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柴犬は飼いやすい犬種?
柴犬は環境への適応力が高く落ち着きがあり、そして心を許した飼い主や家族に対しては従順で忠誠心が強い犬種です。また頑固な一面もあり、まさに日本犬らしい性格をしています。
ここだけ見るととても飼いやすい犬種のようですが、『柴距離』という言葉があるように独特な感性・行動を見せる所があるので、他の犬種と比べるとややクセが強い点があることは理解しておくべきでしょう。
また、家族以外に対する警戒心が強く、散歩中に知らない人から触られそうになると警戒心を剥き出しにして威嚇することも珍しくありません。
総合すると飼いにくいとはいえないものの、独特な性格や感性を理解したうえでしっかりとしたしつけができないと、「こんなはずじゃなかった」となることになりえる犬種といえるでしょう。
外飼いをする場合の注意点
現代において犬を飼うのであれば室内飼いが一般的ですが、中にはご家庭の事情でどうしても外飼いしなければならないというお宅もあるかもしれません。もしワンちゃんを外で飼うのであれば、外飼いのデメリットを理解したうえで、できるだけ無理なく生活できる環境を整えてあげる必要があります。
では、外飼いのデメリットとは何なのでしょうか。
それは天候の影響をもろに受けてしまうことや、季節ごとの気温の寒暖差も体調に影響してしまうことなどがあります。また、飼い主と違うスペースで暮らすことで、普段目が届かないため、病気やケガといった体調不良に気づくのが遅れるという点も見逃せません。
そのほか外ならではの問題として、脱走して迷子になったり、道路に飛び出して事故に遭う危険も考えられます。通行人に吠える、飛び掛かるといった通行人への迷惑もあるでしょう。
それ以外にも、愛犬にいたずらされる可能性もゼロとはいえないので、こうした多くのデメリットを理解したうえで、それを極力なくす環境整備が必要になります。
とはいえお迎えしたての子犬であれば、極力室内でしっかり様子を見ながら飼育するのがおすすめです。
【柴犬の外飼い】室内飼いとの違いは?トイレなどのしつけは必要?室内飼いの注意点は?狭い家でもOK?
室内飼いであっても注意しなければならない点があります。
特に、飼育スペースの広さを気にする方は多いでしょう。戸建て住宅ならそれほど気にすることはないと思いますが、心配なのは集合住宅の場合だと思います。
ペット可の物件であっても、『10kg以内』『小型犬のみ可』など、飼育できる犬種やサイズが限定されているケースも少なくないので、事前に条件をチェックしてみてください。
また、留守番中に室内を荒らされたり誤飲したりなど、室内飼いならではの問題も出てくると思います。壊されたくないものや誤飲の恐れがあるものは、しまっておくなどの対策を講じるようにしましょう。
賃貸などで部屋をボロボロにされては困る場合は、目を離すときはケージやクレートに入ってもらうのが無難です。
番犬になる?
一昔前は犬を外で飼っていたこともあり、柴犬を始めとする日本犬に『番犬』というイメージを持つ人は少なくないのではないでしょうか。
では、柴犬は番犬に向いた犬種といえるのでしょうか?
柴犬は元が猟犬であったため警戒心が強く、飼い主や家族以外には懐きにくい傾向があります。つまり、他人に対しては警戒心を見せ吠えたり威嚇したりするので、番犬として役に立ってくれるでしょう。
ただし外飼いの場合、通行人をだれ彼構わず吠えているのでは近隣に迷惑がかかってしまいます。
仮に番犬にするのであってもしっかりとしつけをして、迷惑がかからないようにしたうえで番犬としての役割を果たせるようにしてください。
費用は結構かかる?
ブリーダーナビで掲載している柴犬の平均価格は約23万2,863円でした。※2022年5月ブリーダーナビ調べ
お迎え前に最初に準備するグッズやワクチン・狂犬病予防注射などを合計した結果、柴犬を迎える際にかかる初期費用は、柴犬の価格+55,000円以上となるでしょう。
具体的な内訳は、以下の記事にて詳しくご説明しています。年間にかかる費用についてもまとめているので、ご覧ください。
食費は与えるフードによりますが、月4000~8000円ほどとなります。柴犬は成犬時で10㎏前後の小柄~中型犬サイズなので、特別食費が掛かるような犬種ではありません。
赤ちゃんや子供と一緒でも大丈夫?
柴犬は、飼い主に対しては従順で忠誠心が強いので、家族であれば赤ちゃんや子どもであっても仲良く暮らすことはできるでしょう。事実、赤ちゃんや小さな子供と仲の良い柴犬の写真や動画をご覧になった方も多いのではないでしょうか。
ただし、警戒心が強く家族以外には懐きにくい犬種なので、散歩中無闇に撫でようとしてくる子どもには気を付ける必要があります。
場合によっては吠えたり噛みついたり、攻撃性を見せることがあるので、家族とそれ以外の相手とでは対応を変えるようにしてくださいね。
抜け毛は多い?
