1.ジャックラッセルテリアの噛み癖はどうすればいい?
噛みつく力が強いので要注意
ジャックラッセルテリアはその昔、狩猟犬として活躍していました。自分よりも遥かに大きな獲物を仕留めることもあり、小型犬とは思えないほどアゴの力が強いです。
また、狩猟本能が強いので、誰にでも噛みついてしまう可能性があります。これはジャックラッセルテリア特有の性質であり、本能的な行動といえます。しかし、放置していると他人を噛んでトラブルになったり、飼い主自身がケガを負ったりしてしまいます。
愛犬と楽しく生活するためにも、子犬の頃から噛みつく行動を抑制するしつけを行いましょう。
子犬の時期に噛んでくる理由
基本的に噛み癖は子犬の頃から始まります。
噛む理由はジャックラッセルテリアによって異なりますが、その多くは歯の生え変わりが原因となっているようです。ワンちゃんは生後4~8か月頃になると、子どもの歯から大人の歯に生え変わります。このときのムズムズを解消しようとして、人や家具などを噛んでしまうのです。
そのほかにも、遊びの延長で人を噛むことがあります。特にジャックラッセルテリアは興奮しやすい性格で、飼い主と遊んでいるときにテンションが上がり、そのままの勢いで噛んでしまうこともしばしば。
どちらの理由にせよ、子犬は「甘噛み」といって軽く噛むだけで、あまり痛みは感じません。しかし、生後3ヶ月以内に親や兄弟から引き離された子は社会性が身についておらず、加減が分からないために本気で噛んできます。いくら子犬でも本気噛みされれば、ケガに繋がりますので、しっかりとしつけを行っていく必要があります。
2.噛み癖は子犬の頃からしっかりしつけよう
成犬になってからのしつけは難しい
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子犬の甘噛みは痛くないからと、スルーしてしまう人も多いです。しかし、甘噛みを放置していると噛み癖が定着し、成犬になってからも人や家具などを噛んでしまいます。成犬になると力や筋肉が付き、噛まれると大きなケガを負う可能性があります。
飼い主を噛むのも問題ですが、もし他人を噛んでしまった場合には裁判沙汰にもなりかねません。大きなトラブルを引き起こさないよう、噛み癖は子犬のうちに治しておきましょう。
もちろん、成犬になってからでも噛み癖の矯正は可能です。しかし、子犬の頃に比べると治すまでに時間がかかりますし、難しいとされています。もし飼い主の手に負えなくなった場合は、ドッグトレーナーや獣医さんなどのプロに相談してみましょう。
噛み癖の基本的なしつけ方
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噛み癖のしつけにおいて大切なのは、噛んでいいものと噛んではいけないものを教えてあげることです。
もし家具や人など、噛んではいけないものに口を当てていたら、子犬を仰向けにして目を見ながら低い声で叱る、噛まれた瞬間に大きな声で「痛い!」と叫ぶなどして、噛んではダメなことを教えましょう。
そして、代わりにガムやロープなど噛んでいいものを与えてください。
ジャックラッセルテリアに与えるものは、スリッパや靴下など噛んではいけないものに似ていないアイテムを選びましょう。形状が似ていると、噛んでいいものと噛んではいけないものが混同してしまいます。また、丸呑みしないように口より大きめのサイズを選びましょう。
3.噛む理由によって対処法が変わってくる
愛情表現として噛んでくる場合
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おしゃぶりや毛繕いなど、愛情表現として軽く噛むことがあります。基本的に「嬉しい」「甘えたい」などプラスの感情のときに起こる噛み癖なため、叱らずに受け止めてあげましょう。
どうしてもやめてほしいときは、ジャックラッセルテリアが噛んだ瞬間に立ち上がり、その場を離れてください。何度も繰り返すことで、噛むと大好きな飼い主が離れていくと学習して噛む回数が減ってくるでしょう。
興奮して噛んでくる場合
