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基本的に、大型犬よりも小型犬の方が寿命が長い傾向にあります。
では、小型犬に属するビションフリーゼは、平均して何歳まで生きてくれるのでしょうか?
本記事では、ビションフリーゼの寿命と、長く生きてもらうための方法について詳しく解説していきます。
目次
ビションフリーゼの平均寿命は?長生きって本当?
ビションフリーゼの平均寿命は12~15歳。小型犬の平均寿命が10~13歳といわれているので、他の犬種と比較しても長生きの部類といえます。
平均寿命が10歳未満の時代もあったので、一昔前と比べてワンちゃん全体の寿命が延びていることが分かるでしょう。
時代とともに医学が進歩し食生活が改善されたことで、ワンちゃんを取り巻く環境が変化し、食事管理、病気の早期発見・予防に関心を持つ飼い主が増えたことも、関係している考えられています。
ビションフリーゼの最高齢は何歳?
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ビションフリーゼの最高齢は21歳といわれています。これは、平均年齢を大きく上回る長生きですね。
しかし、明確な情報元を辿ることはできなかったので、おそらく公式の情報ではないと思われます。あくまでも「そういう話がある」という程度に認識しておくと良いでしょう。
犬の年齢は人間の年齢にすると何歳?
2019年11月4日、米カリフォルニア大学サンディエゴ校(UCSD)の研究チームが「犬の実年齢の自然対数を16倍して31を加えた数値が、ヒトの年齢に換算した犬の年齢である」という研究論文を公開しました。
以下に、その式とそこから導き出した、ワンちゃんと人間との年齢の比較表を掲載します。
人間に換算した年齢=16ln(犬の年齢)+31
犬の年齢 | 人間の年齢 |
---|---|
1 | 31 |
2 | 42 |
3 | 49 |
4 | 53 |
5 | 57 |
6 | 60 |
7 | 62 |
8 | 64 |
9 | 66 |
10 | 68 |
11 | 69 |
12 | 71 |
13 | 72 |
14 | 73 |
15 | 74 |
16 | 75 |
ただし、この計算式はラブラドールレトリバーを対象とした式であるため、全ての犬種に適用できるわけではありません。
他の犬種の場合、計算式が異なる可能性があるため、新たな研究結果が待たれます。
参考論文:https://www.biorxiv.org/content/10.1101/829192v1.full
長生きの大敵!ワンちゃんが気を付けたい歯周病
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人間と同様、ワンちゃんも歯周病になることがあります。
歯周病というと、単に口の中だけの病気のように思われ軽く考えられがちですが、最悪死に至る可能性もある決して見過ごせない病気です。
ワンちゃんは歯周病のリスクが高い動物
ワンちゃんは歯周病のリスクが高い動物です。
現在日本で暮らす3歳以上のワンちゃんのうち、実に約8割が歯周病またはその予備軍であり、何らかの口腔トラブルを抱えているといわれています。
事実、犬のかかる病気で最も多いのが、歯に関する病気というデータがあります。
歯周病の症状と原因
歯周病とは、文字通り歯の周辺――口腔内の病気で、歯周病菌により歯茎や骨に炎症を起きてしまう病気です。歯に付着した歯垢が、時間を経て歯石になることで発症します。
主な歯周病の症状は、以下の通りです。
- 歯の根元の炎症
- 歯茎や歯が溶ける
- 膿が溜まり顎の骨が溶ける
- 心不全や腎不全
これを見ても分かるように、歯周病は口腔内にとどまらず、進行すると内臓に至るまで全身にさまざまな影響が現れます。これは、歯周病菌が血液にのって全身に広がってしまうことで起こる症状で、最悪命に関わることもあるのです。
たかが歯の病気と侮ることなく、しっかりと口腔内のケアをしてあげましょう。
歯周病の予防法
人間と同様、口腔の健康を守るには日頃の歯磨きが重要です。そのうえで、定期的な検査を行えば、万が一歯周病になったとしても早期発見ができるでしょう。
また、検査時に獣医さんに診てもらうことで、自宅の歯磨きでは分からない磨き残しや歯の変化なども確認できます。
ワンちゃんの場合、歯に出来た歯垢が2~3日で歯石に変化するので、歯石化しないように自宅でケアしてあげてください。
肥満は病気のもと!体重管理はしっかりと
肥満が健康に悪いのは、人間もワンちゃんも共通です。
ビションフリーゼは食事管理ができないと肥満になりやすい傾向にあるので、他の犬種以上に気を付けなければいけません。
ビションフリーゼは食いしん坊?
