早く元気になってほしい
どんな治療方法があるの?

治療には内科的治療と外科的治療の2つがあります。
●内科的治療
痛みを緩和するために、鎮痛剤やレーザー療法などを用います。また運動制限を始め、肥満を防ぐための体重管理なども行います。
内科的治療で症状が緩和されれば問題なく日常生活が送れますが、内科的治療で症状の改善が見込めなかったり、重度の症状(※1)だったりすると外科的治療を行うことがあります。
※1.重度の症状とは…大腿骨の変形が酷く、ちょっとした刺激で外れてしまう。また、慢性的に脱臼を繰り返してしまう症状。
●外科的治療
外科的治療では予防もしくは、軽減するための治療と分けて行われる場合があります。
【予防的手術】
・恥骨結合融合術
・三点骨盤骨切り術
【救済的手術】
・大腿骨頭・骨頸切除術
【再建的手術】
・股関節全置換術
外科的治療では、麻酔のリスクや術後のリハビリや安静期間、手術の費用などについて色々と心配ごとや不安なことがあるかと思います。必ずかかりつけの動物病院とよく相談した上で治療を進めていきましょう。
また年齢や症状、飼い主の意向などによっても治療方法が異なりますので、こちらも合わせて主治医とよく相談してください。
股関節形成不全を防ぐための予防はないの?
主な予防方法としては3つです。
●体重管理
股関節形成不全を患う30%は環境要因といわれ、特に問題視されているのは『肥満』です。そのため、幼齢期における過剰な栄養摂取は肥満の原因になります。適量のごはんと適度な運動を行いながら、骨の急成長や栄養過多による肥満を起こさないようにすることが大切です。
●過度な運動をさせず、自宅環境を整える
子犬の頃から足腰に負担のかかる過度な運動を行わせると、股関節形成不全になりやすい傾向があります。むやみにジャンプを繰り返したりしないようにしましょう。また、フローリングなどの滑りやすい床材はボーダーコリーの足腰を痛める原因にも繋がるので、自宅環境を見直すことが大切です。
もし、成長期に無茶な動きをさせて足腰に負担をかけてしまうと、正常に骨格形成や筋肉がつかないため、股関節形成不全になる恐れがありますので、十分注意しましょう。
●レントゲン検査と定期的な健康診断
股関節形成不全になりやすいボーダーコリーを始めとする犬種は、症状が見られないとしても骨の形成が完成する1~2歳までにレントゲン検査を受診することをおすすめします。早いうちに症状が確認できれば、早期発見・早期治療を行うことができるからです。
そして、それに合わせて健康診断も行いましょう。成犬であれば1年に1回、老犬(シニア犬)であれば半年に1回を推奨します。いつまでも健康でいてもらうためにも、定期的に動物病院で診てもらいましょう。
著者/ブリーダーナビ編集部