ペットを飼うことが一般的になり、家の中で家族として一緒に生活するご家庭も珍しくはなくなりました。しかし、日本の家庭事情を考えるとその多くは小型犬で、中型犬以上の大きさの場合それほど多くはないでしょう。
本記事では、ボーダーコリーの室内飼いについて、無理なく快適に暮らすための生活環境を解説していきます。
ボーダーコリーを飼うなら室内?屋外?
一昔前であれば、ワンちゃんは外で飼うのが当たり前でした。しかし、現在は室内で飼うという方が多くなっています。
ボーダーコリーを飼う場合、家の中と外どちらで飼う方が、愛犬のためになるのでしょうか。
可能であれば室内飼いがベスト
愛犬の健康や幸せを考えるのなら、外飼いではなく室内で飼い主と一緒に生活させてあげると良いでしょう。
犬は本来、群で生活する動物なので、長時間ひとりでいることにストレスを感じてしまいます。そのため、基本的にひとりでいることになる外飼いよりも、飼い主と一緒の空間で生活する室内飼いの方が望ましいのです。
また、ワンちゃんだけでなく、飼い主にとっても室内飼いはメリットがあります。最も賢い犬種と評されるボーダーコリーは、人間の2~3歳児程度の知能は持っており、慣れれば人間の言葉を理解するほどです。そのため飼い主と接する機会が多い室内飼いであれば人間の言葉を理解して、しつけなどが行いやすくなるでしょう。
外飼いはデメリットが多い
家に守られている室内飼いと比べ、外飼いはさまざまな危険に晒されています。
例えば、病気のリスクや天候の影響、季節による気温の寒暖差も体調に大きく影響するでしょう。また、飼い主と別々の空間で生活することによるストレスや心無い人からのイタズラがあるかもしれません。
こうしたワンちゃんへのリスク以外にも、吠え癖などが問題で近隣とのトラブルに発展する恐れもあります。何よりも、愛犬と飼い主とが接触する機会が少なくなってしまいます。
家の広さは?マンションでも飼える?
ワンちゃんを飼うご家庭が増えたことで、ペット可の賃貸住宅も以前に比べ増加しています。しかし、主流は小型犬なので、中型犬のボーダーコリーを飼うためには十分な環境とはいえない場合が少なくないのです。
室内飼いするための広さは
ボーダーコリーのような中型犬になると、1Kや1DK程度の広さでは満足に動くこともできないので、飼育そのものが難しいといえるでしょう。
中型犬を無理なく室内飼いするには、2LDK以上の広さが理想です。愛犬の部屋ともいえるケージは、中型犬であれば2畳分の広さを用意してください。
そのうえで、室内のどこにいても飼い主の目が届くようにしましょう。
ペット可のマンションでも、中型犬はNGなことも
ペットを飼う方も増えており、それに伴いペット可の集合住宅も以前に比べ大分増えてきました。しかし、ペット可であればどんな動物を飼っても良いというわけではありません。
ペット可となっていても、「小型犬ならOKという条件付き」という物件がほとんどで、頭数も1匹までという物件が多いため注意が必要がです。
近年になり「中型犬も可」という物件も増えてきましたが、それでもまだ十分とはいえないのが実情といったところでしょう。また、ボーダーコリーのような中型犬を賃貸住宅で飼うのであれば、十分なスペースが用意できるかどうかも考慮してください。
ケージの大きさなど、室内飼いでの注意点
愛犬に安全にすごしてもらい健康を守るためにも、生活環境の整備はとても重要です。
室内飼いの方が良いことを理解したうえで、どんな点に気を付けて飼育すればよいのでしょうか。
ケージは大きめのものを用意する
室内飼いで欠かせないケージは、中型犬の体の大きさに合わせて、十分な大きさの物を用意しましょう。また、小型犬よりも力が強いので、ぶつかって倒したりずれたりしないように、固定、または半固定できるものが望ましいです。
