにも、しつけはしておく必要があります。

散歩のためにはどんなしつけが必要?

小型犬であるキャバリアの散歩は、1回20~30分を1日2回連れて行ってあげると良いでしょう。これは小型犬の歩く距離に換算すると、およそ1~2kmほどとなります。
散歩中は、拾い食いや引っ張り癖、吠え癖といった問題行動をしないように、しっかりとしつけてあげましょう。

しつけ方は?

ワンちゃんとの散歩は、ただ歩くだけではないので、それなりの準備をする必要があります。

例えば、ワンちゃんの散歩に必須な首輪やリードを苦手とする子もいるので、本格的な散歩デビューの前に慣らしておくと良いでしょう。

また、ワクチンプログラムを終えるまでは散歩はできないので、抱っこ散歩で外の世界に触れさせてあげてください。
こうしたしつけをしたうえで、マナーを守って愛犬との散歩を楽しんでください。

キャバリアの散歩について、より詳しいことを知りたいという方はこちらのページをご覧ください。散歩の準備やしつけ、守るべきマナーについて解説しています。
キャバリアの散歩まとめ!いつから?頻度・時間、注意点など キャバリアの散歩まとめ!いつから?頻度・時間、注意点など

まとめ

愛犬と楽しく暮らしていくためには、ある程度のしつけが必要になってきます。
人間社会に慣れさせることや、生きるうえで欠かせないトイレトレーニングを始め、覚えてもらいたいことはいくつかあります。
しつけを覚えるスピードには個体差はありますので、本記事の内容を参考に焦らず根気強く付き合ってあげてくださいね。

下記ページではしつけ以外の疑問についても解説しています。こちらも合わせて参考にしてみてください。
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