パグの歴史や原産国(先祖)、名前の由来は?

世界中にファンをもつ『ぶさかわ』なパグ。あらゆるワンちゃんの中でも、古くから存在している犬種ということはご存知でしょうか?
ここでは、「どのような歴史を辿って来たのか」を紹介。また、名前の由来や原産国、起源、逸話など、パグという犬種の歴史にスポットを当てていきたいと思います。

パグの歴史は?原産国(先祖)は?

パグの歴史や原産国(先祖)、名前の由来は?

「ぶさかわ」として、現在1つのジャンルを築いたパグですが、これまでどのような歴史を辿って来たのでしょうか?
今回は、パグがどこで生まれたのか、どのような逸話を持つ犬種なのか紹介していこうと思います。

正式名称パグ(PUG)
原産国中国
サイズ小型犬
平均体高25~28cm
平均体重6~9kg

パグの起源は中国?チベットで飼われていた?

見た目の特徴から、マスティフ系のワンちゃんを祖先に持つのではないかといわれるパグですが、実は起源については諸説あり、はっきりとしたことはわかっていません。
紀元前2000年頃にはすでに存在していたといわれており、現時点では中国のチベット原産という説が濃厚です。

チベットといえばチベット仏教が有名ですが、パグはかつて仏教僧にペットとして可愛がられていたという記録があります。
元々は小型犬ではなく大きい体をしていたそうですが、飼育しやすいよう小型化され、現在のように小さな犬種になったそうです。

その後仏教を通じて中国の皇室に献上されたパグは、魔除けの犬として寵愛されるようになりました。紀元前600年頃から中国の文献や美術品に姿を現すようになり、この時点ですでに現在のパグとほぼ同じ姿をしていたそうです。
中国では、特徴である顔のしわが漢字の「皇」に見えたことから、パグを「皇の印」と呼んでいたそうです。

「パグ」という名前の由来と海外での呼び名

パグは鼻ペチャで深いしわ、と誰もがすぐに思い浮かぶ犬種ですが、その名前の由来まで知っているという方は少ないでしょう。
また、海外ではまるで違う名前で呼ばれており、「パグ」は万国共通の呼び名ではないんですよ。

名前の由来には3つの説がある

パグという名前の由来には諸説ありますが、現時点では以下の3つの説が有力とされています。

1つめは、ラテン語でこぶしを意味する「パグナス」を語源とする説。
くしゃくしゃのパグの顔が人間の握り拳に似ていることから、こう呼ばれるようになり、次第に現在の「パグ」に変化していったと言われています。

2つめが、「マーモセット」という猿の一種に似ていることから名付けられたという説。
パグとマーモセットの表情が似ていることから、マーモセットの通称である「パグ・モンキー」のパグと呼ばれるようになったと言われています。

3つめは、中国の言葉「覇歌(パー・クー)」から名付けられたという説。
「覇歌(パー・クー)」とは、いびきをかいて眠る王様を意味する言葉で、チベットが原産国であることを考えると信憑性は高いのではないでしょうか。

ドイツでは「モプス」?欧州でのパグの呼び名

諸説あるパグという名前の由来ですが、海外に目を向けると「パグ」以外の名前で読んでいる国も少なくありません。
例えば、ドイツではしかめ面を意味する「モプス」と呼ばれたり、フランスではパグ愛好家として知られる俳優の名前から「カーリン」と呼ばれたりしています。
<各国でのパグの呼び方>

呼び方アルファベット表記
日本パグPug
オランダモプスホンドMopshond
ドイツモプスMops
フランスカーリンCarlin

昔のパグは今と見た目が違った?

数千年という歴史を持つパグですが、その特徴的な外見は長い時間をかけて少しずつ変化してきました。では、昔のパグはどのような姿をしていたのでしょうか?

昔は今ほど鼻ペチャではなかった?

深い顔のしわとともに、パグの特徴の1つである短い鼻。実は、昔は今ほど鼻が低くなく、それなりにマズルが長かったということをご存知でしょうか?

その歴史の古さから、多くの国の王侯貴族の愛犬として寵愛を受けてきたパグは、飼い主と共に描かれている絵画も多く存在します。その姿を確認すると、今ほど平べったい顔ではなく、しっかりと突き出た鼻が確認できるのです。
数千年という長い歴史の中で、特徴的なパグの姿も変化してきたということでしょう。

パグの豆知識!実はあのナポレオンと関係が??

パグは歴史が長いだけあって、飼い主とともにさまざまな逸話を持つ犬種です。
以下に、特に有名な逸話を2つ紹介します!

フランスで語り継がれるナポレオンに噛みついた犬!

歴史上最も有名なパグの飼い主の一人が、かのフランス皇帝ナポレオンの妻『ジョゼフィーヌ』でしょう。彼女の愛犬は「フォーチュン(幸運)」という名前で、数々の逸話を残しています。

例えば、投獄中のジョゼフィーヌがナポレオンと連絡を取るために、パグにメッセージを持たせたという話があります。また結婚したばかりの頃、ジョゼフィーヌのベッドに入ろうとしたナポレオンの足に噛み付いたことも。
こうした逸話は、現在もフランスの人々の間で語り継がれているそうです。

オランダに歴史を刻む英雄犬「ポンペイ」

世界でも最も有名な『ポンペイ』というパグをご存知でしょうか?
ポンペイは、スペインからの独立を目指しオランダが起こした『八十年戦争』において、主を暗殺者から救った英雄として語り継がれているワンちゃんです。

飼い主は、独立の主導者である『沈黙公』ウィレム1世。立場上、命の危機に晒されることが多かった飼い主の命を守るために、ポンペイは吠えたり床を引っ掻いたりして、眠っているウィレム1世に危険を知らせたといわれています。
こうしたポンペイの活躍もあり、後のオランダである「ネーデルラント連邦共和国」が建国されるに至ったのです。

まとめ

ぶさかわな魅力で多くのファンを持つパグですが、その歴史は古く、現存する中で最古の犬種の1つといわれています。今回の記事を読んでパグのさらなる魅力を知っていただけたら幸いです。

下記ページでは、パグを飼ううえで知っておきたい基本的な性格などの情報を掲載しているので、こちらもご覧になってみてくださいね。
パグの性格は?飼いにくい? パグの性格は?飼いにくい?
また、これからパグを飼おうと考えている方は、一度ブリーダーの犬舎に見学にいき、話を聞いてみてはいがかでしょうか?

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