子犬の頃は小型犬の大きさと大差ありませんが、成犬になると大型犬に近い大きさになる個体もいるので、最初から大きめの物を用意するか、買い替えを前提に購入するとよいでしょう。
フローリングなど、滑りやすい床には注意
ボーダーコリーは運動能力が高い犬種です。
成犬になれば落ち着きが出てくるものの、子犬の頃はまだまだやんちゃで、室内を駆け巡るよなこともあるでしょう。
そのため、床がフローリングなどの滑りやすい素材の場合、足腰に負担がかかったり転倒してケガの原因になったりします。そのため、愛犬の健康を考えてカーペットやコルクマットを敷くなどの対策を講じましょう。
室内でもトイレができるように
ワンちゃんを室内で飼育する場合、室内でトイレができるようにしつけておく必要があります。
中には、「トイレは散歩のときに」と考える方をいるかもしれませんが、それでは何らかの理由で散歩に出かけられない場合、トイレを我慢させることになってしまいます、そのため、トイレは室内でできるようにトレーニングするようにしましょう。
理想は、室内のトイレを覚えて外でも排泄できるようにすること。もちろん外でした場合はしっかり後片付けをしてください。
室内でのトイレを成功させるためには、設置場所も重要です。寝床とは離した場所で、かつ静かで落ち着ける場所に置くと成功しやすいでしょう。
誤飲誤食を防ぐ
室内飼いで気を付けたいことの1つが、誤飲誤食です。
ワンちゃん――特に子犬は好奇心から何でも口に咥えてしまうので、誤って飲み込んでしまったり食べ物と勘違いして食べたりすることも少なくありません。
室内で飼っていると、生活空間にワンちゃんが咥えられる小さな物が意外と落ちているものです。特にタバコや薬、プラスチック片、金属片などは誤飲してしまうとかなり危険です。
小型犬と違い中型犬になると口も大きくなるので、余計気を付ける必要があるでしょう。
そのため、誤飲の恐れがあるものワンちゃんが届かない場所に置くか、開けられない戸棚の中に隠すなどの対策をしてください。
室内の温度管理も重要
ワンちゃんを室内で飼う場合、1年を通して最適な温度を維持するようにしましょう。
エアコンの設定では、理想の室温は25℃前後で湿度は60%以下。年齢や体調によっても条件は違いますが、1年で特に環境が厳しい夏と冬の間は常にエアコンを点けっぱなしする必要があります。
特に、ダブルコートの被毛を持つボーダーコリーは暑さに弱いので、夏場は熱中症や脱水症状にならないよう、涼しい環境で過ごせるようにしてください。
ただし、エアコンの風が直接当たると寒すぎるので風向きに注意したり、直射日光が当たりやすい窓際から遠ざけるなど、ケージやトイレを置く場所にも気を付けましょう。
賢さに甘えず十分なしつけを
ボーダーコリーは賢い犬種ですが、十分なしつけができないとその賢さが悪い方向に向かう可能性があります。そのため、他の犬種と比較して覚えは早いかもしれませんが、しつけの重要性は高いといえるかもしれません。
ボーダーコリーの育て方や飼い始めに知りたい基礎知識などの情報に関しては、以下リンク先のページで紹介しています。初心者はもちろん、ある程度慣れている方もぜひご覧ください。
ボーダーコリーのしつけ方は?飼い始めに知りたい基本知識
まとめ
愛犬のためを想うのであれば、外飼いよりも室内飼いがベストでしょう。
中型犬のボーダーコリーを室内飼いするためには、小型犬よりも制限が多いので、知っておくべき情報はその分増えてしまいます。
今回紹介した室内飼いのメリットとデメリットを良く理解したうえで、室内で愛犬と快適に暮らすための生活環境を整えてあげましょう。
下記ページで解説しているボーダーコリーの飼い方についても参考にしてみてくださいね。
著者/ブリーダーナビ編集部