ミニチュアピンシャーにしつけが必要な理由
ペットを飼う上で欠かすことができない「しつけ」。
ですが、具体的にしつけについて説明できる人がどれだけいらっしゃるでしょうか?
「どうしてそんなにしつけが大切なの?」
「しつけっておすわりとか芸を教えることでしょ?」
中には、そんな疑問を抱えている人も少なくないかもしれません。
簡単にいえば、しつけとは「社会生活を送るための教育」です。
無駄吠えや噛み癖といった、いわゆる「問題行動」は、飼い主から十分なしつけがされていないことが原因です。「問題行動」というとワンちゃんに問題があるように思えますが、この場合問題があるのは「愛犬をしつけることができない飼い主」の方にあるのです。
例えば、賢い犬の代表といえる盲導犬や警察犬などの職業犬も、始めからあのような働きができるわけではありません。十分なしつけをされ、徹底した職業訓練を受けたから、あのような高い技術を身に付けることができるのです。
もちろん、犬種ごとの傾向や個々の性格の問題もあるので、しつけやすい・しつけにくいという違いはあるでしょう。しかし、ワンちゃんが社会に馴染み生活する上で、飼い主によるしつけは欠かせません。
ミニチュアピンシャーが不自由なく日常生活を送るために、しつけは必要なのです。
しつけを始める前の準備は?
社会化期と社会化
ワンちゃんの生後4~12週齢期までを社会化期といい、ワンちゃんが社会に適応するための大切な時期です。好奇心や警戒心が育ちやすいこの期間に何を経験しどんな体験をしたかによって、その後の他者との接し方や社会との関わり方が、良くも悪くもなります。
産まれたばかりの子犬にとっては、世界の全てが興味の対象です。
あらゆる対象に好奇心を向け、積極的に関わろうとします。この時期に学んだことが、警戒心を育てたり、物音や人など外の世界への耐性を作ったりするのです。十分な経験を積むことができなかったら、臆病で人見知りをする噛み癖のある子に育ってしまうかもしれません。
大切な可愛いミニチュアピンシャーを、迷惑なトラブル犬にしないためにも、社会化期は意識して行動させるようにしてください。
幼い頃からたくさんの経験を積ませてあげることで、危険との距離の取り方を覚えたり問題行動を減らしたりと、ワンちゃん自身が健やかに成長していくための糧となってくれるでしょう。
家族以外の人・犬に慣れてもらう
冒頭で説明したように、しつけとは社会に馴染むために必要な経験や学習です。そのため、
しつけの前段階として、社会で接することになる家族以外の他人や動物に慣れておく必要があります。人や動物に不慣れなままだと、どれだけ時間をかけて丁寧にしつけをしたところで、ワンちゃんに不要なストレスを与えるだけで上手くいかない場合が多いのです。
では、不慣れなままだとどのような不都合があるのでしょうか?
例えば、家族以外の人や動物を敵とみなして吠えかかったり、場合によっては攻撃的な素振りを見せたりします。これは動物の本能として、自分の身体や縄張りを守るための反応です。野性の動物としては当たり前の行動ですが、飼い犬としては社会化できていない問題行動になります。
しつけるために、まずは「人慣れ」「犬慣れ」させなくてはなります。
もしも、家族のなかで自分だけが飼い犬から威嚇されるのなら、それはあなたが仲間と見なされていないからかもしれません。
群れの“ボス”として認められる
ワンちゃんをしつける上で、最も重要なのが、愛犬と飼い主の信頼関係です。
ワンちゃんは群れで活動するオオカミの血を引いているため、群れのボスのいうことを聞くという習性があります。つまり、ワンちゃんにいうことを聞かせるには、信頼関係を築き「群れのボスとして認められる」必要があるのです。
飼い犬の場合、「群れ=家族」となるのですが、家族内に信頼できるボスがいないと、不安から落ち着きを失ってしまいます。また、無駄吠えなどの問題行動が見られるようになり、攻撃的な正確になることがあるので、できるだけ早い段階で「飼い主=ボス」と認められましょう!
これができていれば、飼い主に従順になるので、しつけも各段に楽になると思います。
著者/ブリーダーナビ編集部