ボストンテリアは人懐っこく遊び好きな犬種で、時にはいたずらをするやんちゃな一面もあります。
場合によっては、行動がエスカレートして問題行動になるケースもあるので、しっかりしつけをしておく必要があるでしょう。
本記事では、ボストンテリアに教えたいしつけの種類や始める時期などを解説いたします。
目次
ボストンテリアのしつけは難しい?
ボストンテリアは活発な性格をしており、時には元気が有り余って、飼い主の気を引こうとやんちゃな行動を取ることもあります。
人によっては、こうした性格が馴染めず疲れてしまうこともあるようです。
ただし、これはあくまでも相性の問題であり、それが=「しつけが難しい犬種」ということになるわけではありません。
ワンちゃんをしつけるには、その子がどんな性格なのか理解することが大切です。型にはめたしつけを強要することで、しつけを覚えたとしても、人間が嫌いになったり考え方や行動が歪んでしまうかもしれません。
ボストンテリアの魅力である、明るさと活発さを尊重した、広い心でしつけを教えてあげましょう。
ボストンテリアをしつける時期はいつから?成犬からでも大丈夫?
子犬を迎えて、可愛いからと甘やかしたい気持ちは誰にでもあるでしょう。しかし、しつけは遅くなればなるほど時間がかかるものです。
では、しつけはどんなタイミングでいつ始めれば良いのでしょうか。
しつけは子犬の頃に始めるのが理想
しつけは子犬の頃、できるだけ早い時期に開始したいところです。理想としては「ワンちゃんを家に迎えたその日から」しつけを始められればベストでしょう。
その理由として、生後3~12週齢の、いわゆる「社会化期」と呼ばれる期間に可能な限り多くのことを経験させてあげたいからです。
社会化期はまだ恐怖心が芽生えていない時期で、好奇心の赴くままに経験や体験をそのまま吸収できる、ワンちゃんの教育に最適な期間です。この時期を過ぎると恐怖心が先立つようになり、ブレーキがかかってしまいます。そのため、この社会化期に何ができたのかが、その子の成長に大きく関わってくるのです。
一般的に、子犬を家に迎えることができるのは最短でも生後8週齢から。
12週齢になるまでの時間を有効に活用するために、迎えてからすぐにしつけが始められるよう事前に準備をしておくことをおすすめします。
成犬のしつけは子犬よりも難しい?
子犬であれ成犬であれ、基本的なしつけ方に違いはありません。それでも、「成犬はしつけが難しい」といわれることがあるように、子犬と比べると成犬をしつけるのは時間がかかってしまうでしょう。
何も知らないところからしつけができる子犬に比べ、成犬はそれまで生きてきた中で培ってきた経験や知識があるため、それが邪魔をして新しいことを覚えるのに時間がかかってしまうのです。
ボストンテリアのトイレのしつけ方は?
ワンちゃんを飼った経験がある方の中には「トイレトレーニングが一番大変だった」という声は少なくありません。
トイレトレーニングは、ワンちゃんのしつけの中でも特に難しいしつけでありながら、一番初めに覚えさせたいしつけでもあるのです。
トイレをしつける際のポイント
ワンちゃんにトイレをしつける上で、原則として以下の3つのポイントを守りましょう。
- 成功したら思い切り褒める
- 極力失敗させない
- 失敗しても叱らない
トイレのしつけ手順
ワンちゃんは人間が考えている以上に綺麗好きなので、寝床とトイレはできるだけ離してください。
慣れるまでは、ケージ全体にペットシーツを敷いて、ケージ内であればどこでも大丈夫なようにすれば、失敗しなくなります。
食後や水を飲んだ後、起床後や運動後は排泄のタイミングなので、トイレに連れて行って準備しておきましょう。
また、およそ2時間おきにおしっこをするので、時間を見計らって連れて行くのも忘れずに。トイレでの排泄に成功したら、思い切り褒めてあげてください。
失敗しない程度に少しずつ狭くしていき、最終的には本来のトレーの大きさまで減らしていきましょう。
愛犬が排泄しているときにそのコマンドを言うようにすれば、だんだんと合図に合わせて排泄するようになってくれます。
失敗しても叱らない
上述したように、トイレトレーニングでは失敗させないことが重要ですが、万が一失敗したとしても、叱ったりするのは絶対に止めてください。
失敗した時に厳しく叱ってしまうと、それ以降叱られたくないという理由で、飼い主の前ではトイレをしないようになってしまいます。
それどころか、飼い主が見ていないところで粗相をするようになり、悪化することはあっても良くなることはありません。
もし失敗したとしても特に反応することなく、無言で後片付けをして次の成功につなげましょう。
ボストンテリアの留守番のしつけ方は?
