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愛犬には長生きしてもらいたいもの。そのためには、食事や運動、生活環境を見直し、しっかりと管理する必要があります。
本記事では、マルチーズに長生きしてもらうために知っておきたい情報や心がけておくべきことについて詳しく解説していきます。
マルチーズの寿命は?ギネス記録は?
マルチーズは、ワンちゃんのなかで最も寿命が長い小型犬に属する犬種ですが、犬種単体としての平均寿命は何歳なのでしょうか。ここでは、マルチーズの平均寿命を紹介するとともに、ギネス記録に残る長寿のワンちゃんを紹介します。
マルチーズの平均寿命
アニコム損保の調査によると、マルチーズの平均寿命は13歳でした。
これは、全犬種中18位の寿命の長さで、超小型犬の平均自明13.8歳よりも1年近く短くなっています。
犬種問わず、ワンちゃん全体の平均寿命は13.7歳なので、超小型犬の平均寿命は全体の平均寿命とほぼ同じとなっています。
ギネス最長の寿命は何年?
調べた結果、明確な情報が存在せずマルチーズの最高齢は分かりませんでした。そのため、参考までに現在ギネス記録に認定されている、最高齢のワンちゃんを紹介したいと思います。
ギネス記録として登録されている最高齢のワンちゃんは、ラブラドールレトリーバーのBellaで、29歳193日まで生きたそうです。
では、人間の年齢に換算すると何歳になるのでしょうか。
おそらく、最も知られている「単純7倍計算方式」で算出すると、「29×7」となり、203歳ということになります。しかし、2019年に米国のカリフォルニア大学サンディエゴ校の研究チームが発表した最新の計算式は、以下のようになっています。
「人間に換算した年齢=16×ln(犬の年齢)+31」
この計算式にBellaの年齢29歳をあてはめると、年齢は何と495歳!
およそ5世紀ほども生き続けたことになってしまいます。こうして考えると、Bellaがどれだけ長生きしたのかお分かりいただけるでしょう。
長生きの秘訣①「食事・健康管理」
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愛犬に長生きしてもらうためには、食事と健康の管理が欠かせません。
与える食事の内容を年齢や体調に合わせ、病気をしないように普段の生活を見直せば、長く元気でいてくれるでしょう。
消化吸収の良い食べ物を与える
愛犬の健康を守るためには、食べ物にも配慮する必要があります。消化器系の内臓に負担をかけないために、消化吸収の良い物を与えるようにしましょう。
具体的には、良質なタンパク質を含んだ食べ物を選び、脂肪分が多いものは控えるようにしてください。
年齢に合わせたフードを選ぶ
ライフステージによって代謝や運動量、必要な栄養素が異なるため、愛犬の年齢に応じて与えるフードを与える必要があります。
この際、いきなり切り替えるとお腹に負担がかかるので、子犬用に成犬用のフードを混ぜるようにして少しずつ移行してください。
良質なタンパク質を豊富に与え、脂質と炭水化物は控えましょう
ストレスを与えないように心がける
人間同様、過度なストレスはワンちゃんの体調に悪い影響を与えてしまいます。
特に、マルチーズのような甘えん坊な性格の犬種の場合、留守番の時間が長いと、強いストレスの原因となります。また、必要以上に厳しく叱ったり、生活環境が悪かったりするのも良くありません。
そのほか、個体によって嫌がったり怖がったりする物事は違うので、普段から愛犬の様子を観察して、可能な限りストレスの原因から遠ざけるようにしましょう。
健康チェックを欠かさない
ワンちゃんは我慢強い子が多いので、どこかに不調があってもそれを飼い主に訴えるようなことはあまりありません。まして、言葉を話すことができないので、愛犬の異常には飼い主が気付いてあげる必要があります。
定期的な健康診断は前提として、自宅でのお手入れをしながら、全身をくまなくチェックしてあげましょう。
マルチーズは、特徴的な被毛を美しく保つために、毎日のブラッシングが欠かせないので、一緒にどこか痛がっていないか、いつもと違ったところはないか確認してくださいね。