ジャックラッセルテリアのような興奮しやすい性格に多いのですが、遊びの最中や嬉しいときにテンションが上がり、そのままの勢いで人を噛んでしまいます。このとき、ジャックラッセルテリアは興奮しすぎて周りが見えておらず、人を噛んだ自覚がありません。
そのため、噛まれた瞬間に「痛い!」と声をあげて歯が当たっていることを教えてあげましょう。また、遊んでいる最中に噛まれた場合は一度遊びを中断してください。
何かを要求して噛んでくる場合
飼い主に構ってもらいたい、食べ物が欲しい、散歩へ行きたいなど自分の要求を伝えたいときに噛むことがあります。この場合、一度でも要求に応えてしまうと噛み癖が悪化するため、噛まれたら完全無視をしてください。無視の最中は声をかけることはもちろん、視線を送るのも控えましょう。
もしジャックラッセルテリアが落ち着いた様子であれば、散歩やご飯を与えたり、コミュニケーションを取ったりして要求を満たしてあげましょう。
抵抗して噛んでくる場合
体を拭かれる、抱っこされる、シャンプーされるなど、苦手なものに抵抗して噛むことがあります。本気噛みではなく、ガジガジと軽く噛むようなケースが多いです。
抵抗からくる噛みは「嫌だ!」「やりたくない!」とワガママを言っている状態です。噛まれても無視して、今まで行っていたことを何事もなかったかのように続けましょう。
また、その行動に慣れてもらって抵抗心自体を和らげることも大切です。もし嫌いから好きに変われば、抵抗して噛むこともなくなります。最終的に、その行動を好きになれるよう、ご褒美をあげながら進めましょう。
攻撃するために噛んでくる場合
攻撃からくる噛みには「防御するための噛み」と「闘争心による噛み」の2種類があります。
◎防御するための噛み
防御するための噛みが起こるタイミングは、大きく分けて2つあります。
1つめが、いきなり触られる、踏まれるなど驚いた瞬間に起こる噛み。これは危険から身を守るための本能的な行動であり、野生に近い犬種にはよく見られます。
2つめが、恐怖を感じたときの噛み。人から危害を加えられそうになったり、窮地に追い詰められたりすると噛んでしまいます。
1つめの場合は驚くと反射的に出てしまうため、日頃からジャックラッセルテリアを驚かせないことが大切です。もし感覚に敏感なのであれば、ご褒美を使いながら体に触れる練習をしましょう。
2つめの場合は、できるだけジャックラッセルテリアを刺激しないよう恐怖の原因を排除してください。大きな声やオーバーなアクションを起こすと攻撃されると勘違いして、噛み付く恐れがあります。
また、どちらの理由であっても過剰に反応しないことが重要です。防御からくる噛みは、誰かを傷つけようと思って噛んでいるわけではありません。そのため、頭ごなしに叱るのは控えましょう。
◎闘争心による噛み
闘争心による噛みは、ご飯や子どもなど自分の大切なものを守るとき、自分の立場を有利にしたいときに起こります。基本的に、相手を敵とみなして攻撃をしている状態です。
もし味方である飼い主に対して闘争心による噛みを起こすのであれば、主従関係から見直す必要があります。愛犬に対する接し方や生活環境など、根本的な部分を今一度チェックしてみましょう。
飼い主だけで手に負えない場合には、動物の行動学に基づいてしつけを行うドッグトレーナーに相談するのがおすすめです。
痛みで噛んでくる場合
体のどこかが痛い、触られると痛い場所があるなど、ケガや病気によって痛みを感じているときにも噛むことがあります。もし今まで大人しかった子が急に噛むようになったり、特定の場所を触ると噛んだりする場合は、痛みからくる噛みを疑い、まずは動物病院の受診をおすすめします。
まとめ
ジャックラッセルテリアは狩猟本能が強く、噛み癖が出やすい犬種です。家族や他人をケガさせないためにも、子犬のうちから噛み癖のしつけを行いましょう。
噛み癖以外のトイレや留守番などのしつけについては、下記ページで詳しく解説しています。こちらも参考にしてみてくださいね。
ジャックラッセルテリアに必要なしつけまとめ!トイレ、留守番など
また、性格や飼い方全般の疑問について知りたい方は、下記ページをご覧ください。
著者/ブリーダーナビ編集部