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カールした長い被毛が特徴ビションフリーゼですが、適格にお手入れするためには他の犬種にはないコツが必要です。
本記事では、ビションフリーゼの抜け毛の処理や被毛のお手入れについて解説します。
目次
ビションフリーゼの抜け毛と被毛の特徴
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基本的なワンちゃんのお手入れといえば、抜け毛対策でしょう。犬種の被毛のタイプによってお手入れの頻度ややり方に違いがあるので、愛犬がどのタイプか理解することから始めましょう。
ビションフリーゼの被毛はカールした長いダブルコート
犬の被毛の構造は、大きく分けてダブルコート(二層構造)とシングルコート(単層構造)の2通りがあります。
この内、ビションフリーゼは、ダブルコートの被毛を持つ犬種です。
ダブルコートは、オーバーコート(上毛)とアンダーコート(下毛)からなる保湿と保温に優れた被毛構造です。
ビションフリーゼは抜け毛や体臭が少ない?換毛期ってなに?
一般的に、ダブルコートの被毛は抜け毛が多いといわれています。そのため、ダブルコートの被毛を持ち毛量が多いビションフリーゼは、抜け毛が多くお手入れが大変と思われがちです。
しかし、実際は極端に毛が生え変わるわけではなく、ダブルコートの犬種の中では比較的抜け毛は少ない犬種といえるでしょう
とはいえ、ブラッシングなどのお手入れが必要ないわけではありません。
ビションフリーゼの被毛はクルクルとカールしているので、抜け毛が絡まりやすく、毛玉になりやすいです。そのため抜け毛に気付きにくく、お手入れをサボるとすぐに被毛や皮膚のトラブルが起こってしまいます。
こうした理由から、ビションフリーゼは抜け毛はそれほど気にならないものの、ブラッシングなどのお手入れは欠かせない犬種といえるでしょう。
また体臭はほとんどないので、被毛のケアさえできていれば、お手入れで困ることは少ないと思います。
ストレスが要因で毛が抜けることも
人間がストレスから円形脱毛症になることがあるように、ワンちゃんもストレスから毛が抜け落ちてしまうケースがあることをご存じでしょうか。
ビションフリーゼは繊細でストレスを内に溜め込みやすい性格をしているため、結果としてその影響が脱毛など体の変化として現れることがあります。
ストレス性の脱毛で直接的な病気になることはありませんが、皮膚が露出すると皮膚炎などの病気になりやすくなるので、もしも換毛期でもないのに大量の毛が抜けるようなら注意が必要です。
ビションフリーゼのお手入れ①「ブラッシング」
被毛のお手入れの基本は、やはりブラッシングです。ダブルコートの被毛は抜け毛が多いので、可能であれば毎日ブラッシングをしてあげたいところ。
ここでは、ブラッシングに必要なものと、そのやり方を紹介します。
ブラッシングに必要なもの
- スリッカーブラシ
- コーム
ブラッシングのやり方
ビションフリーゼの被毛はクルクルとカールしているので、放っておくとすぐに毛玉やもつれができてしまいます。また、毛が抜けても落ちずに留まってしまうため、ブラッシングで取り除いてあげましょう。
ふわふわな被毛を保つためにも、毎日丁寧なブラッシングを心がけてください。胸や脇、お腹周りなど、見落としがちな場所も忘れずにチェックしましょう。
ブラッシングの際にはブラシを使い分けることが必要です。
まず、スリッカーブラシの細いピン先で、アンダーコートの密集した毛から抜け毛を取り除いてください。大まかにもつれや毛玉を解したら、コームで細かい部分も取り除きましょう。
ビションフリーゼのお手入れ②「カット」
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ビションフリーゼの被毛は長いので、定期的にカットしてあげなければなりません。
カールしているので、一見して長さが分かりにくいので、カットした日にちを覚えておくと良いでしょう。
カット必要性とその頻度
ビションフリーゼは長毛の犬種なので、放っておくと毛が伸び続けてしまいます。
カールした被毛は伸びるほど毛が密集して絡まりやすくなり、ブラッシングがしづらくなるだけでなく、通気性が悪くなることで皮膚病などの原因になりかねません。
そのため、月に1回程度を目安にカットをすると良いでしょう。
ビションフリーゼは、いろんなカットが楽しめる犬種です。せっかくカットするなら、カットスタイルを楽しんでみるのも良いかもしれません。
ビションフリーゼのお手入れ③「シャンプー」
人間と同様、ワンちゃんの被毛もシャンプーで洗ってあげることできれいにしてあげたいところです。特にビションフリーゼのカールした毛は汚れを溜め込みやすいので、定期的にシャンプーをしてあげましょう。