長生きの秘訣②「お散歩や運動」
ワンちゃんにとって大切な毎日の散歩は、単純な運動という意味以外にもストレスの発散
などの意味があります。万病の元である肥満予防にも有効なので、愛犬の健康を守り長生きしてもらうために、一度お散歩の意味と必要性を考えてみましょう。
体調や年齢に合わせて運動量を調整
マルチーズは室内で遊ぶだけでも、1日に必要な運動量は確保することができますが。室内に籠りっぱなしではストレスが溜まってきてしまいます。そのため、他の犬種と同様毎日散歩に連れて行ってあげましょう。
基本は1日1~2回10分ほどで十分なので、ここに年齢や体調を考慮して、時間を調整してください。ただし、過度な運動は逆に体調を悪くさせる原因となるので、適度な運動を心がけましょう。
天候が悪い日は無理せず室内で遊ぶ
毎日の散歩が必要とはいっても、天候が悪い日など、外出できない日もあるでしょう。だからといって、運動も何もせずゴロゴロしているだけではすぐに運動不足になっていまいます。
そんな悪天候で外出できない日は、家の中で一緒に遊んであげると良いでしょう。
マルチーズは小型犬ということもあり、そこまで多くの運動量が必要な犬種ではありません。そのため、ただ運動させるだけであれば、屋内で遊ぶだけでも問題ないのです。
おすすめの遊びは、おやつ探しや引っ張りっこなどです。
愛犬の好みを踏まえて、運動にもなる遊びを工夫してあげましょう。
長生きの秘訣③「生活環境を整える」
愛犬の健康や安全を守るためには、生活環境を整えることが何よりも重要です。
普段生活する空間次第では、ケガや病気になるリスクが高くなり、健康を害してしまいます。
生活環境を安全に
安心・安全な生活のためには、生活環境を整えてあげる必要があります。
例えば、床が滑りやすい素材であればマットやカーペットを敷いて滑りにくくしたり、マルチーズに負担となる高低差を可能な限りなくすと良いでしょう。
暑さ・寒さ対策も重要
マルチーズはシングルコートの被毛を持つ犬種です。そのため、寒さに弱く、冬場の防寒対策は欠かせません。逆に、暑さには比較的耐性があります。
しかし、日本の夏は気温に加え、湿度の高さ、アスファルトの照り返しなど熱中症や脱水症状になりやすいので、暑さ対策も必要です。
散歩に出かけるときは、服を着せたり靴を履かせたり、室内でもエアコンで温度を調整して、快適に過ごせるようにしましょう。
マルチーズがかかりやすい病気
人間同様、長生きするためには病気への対策が必要不可欠です。
ここでは、マルチーズがかかりやすい病気にはどんなものがあるのか、病名とその症状、予防方法を紹介します。
マルチーズを飼ううえで把握しておきたい病気
高齢になると発症リスクが高くなるのですが初期症状はなく、進行すると運動を嫌がったり、喘息のような咳をしたりします。
重症化すると、肺水腫や呼吸困難、チアノーゼなどの症状が現れ、最悪死に至ることもある病気です。
予防や完治が難しい病気で、早期発見による投薬治療で病気の進行や症状の発現を遅らせることが、主な治療となります。
特に小型犬に良く見られる病気で、膝周辺に先天的な異常がある場合や、外傷や栄養障害が原因で発症することが多いようです。
肥満による体重増加で症状が悪化するので、食事と運動による体重管理を心がけましょう。
また滑らないように踏ん張ると膝に負担がかかるので、床にカーペットやマットを敷いたり、足裏の毛を短くカットするようにすると予防になります。そのほか、段差を少なすことも有効です。
先天的に鼻涙管の入り口が欠損していたり、炎症や異物、外傷などの後天的な要因で発症し、マルチーズは先天的な要因が多いようです。そのため予防は難しく、早期発見、早期治療が重要となってきます。
まとめ
小型犬であるマルチーズの平均寿命は、13歳年と小型犬の平均寿命よりも比較的短めです。しかし、生活環境を整えたり食事や運動をしっかり管理することで、平均寿命以上に長生きしてくれることも珍しくありません。
今回の記事を参考に、バランスの良い食事や適切な運動量を心掛け、可愛い愛犬を1日でも長生きしてもらえるよう努めてください。
著者/ブリーダーナビ編集部