ボーダーコリーの噛み癖を直したい!
photo by ivgrez
普段はとってもよい子なのに、ちょっとしたきっかけで「ガブッ!」と噛みついてくることはありませんか。もし、本気で噛まれたりでもしたら、大けがをしてしまうことも…
「どうすれば噛み癖を直せるの?」「そもそもなぜ突然噛みつくの?」とお悩みの方も少なくはありません。
ボーダーコリーは、元々牧羊犬として活躍してきた犬種。羊や牛などの家畜を敵から守るために、時には攻撃的な行動を出すことがあります。その理由から本能的に噛みついてしまうことがあるのです。
また、それ以外にも噛む理由があるのはご存知ですか?実はボーダーコリーが生活する家庭環境に潜んでいるのです。
「え!?どういうこと」と思った方も多いと思いますので、その辺りを含めて詳しくお伝えしていきます。
あなたはリーダー(主人)として責任を果たしていますか?
ボーダーコリーは常に人間観察を行っている
なぜ、あんなに賢いボーダーコリーに噛み癖がついてしまうのでしょうか。
性格や個体差もありますが、ボーダーコリーは警戒心が強い傾向にあります。
そのため「この人は本当に信頼できるのか」「従うべき存在なのか」と、飼い主の行動や言動をチェックしています。もしも「信頼できない」「心細い」と思わせてしまうと、常に吠えたり噛みついてきたりと警戒を強めてしまうことがあるのです。
主従関係が築けているか
噛み癖が直らないのは、きちんと主従関係(上下関係)が成り立っていないことが原因の1つともいわれています。
本来ワンちゃんは群れで生活をする動物です。そのため、群れをまとめるリーダーが必ず存在しました。もし、そのリーダーが少しでも頼りなければ、よりリーダーとして優れたワンちゃんが次のリーダーとなって群れをまとめていたのです。これはいわゆる“実力主義社会”ともいえるでしょう。
もし愛犬が飼い主を頼れるリーダーとして認めないのであれば「自分がリーダーにならなくては!」「自分がリーダーなのだ!」と思うようになり、飼い主の指示を聞かなくなってしまいます。
きちんとボーダーコリーと飼い主との間で主従関係を確立させなければ、噛み癖を直すどころか問題行動はどんどん発展していってしまい、修復不可能になってしまうかもしれませんよ。
主従関係が成り立っているかチェック
あなたとボーダーコリーの間にきちんと主従関係が成り立っているかチェックしてみましょう。
【チェック項目】
□名前を呼んだら直ぐに反応し、飼い主の元へ来る
□飼い主の指示に対して一度で従える
□体(特に口元や足先、お腹まわり)を触らせてくれる
□仰向けのポーズをさせても嫌がらない
□無駄吠えや噛み癖などの問題行動はない
上記のチェックに当てはまらない場合は、主従関係がまだ築ききれていないかもしれません。
どうすれば主従関係を築くことができるのか
photo by Marius Lengwiler
ボーダーコリーとの間にきちんと主従関係を築くには「私(飼い主)があなたのリーダ(主人)よ」と認識させ、服従心を高める必要があります。
では、どうすれば服従心を高めることができるのでしょうか。以下の3つのトレーニングを取り入れながら、服従心を高めていくことがおすすめです。
●ホールドスチール
飼い主がボーダーコリーの背後から覆いかぶさっても嫌がらず、体を委ねるようにするためのトレーニングです。
【ホールドスチールのやり方】
①ボーダーコリーの背中が飼い主のそばになるように、膝をついてボーダーコリーを足の間に座らせる。
②ボーダーコリーの前足部分を持ち、ゆっくりと覆いかぶさる。
③抵抗されてもキープを続ける。(初めは10秒からスタートしてみましょう)落ち着いてできたら、大げさに褒めてあげる。
●タッチング
体を触っても抵抗せず、おとなしくできるようにします。最終目標はワンちゃんにとって弱点でもある「口元・足先・お腹まわり」を触れても嫌がらない状態にもっていきます。こうすることで、服従心を高める効果が期待できます。
【タッチングのやり方】
①ホールドスチールの状態で、前足の付け根を触る。そして徐々につま先へ向かって触っていく。
②飼い主は体を起こし、顔や耳、背中などをやさしく触る。
③ボーダーコリーをひっくり返して、仰向けの状態にする。腹や顔をやさしく撫でる。
④おとなしくできたら「いい子だね」とやさしく声を掛け、褒めてあげる。
●マズルコントロール
ワンちゃんにとって急所の部分でもあるマズル(口元から鼻先にかけて)は、簡単に触らせてくれない箇所でもあります。そのため、この箇所を触らせてもらえるようになると、それだけ服従心が高まっているといえます。
【マズルコントロールのやり方】
①顎の下を撫でる。慣れてきたらマズルをやさしく掴み、サッと離しましょう。
②①を繰り返し行い、おとなしくできたら褒めてあげる。
③①に慣れてきたら、掴んだ状態からゆっくりと左右に動かす。この時もおとなしくできたら褒めてあげる。
④左右に動かすのに抵抗がなくなってきたら、上下に動かしてゆっくりと回す。
服従心を高めるためには、飼い主に何をされても抵抗しない状態にすることが大切です。また、日々の生活の中でもボーダーコリーを優先せず、飼い主が主導で動くようにしましょう。そうすることでボーダーコリー自身もリーダーは誰なのか認識し、飼い主の指示に従うようになりますよ。
著者/ブリーダーナビ編集部