パグは、しっぽや表情(口や目、耳など)、足、体全体を使った動作や姿勢、鳴き声に現れます。
そのため飼い主としては、愛犬の行動の意味を知ることで心理状態を把握できるようになり、より確かなコミュニケーションが取れるようになるでしょう。
1.パグのしっぽの特徴とは?
パグの特徴といえば、愛嬌たっぷりの顔ですが、しっぽも負けず劣らず独特な形をしています。
クルンと丸まったしっぽは「巻き尻尾」といい、コルク抜きのように螺旋状に巻いていることから、「スクリューテイル」と呼ばれることも。パグ好きなら、このしっぽを見ただけでパグと分かるほどです。
こうした巻かれているしっぽは、走り回ってもケガをしにくいほか、肛門付近の通気性が高くなっており、湿気がこもりにくく他の犬種と比べて衛生的というメリットがあります。
2.しっぽの動き1つでも気持ちは分かる!
クルンと丸まって愛嬌のあるパグのしっぽは、かわいいだけでなく、表情豊かでその時の気持ちをとても良く表しています。
しっぽの動きにも注目して、愛犬のちょっとした変化に気付いてあげてください。
いつものしっぽの状態をまずは知ろう
ワンちゃんのしっぽはとても感情豊かで、犬種によってはどれだけ顔で平静を装っていても、しっぽの状態を見れば感情が丸わかりということもあります。
しっぽの状態から愛犬の気持ちを知るために、まず基本となる「いつものしっぽの状態」を把握しましょう。例えば、散歩中に落ち着いて歩いているときの様子は、リラックスしている『普通のしっぽ』の状態です。
しっぽの動きからどんなことが分かる?
・しっぽを振る
基本的に、高い位置でしっぽを小刻みに振っているときは「喜び」、ゆっくり振っているときは「警戒」の状態です。
また、しっぽを低い位置で振っている場合は、上記の感情に「不安」などのネガティブな感情も含まれます。
・しっぽが上がっている
しっぽが上がっているのは「興奮している」状態です。
ただし、しっぽの状態だけでは、ポジティブな理由なのかネガティブな理由なのかは分かりません。しっぽの状態だけでなく、耳や口元、目の様子なども合わせて判断するといいでしょう。
・しっぽが下がっている
ストレスを感じていると、しっぽが普段よりも下がってしまいます。さらに、後ろ足のあいだにしっぽを入れてしまっているようなら、強い不安や警戒心の現れです。
3.パグの表情!口・耳・目の変化
ワンちゃんの行動の中でも、特に口や耳、目からは、読み取れる気持ちは多いので、「どんな動きをするとどんな気持ちなのか」覚えておくといいでしょう。
口の開き具合をチェック
人間と同様、ワンちゃんの感情も口元に良く現れます。そのため、口の開き具合に注目することで、愛犬が今どのような気持ちなのかを知ることができるでしょう。
・口を大きく開けて口角を上げている
人間の笑顔と同じで、嬉しい時や、リラックスしている時の表情です。口元が緩んでいるので下の犬歯が見えたり、舌をペロッと出したりすることもあります。
・口を軽く開けている
こちらも嬉しい時に見せる表情ですが、ワンちゃんは不安になっても、口が軽く開いたままになってしまいます。
・口を開けずギュッと閉じている
集中しているときやストレスを感じている時は、口を結んで真剣な表情をします。
これは、嗅覚の鋭いワンちゃんがにおいから情報を得るためといわれています。
・唇をめくる
唇をめくり歯茎まで見せるようなら、相手に警告しています。恐ろしい表情をしているので、飼い主でも近づくことがためらわれるでしょう。特に、上の犬歯が見えるようなら、攻撃の一歩手前です。
耳の向きで分かる気持ち
ワンちゃんの感情は、耳にも現れます。しかし、パグは垂れ耳なので、立ち耳の犬に比べると動きが分かりにくいため、注意深く観察しないと分かりにくいかもしれません。
・耳を後ろに折りたたんでいる
相手に服従の意思を示したり、不安な気持ちを抱いている場合は耳を後ろに倒します。
・耳を前向きに立てている