柴犬の被毛は、抜け毛が多く換毛期があるダブルコート(二重構造)なので、日常的に抜け毛が多く、毎日のブラッシングは欠かせません。
特に、年2回ある換毛期は季節に合わせた被毛に生え変わる時期で、驚くほど大量の毛が抜け落ちて新しい被毛が生えてきます。この換毛期になると、1日1回のブラッシングでは不十分なので、1日に複数回のブラッシングで抜け毛を除去してあげる必要があるでしょう。
ある意味、柴犬を飼ううえで最も手間がかかるのが被毛のお手入れかもしれません。
柴犬を飼うために準備するもの
犬を飼うためには様々なグッズを買い揃える必要があります。中にはおいおい揃えていけばよいものもあるので、ここでは迎える前に予め揃えておきたいグッズを紹介いたします。
- 寝床
- トイレ/ペットシーツ
- ケージ/サークル
- 給水器
- 食器
- ドッグフード
また、ワクチンプログラムが終了したらいよいよ散歩デビューとなります。その時期に合わせ、リードなどのお散歩グッズも用意していきましょう。
ここで紹介したグッズは、ワンちゃんが生活するためになくてはならない物です。そのため、家に迎える前に準備しておくようにしてください。
おもちゃやおやつなどは、お迎えしてから愛犬の成長に合わせて少しずつ揃えていくと良いでしょう。
柴犬の子犬を迎えるにあたり、それぞれのグッズの選び方や必要な理由など、詳しくは下記リンク先のページをご覧ください。
お手入れで注意したいこと
運動量について
柴犬の成犬が散歩距離の目安にするのは体重です。
例えば、体重が10kgであれば散歩の距離はだいたい10kmほど。 時間に換算すると1日合計1時間程度で、1回30分程の散歩を2回行うと良いでしょう。
食事について
成犬の柴犬に与える食事は、市販のドッグフードのパッケージに記載されている内容を参考に、1日2回に分けて適正量を与えるようにしてください。
そのうえで、愛犬の食欲や排便の様子を見て、量を調整するようにしましょう。
被毛のお手入れについて
抜け毛の項目でも説明しましたが、柴犬のお手入れで最も重要なのがブラッシングによる抜け毛のお手入れです。柴犬のようにダブルコートの被毛の犬種は日常的に抜け毛が多いので、毎日のブラッシングは当然として、春と秋年2回訪れる換毛期にはブラッシングが1日数回必要になるでしょう。
抜け毛を放っておくと見た目が悪いだけでなく、毛玉ができることで皮膚に湿気がたまり皮膚病など体調不良の原因になるので「たかが抜け毛」と考えず丁寧にお手入れしてあげてください。
また柴犬はトリミングサロンでの定期的なカットが不要な犬種ですが、お尻周りの毛を整えたり、暑い季節にはサマーカットにしたりする飼い主もいます。
しつけについて
柴犬は集中力が高い犬種といわれていますが、その反面集中力を持続させることは得意ではありません。柴犬の集中力が続く時間は10~15分ほどといわれています。
そのため、しつけを行う際はこの時間内に収まるように、短時間で終わらせるようにするのが効果的です。
トイレトレーニング
ワンちゃんのしつけの中で最初に行うことになり、とても重要なしつけの1つがトイレトレーニングです。人間と同様、犬も動物である以上排泄しない日はないので、可能であれば迎えたその日から始めるようにしてください。
トイレトレーニングで重要なのは環境作りです。
子犬の頃は我慢できる時間が短いので、「すぐ行ける場所に設置」することと「排泄タイミングを把握する」ことが重要になってきます。
そうして成功を繰り返すことで、トイレの場所を覚えてくれるようになるでしょう。
吠え癖
犬が吠えるのは人間が喋るようなものなので、犬が吠えるときは何か伝えたいことがあるときです。
何かをしてほしい要求があるときや警戒している時など、吠える理由はそれぞれですが、柴犬はもともと警戒心が強く、家族以外には警戒心を向けやすいので吠え癖がつきやすいといわれています。
警戒心が吠え癖の原因であれば、まだ警戒心が弱い子犬の頃に積極的に家族以外と触れ合わせるなど、社会化を行うようにすると良いでしょう。
また、ストレスが原因で吠えることもあるので、その場合はストレスの原因を究明して、取り除いてあげてください。
噛み癖
犬は噛む動物です。無闇に何にでも噛みつくのは問題ですが、噛むことを完全に止めさせるのは難しいでしょう。そのため、噛むのを止めさせるしつけではなく、噛んでも良いものと悪いものを教えるしつけが有効です。
子犬の甘噛みはかわいいものですが、それを容認して放置しておくと成犬になって噛み癖が残ってしまう恐れがあるので、噛めるおもちゃを与えることで、噛む欲求を満たすとともにしつけてあげてください。
まとめ
多くの人に愛されている、魅力たっぷりな柴犬について解説しました。
お迎え前に柴犬の習性や飼い方をしっかりおさえ、愛犬との楽しい暮らしに備えましょう!
著者/ブリーダーナビ編集部