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柴犬は運動量が豊富な犬種なので、時に飼い主の思いもつかないような暴走をすることがあります。しかし、これは柴犬の身体能力の話だけではなく、子犬の頃してこなかった「しつけ」の問題でもあるのです。
柴犬が飛びついたりリードを引っぱったりするのはなぜ?
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もしも愛犬が知らない人にいきなり飛びついたり、散歩中にリードを無視して動き回ったらどうでしょうか?
ほとんどの飼い主が、ワンちゃんを止めようと何かしらの行動を取ると思います。
しかし、飼い主の指示に従ってくれるのは、しっかりとしつけができている子だけなのです。
自分では抑えられないほどの興奮
・来客の姿を見ると興奮して飛びつく
・散歩の時にぐいぐいとリードを引っ張る
・飼い主さんの呼びかけを無視して走り回る
・サイレンの音に興奮して断続的に吠える
こうした行動は、ワンちゃんが興奮を抑えられずにやってしまう行動の一例です。
興奮してしまう理由は、嬉しさが抑えられなかったり、好奇心から他の物が目に入らなくなったりと様々ですが、共通点しているのは、自分の意思で興奮を抑えられないことが挙げられます。
こうした行動は、多くの場面でトラブルを起こす可能性があるので、非常に危険です。
場合によっては、ワンちゃん自身がケガをすることもあるので、速やかにしつけて止めさせるべきでしょう。
刺激になれさせることが重要
上述したような興奮状態が引き起こす行動は、「まて」などの命令を繰り返しても効果が薄いので、行動を起こしてから注意するのは効果的とはいえません。
そこで有効となるのが、コントロールできなくなる前に、興奮しないようにするしつけです。具体的には、子犬の頃から様々な社会的刺激を与え慣れさせることで、ある程度抑えられるようになります。
逆に、社会的な刺激から隔絶された環境で暮らしてきた柴犬を、突然世の中に放りだした場合、かなりの確率で興奮状態になってしまうでしょう。
つまり、まだ子犬の時期にどれだけ刺激に慣らしておくかは、生活環境次第ということなのです。
柴犬の飛びつき癖をしつけよう
柴犬の飛びつき癖を放置すると、散歩中など通行人に迷惑をかけるだけでなく、場合によってはケガを負わせたり、ワンちゃん自身がケガをしてしまう可能性があります。
「子犬のすることだから…」と甘く考えずに、早い時期からしつけるようにしてください。
悪気がなくても問題になることも
興奮を抑えるためのしつけを説明しましたが、実は興奮していなくても飛びついてくる時があります。
柴犬をはじめとしたワンちゃんは、顔と顔を近づけて挨拶するのですが、相手が人間の場合、頭の位置が高いので必然的に飛びつく形になるのです。
飼い主など、慣れている人であれば問題ありませんが、通行人など見ず知らずの人にまで行うのであれば、しつけておいた方がいいでしょう。
柴犬の挨拶は人間に迷惑?
柴犬からすれば挨拶しているだけなのですが、人間の立場からすれば、「知らない犬にいきなり飛びかかられた」ことになります。
犬好きの人なら喜んでくれるかもしれませんが、全ての人が好意的なわけではありません。散歩中であれば、服を汚してしまったり、小柄な子どもであればケガをさせてしまう可能性もあります。
また場合によっては、飛びついてきたワンちゃんを振り払ったりする人にいるでしょう。そうなると、逆にとびかかった柴犬の方がケガをしてしまうこともあります。
こうした、行き違いによる不幸な事故を起こさないためにも、飛びつき癖のある柴犬は、子犬の頃からしっかりとしつけておく必要があるのです。
子犬時代に人間社会に慣れさせよう
「しつけは子犬の頃から始めた方が覚えが早い」とはよく言いますが、これは飛びつき癖に関しても同じことがいえます。
子犬に飛びつかれても、大抵の人はそこまで気にはしないでしょう。そのため放っておかれて、飛びつき癖がついてしまい、成犬になってもそのまま飛びつくようになってしまいます。
「子どものやることだから」と甘く見て、そのまま大人になってからも同じことをし続けるのは、人間でもワンちゃんでも同じです。そのまま身に付いてしまわないよう、飛びつかれたらその場でしつけるようにしてください。
ワンちゃんからすれば、今まで許されたことなのに、ある日突然叱られるようになっても、わけが分からないでしょう。しつけに一貫性がないと、飼い主への不信感にもつながるので、やはり子犬の頃から「ダメなものはダメ」としつける必要があります。
・飛びつきそうだな、と思ったら子犬を抱き上げて口元を舐めさせましょう
・飛びつかなくても口元を舐められるよう、しゃがむのもありです
まずはこの2点から初めてみてください。
飛びつき癖のしつけ
飛びつかないようにしつけるのは、まず「おすわり」を覚えさせましょう。「おすわり」の体勢のままでは飛びつくことはできないため、次に動き出さないように「まて」を指示します。まての指示を聞き入れて、大人しくできたら褒めてあげてください。おやつを与えてもいいかもしれません。
ただし、この方法は「おすわり」と「まて」のしつけが終わっていることが前提になるので、これをきっかけに教えてあげると良いかもしれません
「おすわり」「まて」といった服従訓練については、下記ページで詳しく解説しています。
【柴犬のしつけは難しい?】「おすわり」などを覚えてもらうには?
著者/ブリーダーナビ編集部