トイプードルのしつけはいつから?最適な時期や成犬のしつけについても

トイプードルのしつけに最適な時期はいつ頃?

生後3か月頃までは環境になれることが最優先

トイプードルのしつけはいつから?最適な時期や成犬のしつけについても
photo by Yasuhiko Ito

一般的に、ワンちゃんのしつけを始めるタイミングは、3ヶ月~4ヶ月頃が理想といわれています。その理由は、社会化期といわれる生後3週~12週目(3ヶ月頃)までの期間を終えた直後くらいがこの時期に当たるからです。

社会化期とは、子犬の好奇心が最大限に発揮される時期で、生涯を通して物事を学ぶ・身に着けるには最適な期間。そのため、最低限のしつけはこの時期に行うのがベストといわれています。反面、警戒心が育っていない時期でもあるので、飼い主の注意が必要な時期ともいえるでしょう。

つまり、社会化期に親兄弟とすごすことで社会的行動を身に着け、それからすぐにしつけを行うのが理想ということになるのです。
それができない状況――例えば、早い時期に親と離れて暮らさなければならなくなった場合などは、人や犬、環境や物にできるだけ触れ合える環境を整えてあげるといいでしょう。

しつけておきたいポイントを紹介


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・環境への順応
この時期のしつけの中心となるのは、様々な物事に慣れさせるための基本的なこと。
例えば、歯磨きや爪切り、被毛のカットなどの日常のケアに使用する道具に対する抵抗をなくすためのしつけです。

いきなり歯磨きや爪切りをしても、ほとんどのワンちゃんは素直にさせてくれません。基本的にワンちゃんは体に金属が触れることを嫌がる傾向にあるので、まずは道具を体に触れさせたり目の前に持って行って見せたりすることから始めましょう。成犬相手にするのは難しいところですが、まだ警戒心が弱い子犬の時期なら、少しずつ慣れていってくれます。

・散歩の準備
ワクチンの接種を終えるまで散歩に出ることは控えなければなりませんが、この時期に屋外の環境や家族以外の他人・ワンちゃんには慣らしておきたいところ。外の物や人、ワンちゃんと直接触れさせないことを前提に外出することが可能な場合もあるので、獣医さんに相談するといいでしょう。もしもそれもダメな場合は、止むを得ないので家の中でできることをやっておきましょう。

具体的にやっておきたい例として、車の音や電車の音などに慣らしておきたいところです。この時期に慣らしておけば、実際に出掛けることになっても怖がることなく、スムーズに散歩することができるでしょう。また、自宅にお客さんを招いて、家族以外の人に頭を撫でてもらったり、触れ合ったりするのも有効です。

この際注意しておきたいのは、嫌がったら無理強いしないことです。慣らすためのしつけで怖がらせるようでは逆効果になりかねません。

・トイレトレーニングは迎えたその日から
トイレトレーニングは、ワンちゃんを迎えたその日から始めるのが鉄則です。室内で飼う以上避けては通れない、全てに優先して行うべきしつけといえるでしょう。
寝起きや遊んでいる時、食後など、「しそう」なタイミングでトイレへ誘導してあげてください。特に、迎えた初日は付きっ切りで面倒を見るようにしましょう。慣れてくれば、ワンちゃんの様子でトイレしたいかどうか分かるようになってくるはずです。

詳しくは下記のページをご覧ください。
トイプードルのトイレトレーニング!おすすめのしつけ方は? トイプードルのトイレトレーニング!おすすめのしつけ方は?

生活に慣れてきたら本格的なしつけのトレーニングを

「ハウス」「おすわり」「おいで」「まて」「ふせ」を覚えさせよう


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社会化期をすぎて、生活環境にも慣れてきたら、本格的なしつけに入りましょう。
具体的には、「ハウス」「おすわり」「まて」「ふせ」といった、指示(コマンド)が必要なしつけを始めていくことになります。

そのために、前提としてしつけの基本ともいえる「アイコンタクト」を覚えさせることから始めましょう。これを覚えてからはじめて、指示を必要とするしつけを行うことができます。

【アイコンタクトの覚えさせ方】
1.おやつを人の目の高さに持って名前を呼ぶ
2.目が合ったらおやつをあげる
※おやつ以外におもちゃで気を引くのもオススメです!

「アイコンタクト」は、ワンちゃんをしつける上で基本中の基本といえます。
アイコンタクトの詳しいしつけ方は、下記のページで解説しているので、ぜひご覧ください。
非公開: お座りや待てを教える前に!トイプードルのしつけ・服従訓練の基本

まずは覚えさせたい「ハウス」

まずは、ワンちゃんを自発的にキャリーバッグやクレート、サークルに入ってもらうための「ハウス」を覚えさせましょう。これができるようになれば、ワンちゃんの健康と身の安全を守ることにも繋がります。
万が一、天災などで避難を余儀なくされても、安全かつ迅速にワンちゃんと一緒に移動することができるでしょう。また、日常で愛犬と一緒にお出かけする場合も、お留守番をさせる場合にも、この「ハウス」ができるとできないとでは大きく違います。