シャンプーの効果とポイント
シャンプーは、大切なワンちゃんの被毛のお手入れの1つです。特にビションフリーゼのように毛量の多い犬種にとっての重要度は、他の犬種以上に高いといえるでしょう。
難しさという点では、カットに比べてシャンプーは気軽にできるお手入れといえます。しかし、ビションフリーゼのような長い巻き毛の場合、「洗い」「すすぎ」「乾燥」という、シャンプーの全行程の難度が跳ね上がります。どれか1つでも不十分だと、被毛が美しくならず、それどころか皮膚病の原因になりかねません。
ビションフリーゼは、その特徴的な被毛のせいでシャンプーが難しい犬種なので、カットと合わせてプロにお願いするのがおすすめです。
健康的な被毛を保つためには食事と運動の管理も
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体調が悪いと被毛の色艶も悪くなってしまいます。そのため、ビションフリーゼの被毛を美しく保つためには、お手入れだけでなく健康管理も大切です。
ここでは、健康を維持するための食事と運動について解説します。
ドッグフード選びは重要
被毛も体の一部です。体を作るのは摂取した食べ物なので、美しく健康的な被毛を作るには栄養価の高い高品質な食事を与える必要があります。
特に重要となるのは、良質なたんぱく質です。被毛や皮膚を健やかに保つために、良質なたんぱく質を含んだドッグフードを良いでしょう。
ドッグフードはとても種類が豊富なので、パッケージに記載された内容をしっかりと確認してドッグフードを選んでください。
運動不足はストレスの元
ワンちゃんにとって散歩は欠かせない日課ですが、散歩をする理由の1つに、運動不足の解消があります。
多くの方がイメージする通り、ワンちゃんはとても活発に行動する動物です。そのため、十分な運動をさせてあげることができないと、運動不足からストレスを溜めこんでしまいます。
ビションフリーゼは、神経質な面がありもともとストレスを溜めやすいと性格です。ストレスを与えないように、またストレスを解消するためにも、できるだけ一緒に散歩に出かけてあげると良いでしょう。
抜け毛だけじゃない!大切な毛玉のケア
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カールしているビションフリーゼの被毛は、被毛のお手入れを怠ると、すぐ毛玉になってしまいます。では、毛玉ができてしまうとどのようなリスクがあるのでしょうか。
そもそも毛玉ができる原因は?
ビションフリーゼは、ダブルコートの中では比較的抜け毛が少ない犬種です。しかし、特徴的なカールした長い毛は、抜けても落ちにくくその場に留まってしまうので、毛玉になりやすい傾向があります。
そのため抜け毛ケアとして、ブラッシングにより意図的に取り除いてあげなければならないのです。特に脇の下など毛がこすれるところは毛玉になりやすく、洋服や首輪など身に着ける物と接触すると毛玉の原因になるので、毎日チェックしてあげましょう。
毛玉ができるとどんなリスクがある?
「毛玉ができても見た目が悪くなるだけ」と考える方もいるかもしれませんが、毛玉はチリやホコリを絡むので雑菌などの温床になってしまいます。つまり、毛玉を放置すると不潔になり、皮膚の病気になるリスクが高くなってしまうのです。
また、毛玉ができると散歩中に木の枝などちょっとした物に引っかかりやすくなるので、痛い思いをさせることになります。こうなるとブラッシングを嫌がるようになるかもしれません。
このように、毛玉を放置しても良いことは何一つないので、毛玉ができないように、日頃から丁寧なブラッシングで毛並みを整えてあげてください。
毛玉ができた場合の対処法
毛玉は無理に引っ張ると、愛犬に痛い思いをさせることになってしまいます。
緩い毛玉であれば軽くブラッシングすれば取り除けますが、固い毛玉の場合はコームを使って丁寧にほぐしてからスリッカーで梳かしてあげると良いでしょう。
しかし、ガチガチのフェルト状に固まった毛玉の場合、ブラシで解すのは難しいので、ハサミでその部分だけカットする必要があります。その際は、ハサミで体を突かないように、慎重に行いましょう。
毛玉は放っておくと、どんどん硬く頑固な塊になってしまうので、こまめなブラッシングで緩いうちにほぐしてあげてください。
まとめ
ビションフリーゼはダブルコートの被毛を持つ犬種ですが、その特徴的なカールした被毛のせいで抜け毛のお手入れにコツが必要です。
しかし、お手入れで重要な「小まめに丁寧に」という点は変わらないので、スキンシップもかねて面倒がらずにケアしてあげてくださいね。
また、下記ページではビションフリーゼの飼い方について解説しています。こちらもあわせて参考にしてみてください。
初心者向けビションフリーゼの飼い方
著者/ブリーダーナビ編集部