威嚇や集中、緊張などを意味します。耳を立てて正面に向けることで、音から対象の情報を得ようとしている状態です。特に自分を強く見せたいときや目の前にある何かに集中すると、グッと前に立ちます。
・耳を横へ向けている
不安を感じていたり周囲を警戒していたりする状態です。顔の向きを変えず、耳だけを細かく動かすことで、音から周りの状況を判断しようとしています。
目の表情、視線から読み取れる感情
「目は口ほどにものを言う」という言葉通り、目には感情が現れます。それは人間だけでなく、ワンちゃんにもいえることです。
・目を見開いている
白目が見えるほど目を見開いているようなら、不安や警戒している緊張状態です。
ただし、同時に口元を緩ませているのであれば、興奮している可能性があります。
・上目遣いで見てくる
下から覗き込むようにこちらを見上げている場合は、様々な感情が混ざり、様子をうかがっている状態です。
例えば、初対面の人やワンちゃんを相手に、近づきたいけど不安を感じている場合は、上目遣いでどうしようか迷っています。また、『ふせ』の状態で床に顎を付けたまま、上目遣いで見上げているようなら、リラックスしている状態です。
4.知っておきたい「カーミングシグナル」の意味
『カーミングシグナル』とは、ボディランゲージを使ったワンちゃんのコミュニケーション手段です。人間と違い言語を発することができないワンちゃんにとって、カーミングシグナルは自分の気持ちを伝えるための行動になります。
自分や相手を落ち着かせるための行動
カーミングシグナルとは、ワンちゃんが生まれつき備えている本能的なボディランゲージです。言葉でのコミュニケーションが取れないワンちゃんにとって、自分の状況や感情を相手に伝えるための意思伝達方法です。
ワンちゃん同士の場合、主に不要な争いを避けるための手段になります。
例えば、「しっぽを振る」「座る」といった何気ない行動も、カーミングシグナルの一種です。こうした行動を取ることにより、興奮状態で近づいてきた相手だけでなく、自分も落ち着かせることができます。
カーミングシグナルに込められた意味を読み解くには?
簡単にいえば、カーミングシグナルは体の動きですが、ワンちゃんが見せるしぐさ全てに意味があるわけではありません。瞬間瞬間の行動を切り取るのはなく、前後の状況や行動の頻度を確認して判断することが大切です。
また、意図した行動ではなくとも、何かしらストレスを感じるような状況で取った不意の行動も、カーミング・シグナルの可能性が高いでしょう。
愛犬のカーミングシグナルを見逃さないためにも、普段のちょっとした行動も、意識して見ておくことをおすすめします。
カーミングシグナルの例
・あくび、伸びをする
ストレス軽減が目的
・おなかを見せる、お尻を上げる、舌を出す
服従、敵意がない意思を伝える
・体をかいたり、振ったりする
構われることを嫌がるなど、放っておいてほしい
・円を描きながら近づく、鼻をなめる
敵意がない証
・目をそらす、ゆっくり動く
ストレスを回避するための行動
・瞬きが増える、目を細める
見られていることを拒絶している
まとめ
言葉が通じないワンちゃんとのコミュニケーションを取るために、ボディランゲージの意味を理解する必要があります。目や耳、口、しっぽなど、ポイントを見極めて、「どんな表情をしているのか」「しっぽは上がっているのか下がっているのか」「耳はどちらに傾いているか」など、「今、どんな気持ちなのか」考えてみましょう。
下記ページでは、パグの性格について掲載しているので、こちらもぜひご覧ください。
パグの性格は?飼いにくい?
また、これからパグを飼おうと考えている方には、一度ブリーダーの犬舎に見学にいき、話を聞いてみることをおすすめします。
複数のパグを飼育しているブリーダーなら、パグが今どんな気持ちなのか、カーミングシグナルの意味も教えてくれるでしょう。
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著者/ブリーダーナビ編集部