<しつけ方法>
まずは、入ってほしい「ハウス」におやつを置いて、自発的にその場所に行かせましょう。この時ポイントとなるのは「自発的に」移動させることです。手を貸したり、無理に押し込んだりしてはいけません。
何回か繰り返して慣れてくれば、そのうち「この中にいるとおやつが食べられる」と認識するようになるので、「ハウス」の指示を加えてください。おやつを置かなくても「ハウス」の指示だけで移動するようになれば完了です。
しつけの際注意したいのは、「罰を与える場所として利用しない」ことです。あくまでも「良いこと」「嬉しいこと」と結びつけるようにしましょう。

「おすわり」を覚えさせてみよう

おそらく、ワンちゃんへの最も代表的なしつけが「おすわり」ではないでしょうか。
「おすわり」は、ワンちゃんが後ろ足をたたんで、その場に腰を下ろした状態です。このしつけを身に着けていると、突然ワンちゃんが走り出したしても、慌てることなく動きを抑制することができます。
例えば、散歩時におすわりができると、交通量の多い道路でも飛び出しを防ぐ手段となるので、安心して歩くことができるでしょう。
おすわりは、それ自体が様々な場面で役に立つだけでなく、他の「まて」や「ふせ」といった行動を取らせるための基本姿勢でもあります。

<しつけ方法>
おすわりのしつけ方法は、おやつを使うとやりやすいでしょう。
まずは手に持ったおやつをワンちゃんの鼻先に近づけ、注目したら少しずつ頭の上に持っていき、顔が上を向くように移動させていきます。立ったままの姿勢ではおやつが追えなくなるので、そのうち自然とおしりを地面につけるようになるでしょう。
おすわりの姿勢になったらおやつを上げて、褒めてあげてください。
この時、「おすわり」という指示を出しながらやると、指示と姿勢をワンセットで覚えるようになります。
慣れてくれば、指示だけでおすわりしてくれるようになりますよ。

「おすわり」を覚えさせてみよう

おやつを使っておすわりを覚えさせると、簡単に覚えてくれますよ。


【おすわりの覚えさせ方】
1.片手におやつを持ち、ワンちゃんの顔に近づける
2.ワンちゃんが手に注目したら、その手をワンちゃんの顔の後方にゆっくりと持ち上げる
3.「おすわり」とコマンドをかける
4.おすわりをしたら「よし、いい子」と褒め言葉をかける


ワンちゃんの顔の後方をゆっくりと持ち上げると、必然におしりを地面につくような態勢になります。おすわりをしたら必ず「よし、いい子」などと声をかけておやつをあげましょう。

 

「おいで」を覚えさせてみよう

いわゆる「呼び戻し」といわれるしつけで、自分の元に来てほしい時に呼ぶことで、自発的に近づいてくれるようにします。このしつけができるようになると、散歩中に誤ってリードを離してしまった時も見失って離れ離れになるような事態は避けられるでしょう。
「おいで」というのはあくまで呼び方の一種なので、名前で呼ぶなど、やりやすい指示でしつけるといいと思います。

<しつけの方法>
わんちゃんから離れた場所で待機して、手に持ったおやつを見せ指示を出しましょう。
おやつに誘われて足元まで来たら、おすわりの姿勢を取らせてください。おすわりができたらおやつを与えて、褒めてあげましょう。
この際注意したいのが、「~ちゃん」やあだ名など、呼び方は自由ですが家族内で呼び方を統一すること。ワンちゃんは人間の言葉を音で捉えているので、違う意味と受け取ってしまいます。

「まて」を覚えさせてみよう

「まて」は、飼い主の許可が下りるまでワンちゃんをその場で待機させるしつけです。食事やおやつの場面をはじめ、様々な状況で便利に使えるしつけになります。興奮した愛犬を落ち着かせる際や散歩時の飛び出しなど、トラブルを未然に防ぐためにも、「まて」ができるとできないでは大きく違うでしょう。
使える場面が多いということは、それだけ重要なしつけともいえますね。
また、「まて」のしつけは、「ドッグカフェを利用するなら最低限のマナー」ともいわれています。大切な愛犬と一緒にお出かけするなら、周囲への配慮として「まて」は覚えさせたいしつけといえるでしょう。

<しつけ方法>
「まて」のしつけ自体はとてもシンプルですが、問題となるのは「どれだけまての状態を維持できるか」です。
まずはおすわりをさせて、「まて」の指示を出します。最初は1秒でもいいので、同じ姿勢のままでいることを覚えさせましょう。それができたら、「よし」という指示とおもにおやつを上げて褒めてください。
これを繰り返して、少しずつまてができる時間を延ばしていきます。
重要なのは、「まて」のしつけは「よし」という指示とワンセットということです。

「ふせ」を覚えさせてみよう

「ふせ」は、ワンちゃんのおなか全体が地面についている姿勢で、「おすわり」よりもさらにリラックスしている状態です。このリラックスした状態を長時間維持させることが「ふせ」のしつけの目的になります。
「ふせ」ができるようになれば、長時間の「まて」をさせやすくなるでしょう。
例えば、ちょっとコンビニによる用事があった時でも、入り口でリードをつないで大人しく待たせることができます。
また、「ふせ」の状態は眠る姿勢に近くリラックスしている状態なので、もしワンちゃんが興奮しても落ち着かせるのにとても役に立つのです。
この「ふせ」ができれば、一通り基本的なしつけはマスターできたといっていいでしょう。