ビションフリーゼは、見た目からはイメージできないかもしれませんが、食べることが大好きな食いしん坊です。そのため、欲しがるだけ食事を与えてしまうと、すぐに肥満になってしまいます。
ビションフリーゼに限らず、肥満は万病の元です。ビションフリーゼのような小型犬の場合、体重が重くなるとその分骨や関節といった弱い部分に過剰に負担がかかってしまいます。そうなると、ビションフリーゼが好きな運動ができなくなってしまい、ストレスを与えることになってしまうのです。
肥満になると、病気のリスク上昇などのデメリットだけで良いことはないので、きちんと体重を管理してあげましょう。
肥満を予防するためにできることは?
人間同様、ワンちゃんの肥満を予防するには「運動」と「食事」の管理が基本になります。
具体的には、下記のようなことが挙げられます。
- 良質なフードを与える
- 年齢に合ったフードを与える
- 人間の食べ物を与えない
- おやつを与え過ぎない
- 毎日適度な運動をする
- 体重をこまめに測り、適正数値を保つ
ストレスや運動不足にも注意!
ワンちゃんの日課である散歩は、運動という側面だけでなくストレス発散など、さまざまな意味があります。
ビションフリーゼは運動好きな犬種なので、満足に運動ができないと運動不足が原因でストレスを溜め込んでしまうことも。加えて健康を害することにもなりかねないので、健康維持のためにも運動管理はとても大切です。
日々の運動がストレス解消につながる
ビションフリーゼは明るい性格の犬種ですが、一方で気を遣い過ぎるためストレスを溜め込みやすい傾向があります。ストレスを溜め込むと健康にも害が及ぶので、日頃から意識してストレスを発散させてあげることが重要です。
ビションフリーゼは、小型犬の中でも筋肉量が多く運動好きな犬種なので、毎日の散歩をはじめしっかりと運動させてあげることができれば、ストレスの発散にもなるでしょう。
ビションフリーゼに必要な運動量や散歩時間に関しては、下記ページで詳しく解説しています。愛犬の健康のためにも、満足してもらうだけの運動をさせてあげましょう。
ビションフリーゼの散歩時間は?子犬はいつから?被毛の汚れ対策も
毎日のお手入れも大切
ブラッシングなどのお手入れは、ただ見た目をきれいに保つだけでなく、健康を守るためにも大切です。では、お手入れにはどのような効果があるのでしょうか。
毎日のブラッシングで皮膚を健康に
ビションフリーゼの特徴といえば、ふわふわもこもことした、アフロのような被毛です。
この被毛は湿気を溜め込みやすいので、梅雨時や夏場といった湿度が高い時期は、『急性湿潤性湿疹(ホットスポット)』という激しいかゆみや傷みを伴う皮膚病のリスクが高まります。
ブラッシングは被毛のケアをするだけではなく、マッサージ効果も期待できるので、皮膚を健やかに保ち病気を予防する役割もあるのです。
被毛ときれいに保つためにも、健康を保つためにも、1日1回の丁寧なブラッシングで毛玉を取り除いて皮膚の通気性を高めてあげましょう。
ビションフリーゼが気を付けたい病気については、下記のリンク先で詳しく解説しています。どんな病気にかかりやすいのか把握することは、愛犬の健康を守ることにも繋がります。
まとめ
ビションフリーゼは、遺伝性疾患が少なく平均寿命が長い犬種です。毎日のお手入れや健康管理次第では、平均寿命以上に長く生きてくれることもあれば、逆に短命になることもあります。
愛犬の健康も寿命も、すべては飼い主の接し方1つで決まります。今回の記事の内容を参考に愛犬の健康を守り、長生きさせてあげてくださいね。
ビションフリーゼの飼い方について知りたい方は下記ページをご覧ください。
著者/ブリーダーナビ編集部