ワンちゃんを飼ううえで、しつけは必要不可欠です。
ただ可愛がっているだけでは、問題を起こすようなワンちゃんに育ってしまいかねません。
今回は、ヨークシャーテリアを飼ううえで知っておきたい、しつけに関する内容を掲載します。
目次
ヨークシャーテリアのしつけは難しい?
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他の犬種と比較すると、ヨークシャーテリアはしつけが難しい犬種といわれています。
とはいえ、あくまでも比較的であって、しつけが極端にむずかしいというわけではありません。早い段階から時間をかけて、丁寧にしつけをしていけば、他の犬種以上に気品がある、とても良い子に育ってくれるでしょう。
ヨークシャーテリアのしつけはいつから?成犬でも大丈夫?
ワンちゃんのしつけは、始める時期が早ければ早いほど良いとされています。
特に子犬の社会化期(生後3週齢~12週齢)は、ワンちゃんの一生の間で最も物事の吸収が良い、学習に最適な期間です。
では、しつけを始める時期が遅くなると、良くないのでしょうか。
確かに子犬の方が覚えは早いですが、成犬にしつけができないわけではありません。ただし、何もない状態の子犬と比べ、成犬の場合それまで積み重ねた経験や学習が枷になるので、比較するとどうしても時間はかかってしまうのは理解しておきましょう。
ヨークシャーテリアのトイレのしつけ方
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トイレのしつけは、ヨークシャーテリアを迎えて最初に必要となるしつけです。そのため、ペット初心者はどうすればいいのか分からず、手探りでしつけを進めているという方も多いかもしれません。
ここでは、そんなトイレのしつけをするうえで必要となるグッズと、しつけの手順について解説します。
トイレのしつけに必要なものは?
- ケージまたはサークル
- トイレシーツ(ペットシーツ)
- おやつ(上手にできたときのご褒美)
トイレのしつけ手順
うんちやおしっこをしたがる素振りを見せたら「シーシーだよ」「ウーン、ウーン」と掛け声を入れて、トイレシーツの上でするように促してあげてください。シーツの上で上手にできたらたくさん褒めてあげて、おやつをあげてくださいね。
この時、初めのうち内はトイレシーツ以外の場所に粗相をしてしまうことがあります。そうであっても、決して叱らず黙って素早く片付けてあげてくださいね。
子犬の頃は30~1時間、少し大きくなってくると2~4時間の間隔でおしっこをしますので、それを目安にしてもよいと思います。
その後は、ご褒美を兼ねてたくさん遊んでコミュニケーションを取ってくださいね。
トイレに行きたがる素振りを見せたら「こっちだよ」とトイレの場所に誘導し、自らサークル(ケージ)に入ってトイレをしたらおもいっきり褒めておやつをあげてください。そうすることで愛犬も「ここでおしっこをすると褒められる」「トイレですると飼い主が喜んでくれる」と感じ、自発的に行くようになりますよ。
上記の手順に沿って、根気よく続けていくことが大切です。トイレの心配がなくなってくれば、フリースペースで過ごせる時間を長くしてあげましょう。フリースペース内で粗相をしなくなれば、トイレのしつけができたと考えてよいと思います。
トイレはどのくらいの期間で覚えさせればいい?
犬種によって、また個々の性格によっても前後する可能性がありますが、約2~3週間のうちに覚えさせるようにしていきましょう。どんなに遅くても約1ヶ月を目安にトイレのしつけを行ってください。
万が一、1ヶ月以上経過しても「トイレの場所を覚えない」「いろんな所で粗相してしまう」などあれば、ドッグトレーナーやかかりつけの動物病院で相談してみるのも1つの方法です。一人で悩まずにプロの手を借りることをおすすめします。
トイレを成功させるためのポイント
ワンちゃんは一度失敗すると粗相した場所にニオイがついてしまったり、トイレの場所でうんちやおしっこができなくなったりしてしまいます。そうならないようにするためにも、愛犬がトイレの場所以外で失敗をしないよう飼い主がよく観察することが大切です。愛犬の行動パターンをきちんと理解し、そろそろだなと感じたらすぐにトイレの場所に誘導するようにしましょう。
ヨークシャーテリアの噛み癖はどうしつける?