<しつけ方法>
「ふせ」のしつけでもおやつが活躍します。
まずは「おすわり」をさせた状態で、鼻先におやつを差し出します。注目したらすぐには与えず、視線を誘導するように手を徐々に下げていきましょう。おやつをワンちゃんの鼻先から真下、手前にむけてLの字を描くように動かすと誘導しやすいです。そのままおやつを床に置いて、「ふせ」の状態になったらその姿勢のままおやつを与えてください。
これを繰り返して、おやつを使わず手の動きだけで「ふせ」ができるようになったら声と手の動きで指示を行います。
最終的に、手の動きがなくて声の指示だけでできるようになれば完了です。

しつける際の注意点と心構え

感情的な行動は厳禁!


photo by ajburnett9

ワンちゃんをしつける上で、絶対にやってはいけないことがあります。
それは、感情的になることです。
ワンちゃんに限らず、相手が人間であれ何かを教える・伝えることは簡単ではありません。思い通りにならないからといって、罵声を浴びせたり暴力を振るうのは以ての外です。それで事態が好転することは絶対にありません。それどころか信頼が失われ、飼い主と愛犬の関係が壊れてしまうこともあるでしょう。

しつけるために愛犬を怖がらせたり怯えさせたりしてしまうのでは、逆に問題行動を起こす原因になりかねません。感情的に行動することは、どんな状況であっても避けていただきたいものです。

おやつ(ご褒美)の与えた方

しつける上でおやつはワンちゃんの注意を引くために何かと便利なので、利用している方は多いのではないでしょうか。
確かに、おやつというご褒美を上手に利用することで、ワンちゃんのしつけは格段に楽になります。しかし、頼りすぎるのは問題です。

おやつは通常の食事とは別に与えるものなので、本来必要のない、余計な食べ物なのです。
上げすぎると肥満の原因になるだけでなく、おやつを食べることに意識がいきすぎて本来のしつけを忘れてしまう可能性もあります。

ご褒美のおやつはほんの少量でも十分。大事なのはおやつの量ではなく、「嬉しいことがあった」と記憶させることなのです。
おやつはあくまでしつけのための補助ということを忘れないようにしていですね。

愛犬の問題行動を見てしまったら…

何かしらの問題行動がある場合、ここまで紹介してきたしつけ以外にも、矯正するしつけが必要になります。吠え癖や噛み癖、人に飛びついてきたりといった問題行動が見られる場合、ワンちゃんは飼い主に何かを訴えているのかもしれません。
何もせずに放置するのは論外として、ただ叱りつけても直るものではないため、問題行動を起こす原因を理解した上で、適切な方法で対処してください。

ワンちゃんの問題行動で困っている方は、ぜひ下記のページをご覧ください。
トイプードルが問題行動を起こす理由は?原因としつけ方まとめ トイプードルが問題行動を起こす理由は?原因としつけ方まとめ
トイプードルの吠え癖・無駄吠え対策!ご近所トラブルを防ぐしつけ方 トイプードルの吠え癖・無駄吠え対策!ご近所トラブルを防ぐしつけ方
甘噛み?それとも本気噛み!?トイプードルの噛み癖を直したい! 甘噛み?それとも本気噛み!?トイプードルの噛み癖を直したい!

成犬になったトイプードルにしつけは難しい?

成犬になってからしつけるためにはどうすればいいのか

これまで、子犬であることを前提にしつけについて解説してきましたが、成犬になるとしつけはできないのでしょうか?
答えは、成犬だからといってしつけが全くできないというわけではありません。
ただし、重ねた年齢の分の経験や習慣を書き換えることになるので、まだまっさらな状態の子犬に比べれば時間かかるでしょう。子犬でも成犬でも、しつけは焦らず根気強く、地道にやっていくことが重要です。

それでも「しつけが難しい」「問題行動が解決しない」という場合は、犬のしつけのプロフェッショナルに頼ってみるのも手かもしれません。最近は、しつけ教室を開いている動物病院もあるなど、しつけを手伝ってくれる場所は多くなってきました。

成犬相手でも、しつけする上で大切なのは、愛犬との信頼関係の構築です。
仮にプロの手を借りたとしても、最終的には飼い主とワンちゃんとの関係の問題になります。それを理解して、しつけは粘り強く続けてください。

まとめ


photo by Jeffrey Beall

しつけは、ワンちゃんを飼うために生活で必要なマナーを愛犬と共有したり、愛犬の安全を守るために必要なものです。
気を付けたいのは、しつけはワンちゃんに一方的に強いるのではないということ。飼い主と愛犬との間に信頼がなく、ただ従わせるだけではダメなのです。
何よりも、ワンちゃんとの関係性を大切にして、飼い犬と愛犬が互いに幸せになれるように精進してください。

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