ワンちゃんのしつけで困ることの1つが「吠え癖」です。
少なくない飼い主が、ワンちゃんが吠えることを「無駄吠え」と言って嫌う傾向にありますが、そもそも犬は吠える生き物です。そのため、吠えること自体を止めさせようとするのではなく、「なぜ吠えるのか」その理由を考えるようにしましょう。
無駄吠えが少ない柴犬が吠えるのには理由がある?
photo by Sean Biehle
犬は元々吠える動物なので、ある程度吠えるのは仕方ないと思ってください。吠えることを全く許さないというのは、人間に「一言も発するな」というのと同じことです。
柴犬は、他の犬種と比べて比較的無口な「無駄吠えが少ない」犬種です。
そのため、柴犬が吠えている場合、何かしらの理由があって吠えていると考えて間違いないでしょう。吠えるのを止めさせるには、吠えているその原因を見つけることが必要です。
警戒心から吠える
柴犬は、番犬向きといわれるほど警戒心が強い犬種です。
それ自体は柴犬の特徴というだけですが、警戒心が過剰に強くなり、誰彼構わず吠えて威嚇するようであれば、それは大きな問題と言えるでしょう。
子犬の頃に相応の経験を積ませ、しっかりとしたしつけができていれば、こうした問題行動を起こすようにはなりません。しかし、育て方一つで警戒心は余計に増して、常に周囲を威嚇して吠えるようなるかもしれないのです。
ストレスで吠える
人間同様、ワンちゃんもストレスを抱えると何とか発散しようとして、「吠える」「噛みつく」といった問題行動として表に現れます。
ワンちゃんがストレスを溜めてしまう原因として、大きく以下の2つが挙げられます。
・運動不足
・コミュニケーション不足
1日や2日程度であれば大きな問題にはなりませんが、これが常態化すると、いずれ問題行動を起こすことになります。
特に、柴犬は多くの運動を必要とする犬種なので、毎日の散歩は欠かさないように心掛けてください。
わがままで吠える
ワンちゃんが吠える理由の1つに、要求するために吠える「要求吠え」があります。
これはわがままを通すために吠えているので、「吠えれば要求に答えてもらえる」と、どこかで学習した結果なのです。その根っこには、「自分の方が飼い主より立場が上」という意識があります。
一度こうした要求吠えの癖がつくと、何かしてほしいことがある度に吠えるようになります。飼い主側の心理として、「要求を聞いてあげれば収まるのだから…」と、ついつい従いがちです。しかし、これは逆効果。「吠える⇒言うことを聞く」という流れを続けていては、吠え癖が直ることはないでしょう。
柴犬が遠吠えする理由は?
ワンちゃんの遠吠えは、祖先の狼としての習性を引き継いだ習性といえます。
遠吠えする理由は様々なので、まずはその原因を探り対処方法を考えましょう。
不安や寂しさ、ストレスを解消のため
犬がかつて群れで集団生活してた頃、群れからはぐれてひとりになった時、周囲に仲間がいないか探すために遠吠えをしたといわれています。現在、人間と暮らすことになった柴犬に置き換えると、留守番など、飼い主と離れてひとりになった時の寂しさや不安から遠吠えしている可能性があります。
こうした遠吠え以外にも、飼い主の留守中に問題行動が見られるようなら、それは「分離不安」という心の病気を患っている可能性があります。分離不安とは、ひとりになると異常な不安を感じ、声が枯れるほど吠えるようになるなど、問題行動や体調不良を起こす病気です。
遠くのワンちゃんとのコミュニケーション
ご存知のように、犬の祖先は狼です。
狼は群れの仲間とのコミュニケーションに遠吠えを使うことがあり、柴犬もこれを受け継ぎ遠吠えをすると言われています。飼い主からすると、何の理由もなく突然外に向かい遠吠えをするような時は、遠吠えの音をキャッチしてコミュニケーションのために遠吠えしていると考えられるでしょう。
大きな音に反応して
柴犬は、救急車やパトカーのサイレンに反応して遠吠えする場合もあります。一説によると、サイレンの音は犬の遠吠えの周波数と近いため、反応して吠えているのが理由とのこです。中には、サイレン以外にも、落雷の音に恐怖を感じて遠吠えするワンちゃんもいます。
老犬の場合は認知症かも