愛犬とは常に一緒にいたいと思う飼い主さんは多いでしょう。しかし、現実問題お留守番を任せてひとりにしなければならない場面も、必ず出てきてしまうものです。
飼い主として愛犬をひとりにさせるのは不安ですが、その時に備えてしつけはしておくようにしましょう。
長時間の留守番は極力避ける
ボストンテリアはとても甘えん坊な性格の犬種なので、常に家族と一緒にいたがります。
そのため、留守番に向いておらず、長時間ひとりでいると不安と寂しさから相当なストレスを溜め込んでしまうでしょう。
ボストンテリアを飼うのであれば、極力一緒にいられる時間を作り、ひとりっきりにさせないような環境を用意してあげてください。
ケージ内の環境を整える
寂しがり屋なボストンテリアにお留守番をさせるには、ひとりの時間をできるだけ安心して過ごせるように環境を整えてあげると良いでしょう。
そのために、ケージ内での生活に慣れさせておけば、ある程度はひとりの時間も平気でいられます。何よりも、飼い主が不在の間、愛犬の安全を守るために必要な措置でもあります。
活発で好奇心旺盛なボストンテリア。特に子犬の頃は、ひとりになると退屈や不安からいたずらをしてしまい、場合によっては生命に関わるような問題を起こすことがあります。
例えば、「コードを噛み切って感電した」「犬に有毒な食べ物を食べてしまった」など、予想できない行動を取ることもあるでしょう。そうした危険から守るためにも、留守番中はケージ内で大人しく過ごせるようにしておいてください。
留守番中は不自由しないように、ベッドやトイレの他、ケージ内に給水器やおもちゃを用意しておきましょう。また、やむを得ず長時間ひとりにさせてしまう場合は、ご飯の用意も忘れないようにしてください。
お留守番のポイント
- 外出前に食事やトイレを済ませておく
- 出かける直前に声をかけない
- 気が付かれないように外出をする
- 帰宅後、落ち着いてからオヤツや食事を与える
ボストンテリアの噛み癖のしつけ方は?
子犬の甘噛みは可愛いもの。大した痛みもないので、ついつい甘やかして許してしまいたくなりますが、放っておくと成犬になってからも噛み癖として残ってしまい、問題行動に発展することもあります。
そのため、まだ幼く害がないうちにしつけておくようにしましょう。
噛んで良いものを与える
ワンちゃんにとって、噛むという行為は本能的な極自然な行動です。そのため、ただ禁止するのは、愛犬に大きなストレスを与えることになってしまいます。
そこで、噛む行為全てを禁止するのではなく、噛んでも良い物と悪い物を教えたうえで噛んでも良いおもちゃを与え、噛む欲求を満たしてあげてください。
さらに、噛まれたくない物は隠したり愛犬が届かない場所に置くようにすれば安全です。
噛む理由ごとの対応
過去に人の手で叩かれたりしたことがある場合、その経験から反射的に噛んでしまうケースもあるようです。
また、特定の部分を触られて噛みつくようなら、ケガや病気で体を痛めている可能性があるので、一度動物病院で診察してもらってください。
逆に、過剰に反応してしまうとその反応を喜んでしまい、行為をエスカレートさせてしまうことになるので、落ち着いて部屋から出ていくなどの対応をしてください。
執着して噛む場合の対処法
ワンちゃんには「所有欲」という本能的な欲求があり、食べ物やおもちゃを他人や動物に触られるのを嫌がります。最初は唸る程度ですが、エスカレートすると歯をむき出し威嚇して、最終的に噛みつくことも。
攻撃性が強い子は、子犬の頃から所有欲が強い傾向にあるため、早い段階でしつけておきましょう。