ヨークシャーテリアは、見た目に反して噛み癖が付きやすい犬種といわれています。
「甘噛みくらいなら大丈夫」と甘く見ていると、成犬になってからも人や家具などを噛んで、思いもつかないよな被害が出てしまうことも。
ヨークシャーテリアの噛み癖に関しては、下記のページで詳しく解説しています。一度ついた噛み癖を矯正するのは難しいので、記事の内容を参考に子犬のうちからしつけておきましょう。
なぜ噛むの?ヨークシャーテリアの噛み癖が起こる理由としつけ方法
ヨークシャーテリアの吠え癖のしつけ方
警戒心が強いヨークシャーテリアは、ストレスがたまると甲高い声で吠えることがあります。これが常態化すると、吠え癖になってしまうので、しっかりしつけることで癖が付かないようにしましょう。
下記のページでは、ヨークシャーテリアが吠える原因とその改善策、しつけ方法について解説しています。
子犬期の社会化
『ワンちゃんの社会化期』とは、犬の生後12週齢頃までの期間のことで、子犬が人間の社会で暮らしていくための行動などを学ぶための大切な時期です。
この社会期をすぎると、ワンちゃんに恐怖心が芽生えるため、物事に慣れることが難しくなります。まだ警戒心がなく好奇心が強いこの時期に、日常生活で接する人や物、音や環境などに少しずつ慣れてもらいましょう。
クレートトレーニングで愛犬に安心できる場所を
クレートトレーニングは別名ハウストレーニングといい、クレートという持ち運び可能な犬小屋で過ごしてもらうためのしつけです。
クレートトレーニングを通して、日常的に一人で落ち着ける場所を作るとともに、安全な移動手段の確保にもなります。これにより、災害など万が一のときでも安全にストレスを抑えて避難することが可能です。
クレートトレーニングの手順
中には何の抵抗もなく進んで入るような子もいますが、それは極稀なこと。最初は、フードやおもちゃなどワンちゃんが好きな物をクレートの中に置いておくと良いでしょう。
気付いてくれないようなら、一度手に持って見せてから、クレートへ誘導してください。
クレートの中にご褒美を置くふりをすると同時に「ハウス」と声をかけましょう。釣られてクレートの中に入ったものの、ご褒美がないことに気付くので、振り返ったところで与えてください。
この時、クレートの中でご褒美を与えることがポイントです。クレートの外でご褒美与えるのでは、効果がありません。
最初は1秒でも良いので、待つことができたらもう一度ご褒美を上げましょう。
ポイントは、「伏せ」の姿勢を維持させること。そのため、2度目のご褒美は、「伏せ」の姿勢のまま与えてください。
これを繰り返して、少しずつクレートに滞在する時間を長くしていきましょう。
ここでもご褒美の利用が有効です。ただしここで用いるのは、できるだけ長時間夢中になってくれるおもちゃや、食べ終えるのに時間がかかるおやつにしましょう。
そうして、ご褒美に気を取られている間に、一旦クレートの扉を閉めて再度開けてください。
ここでのポイントは、愛犬が扉を「開けて」と催促する前に扉を開けることです。
暴れたり興奮したりせずにクレートから出てきたら、思い切り褒めてあげてください。
ここでも、4と同様に「開けて」アピールをする前に出してあげるといいでしょう。
最終的には、クレートの中で眠れるようになるのが目標です。
クレート本来の役割は、愛犬を入れて移動するための、移動できる犬小屋です。例え持ち運んでいても、クレートの中であれば安全と覚えさせれば、一緒の外出もいざというときも安心でしょう。
愛犬の安全を守る「お座り」
ワンちゃんの代表的なしつけの1つである「お座り」は、周囲への迷惑行動を予防するためにも、愛犬を危険から遠ざけるためにも、何かと役に立つ場面があります。
「お座り」をマスターすることで、愛犬の突発的な行動を抑えることができるので、ヨークシャーテリアを迎えたら、ぜひ覚えさせておきましょう。
お座りのしつけ方
それでも興奮してしまう場合は、一旦練習を終えて、落ち着くのを待って再開するといいでしょう。
これにより、「お座りと言われて座るといいことがある」と学習して、「お座り」の指示で座るようになってくれます。
まとめ
ヨークシャテリアは、他の犬種よりもしつけが難しい犬種です。しかし、とても賢く物覚えが良いため、飼い主のしつけ方次第では、見た目と同様に気品のあるとても賢い子に育ってくれます。
今回の記事内容を参考に、根気強くヨーキーの気持ちを量りながら短時間に集中して、無理なくしつけてくださいね。
著者/ブリーダーナビ編集部