研究により、ワンちゃんも人間と同様、年齢を重ねると「認知症(認知機能障害)」になることが判明しました。犬種を問わず認知症のリスクはありますが、特に柴犬をはじめとする日本犬は発症のリスクが高いといわれています。
背景には、近年になりワンちゃんの平均寿命が伸びたことが考えられており、11~15歳(早ければ7歳)に兆候が出やすいそうです。
7歳以上のシニア犬が夜中に遠吠えするようなら、認知症を疑ってください。認知症には、ほかにも徘徊や昼夜逆転の生活、呼び声に反応しない、トイレの失敗などの症状が見られます。
柴犬が吠えないように飼い主ができること・しつけ方
photo by Taro the Shiba Inu
ワンちゃんへのしつけ全てに言えることですが、叱る時に罰を与えるのは逆効果です。それどころか信頼関係を失うことになりかねないため絶対にやるべきではありません。
大切なのは、ストレスを与えないよう、吠えたことと叱られたことの関連性を理解させるしつけ方です。
警戒心から吠える場合
警戒心から吠えることを止めさせる場合、最も効果的なのが子犬の頃のしつけですが、成犬になってからでもしつけ次第で社会性を身に付け、吠え癖を矯正することは可能です。
過剰な警戒心は、ほとんどが子犬の頃の社会化不足が原因なので、知らない人や犬と交流させたり公園やドッグランに通わせたりするなど、様々な経験をさせるようにしましょう。
ストレスで吠える場合
ストレスから吠えている場合は、まず何が原因なのか特定することが先決です。原因が分かれば、それを取り除くなど適切な対策を取ることで、改善が見込めます。例えば、散歩が原因なら、散歩の時間を長くする、回数を増やすなどの対策をしましょう。
また、柴犬の場合あまりベタベタとしたコミュニケーションは好まないので、それがストレスの原因になっている場合もあります。原因が思い当たらない場合は、一度生活環境を見直してみるといいでしょう。
わがままで吠える場合
要求吠えの原因は、ワンちゃんとの関係性を構築できなかった飼い主の方にあります。
そのため時間がかかると思いますが、飼い主自身が毅然とした態度を取り、甘やかさないことで改善が期待できます。
方法は簡単で、何かを要求して吠えたとしても無視しましょう。この時、反応してしまうと効果が薄いので、完全に無視し続けてください。こうすることで、「吠えても何もならない」と学習してくれます。
そうして、吠えるのを止めて落ち着いたら、おやつをあげて思い切り褒めてあげてください。続けることで、「吠えれば言うことを聞いてくれる」が「落ち着けばご褒美がある」に
上書きされて、吠え癖も収まるでしょう。
遠吠えへの対処法
遠吠えをする理由は様々なので「なぜ遠吠えするのか」を理解した上で行動に移りましょう。
ストレスや寂しさなど、環境が理由の場合は、留守番の時間を減らす、おもちゃを与えるなど、寂しくないような環境を作ってあげてください。
本能からくるコミュニケーションとしての遠吠えの場合は、改善は中々難しいかもしれません。遠吠えを始めたらおやつやおもちゃで気を引いて、遠吠えを止めたら褒めてあげるなど、意識の上書きをすることで対処していきましょう。
まとめ
柴犬が吠える理由は様々です。
犬としての本能や飼い主の問題、環境の問題など、遠吠えという表に出ている行動は一見同じに見えても、原因によって対策は異なります。そのため、まずは「なぜ遠吠えするのか」から考えるといいでしょう。ほとんどの場合、しつけで対応することが可能なので、、急がず、愛犬に合わせて対処してください。
そのほかのしつけについては下記のページで詳しく解説しています。気になる方はぜひ参考にしてみてください。
【柴犬のしつけ】子犬のしつけはいつから?どんなしつけが必要?
また、下記のページでは、ワンちゃんの無駄吠えのしつけ方について詳しく解説しています。こちらの内容も参考にしてみてくださいね。
ブリーダーから子犬を迎えた場合は、専門家としての知識も合わせて、適切なアドバイスをもらえるでしょう。
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著者/ブリーダーナビ編集部