このタイプには、「自分の大切な物を渡したら、もっと良い物がもらえる」と教えてください。
「ちょうだい」などの言葉をかけながらおやつを近づけ、おやつに気を取られて大切な物を放したら褒めておやつをあげましょう。それからすぐ、大切な物を返してあげてください。
これを繰り返せば、「ちょうだい」というコマンドですぐに放してくれるようになります。
万が一に役立つハウス(クレート)トレーニング
小型犬を飼うのであれば、ハウス(クレート)トレーニングは欠かせません。
日常的に一緒に出かける時にも、万が一災害にあった時にも問題なく一緒に避難するために、備えとして覚えさせておきたいしつけです。
クレート、サークル、キャリーの最適な大きさ
移動用にも使うのなら、中で回れることに加え伏せができる広さが必要です。
大きすぎると移動時に中で大きく揺さぶられるため、適度な広さの物を選んでください。
愛犬の体重に耐えられる強度を持つ、飼い主が利用しやすい形状のものを選びましょう。
ハウストレーニングの手順
他の手順はこれまでと一緒です。
ハウストレーニングのポイント
「ハウス=いいことがある場所」と認識してもらうために、バレないようにしましょう。
愛犬を守ることにもつながる【おすわり】【待て】
【おすわり】や【待て】は、覚えさせることで何かと役に立ちます。
散歩中、愛犬が予測できない行動をしたときに周囲に迷惑をかけないためにも、事故から愛犬自身を守るためにも、覚えさせておきたいしつけです。
【おすわり】のしつけ方
この時使うおやつは、人間の小指の爪程度のごく少量でも問題ありません。
もしも腰を下ろさないようなら、腰付近を軽く押したり、壁に背を向けた状態で行ったりすると、腰を下ろす可能性が高くなるでしょう。
そのうちに、アイコンタクトと「おすわり」の声だけでおすわりしてくれるようになります。
【待て】のしつけ方
ワンちゃんの顔が上を向くことで体重が後ろにかかるため、待てをしやすい姿勢になっています。
このとき、手の平は上下にだけ動かし、愛犬に近づけることはしないでください。
ポイントは、お尻が上がる前に「よし」ということ。失敗させないために、最初のうちは動き出す前に解除をしてください。
困った時はしつけ教室の利用がおすすめ
ここまでご自宅でのしつけについて解説してきましたが、現実問題しつけは簡単ではありません。どうしてもしつけが難しくてできないという場合は、プロにお願いするのも良いでしょう。
しつけ教室では、複数のワンちゃんと一緒にしつけを覚えることになるので、家族以外のワンちゃんと交流しながら、プロの指導のもと適切なトレーニングを行うことができます。
また、プロの指導を見学することで、愛犬を客観的に知ることができるでしょう。それに伴い、プロのやり方を学ぶこともできるので、愛犬とともに飼い主もレベルアップして、自宅に帰ってからもそれまで以上に適切なしつけができるようになります。
まとめ
ボストンテリアは、やんちゃな性格なので、場合によってはしつけが大変になるかもしれません。ですが本来は賢い犬種のため、飼い主の意図を組んでくれるので、丁寧に時間をかけてあげれば、きっとしつけを覚えてくれるでしょう。
どうしてもしつけが難しいと感じるようなら、しつけ教室などでプロにお任せするのも良いかもしれません。
ボストンテリアの性格や飼い方については、下記ページでも解説しています。こちらも参考にしてみてくださいね。
ボストンテリアの性格や特徴は?初心者向け飼い方について
著者/ブリーダーナビ編集部