カニヘンダックスフンドはなぜ無駄吠えが多いの?
狩猟犬という血筋が影響している?!
元々ダッグスフンドは、巣穴に潜むアナグマを追い詰めるために改良された犬種です。深い土の中に潜っても、自分の居場所を飼い主へ届くように太くて大きな声で吠えます。そのためダッグフンドは、動くものや物音によく反応して吠えやすい傾向があるのです。
比較的飼いやすい犬種!でも…
カニヘンダックスフンドはとても賢くて甘えん坊な性格ですので、初めてワンちゃんを飼われる方がお迎えしやすい犬種でもあります。しかしその一方、『よく吠える』性質の持ち主でもあります。
「無駄吠え」はワンちゃんにとって無駄ではない
吠えることには理由がある
カニヘンダックスフンドは、何故吠えるのでしょうか。それは飼い主さんと“コミュニケーション”を取るために吠えているのです。何かしら飼い主さんに知らせたい、訴えたいことがあるからこそ吠えるのであって、理由もなくただ吠えているわけではないのです。
では、どんな理由で吠えているのでしょうか。
あなたのワンちゃんはどのタイプ?
photo by Jason Tucker
吠える理由は様々な原因が考えられます。あなたのワンちゃんはどんなタイプでしょうか。
【吠えている理由を知ろう!】
①要求タイプ
飼い主さんにかまってもらいたい、甘えたい、食べ物が欲しいなど自身の欲求の意思表示で吠える。
②警戒タイプ
いつもと違うニオイや物音、家族ではない知らない人間に対して警戒し、それを飼い主さんに伝えるために吠えている。
③攻撃タイプ
威嚇して相手を追い払うためや、攻撃の前兆として吠えている。場合によっては恐怖から吠えていることもある。
④防守タイプ
自分のテリトリー内にある大切なもの(飼い主さんやお気に入りのおもちゃなど)を守るために吠える。
⑤興奮タイプ
うれしいときや楽しい時に気持ちが高ぶってしまい吠えることがある。または、ちょっとした刺激で興奮して吠えることもある。
⑥ストレス発散タイプ
ひとりの時間が多かったり、運動不足や遊び足りなかったりしてストレスを発散するため吠える。
どれかに当てはまりましたか。「なんとなくこれかな…?」と思うタイプもあったかと思います。では、これらのタイプはそれぞれどうすればなくなるのでしょうか。
原因を考え、予防対策に備えよう
吠えることが日常化する前に…
photo by John Lester
吠える機会が増えるとワンちゃんも吠えることを止めません。習慣化してしまい、吠えることが当たり前になるからです。「どんなに叱っても直らない」と嘆く飼い主さんも多いかと思いますが、それは既にワンちゃんにとって日常の一部になっているからです。また、飼い主さんの間違ったしつけによって改善されていない可能性もありますので、シーンに沿って正しい知識と対策に備えましょう。
●「それ欲しい!」とおねだりして吠える:要求タイプ
「ねぇねぇ、それなに?」「それ欲しい!」「だっこ、だっこ!」とおねだりされると嬉しいですよね。でもこの『欲求タイプ』に毎回応えるのは飼い主さんも疲れてしまいます。この場合は、要求の線引きを行いましょう。おねだりにもルールを作るのです。
前足で飼い主さんの膝にポンと置くときは要求に応えるけれど、吠える場合は要求に応じないなどです。もし吠えるのであれば、ワンちゃんの前から姿を消して相手にしないことです。そうすることで「吠えても意味がない」と覚え、吠える癖は減っていくでしょう。
●大きな音や知らない音で吠える:警戒タイプ
知らない音を聞くとワンちゃんは警戒態勢に入るので『警戒タイプ』といえるでしょう。特に大雨で雷が鳴る日や夏の夜に上がる打ち上げ花火にはビックリして吠えてしまいますので、まずは落ち着かせ、飼い主さんがそばにいるから安心だよと理解させてあげてください。また、子犬(パピー)の頃から音やニオイに慣れさせるためにも、色々な場所に連れて行って慣れさせることも吠え癖を直す方法の1つです。
●インターホンに吠える:警戒タイプ、興奮タイプ
ワンちゃんにとってインターホンに吠えるというのは、人間の子どもが「あ、誰か来た!」というのと同じ行動だといえます。しかし、それが習慣化することで吠え癖がついてしまいます。
これ以上吠え癖がつかないようにするためにも、チャイムが鳴ったら「シーッだよ!」「しずかに!」など短い言葉で落ち着かせましょう。また、吠える素振りがある場合や、チャイムが鳴ったとき静かに大人しくできたらおやつを与えてみてください。チャイムが鳴った時、吠えずにおとなしくしていればおやつが貰えると学習していきますよ。
●他のワンちゃんに向かって吠える:興奮タイプ、攻撃タイプ、防守タイプ
他のワンちゃんに対して吠えるのもあるパターンが考えられます。
まずは『興奮タイプ』です。このタイプのワンちゃんは他のワンちゃんのことが大好きです。お友達になりたい気持ちが強く、近くに行きたいから吠えてしまいます。そのため近くに行けば吠えるのを止めるので、ドッグランなどでおもいっきり遊ばせてあげると良いでしょう。ただこのタイプは、他のワンちゃんを見る度に吠えることを止めませんので、お散歩に行く際はワンちゃんの大好きなおかしやおもちゃを持って出かけてみてください。他のワンちゃんよりも飼い主に注目すれば、よいことがあると思わせるのです。そうすることで、上手に他のワンちゃんとすれ違うことができるようになりますよ。
その他のパターンとしては『攻撃タイプ』または『防守タイプ』が考えられます。これは、他のワンちゃんとの社会性がきちんとできていなかったことが原因の1つです。そのため自分を守るために吠える、怖いから吠えるのです。また、一度他の犬に対して吠えられて怖い思いをしたことがある、どう接すればいいのかわからないなどが原因で吠えてしまう場合もあります。
この場合はできるだけ無理はせずに他のワンちゃんとの距離を保ちながら、遠くから他のワンちゃんがいても吠えないときはおかしをあげるなどして褒めてあげるとよいでしょう。そして少しずつ焦らずゆっくり、他のワンちゃんと慣れさせていくことが大切です。
●自宅に来た友人やお客さんに吠える:興奮タイプ、防守タイプ
自宅にお客さんが来て吠える理由には2パターンが考えられます。
1つは『興奮タイプ』です。このタイプは、お客さんが大好きでうれしくて興奮して吠えます。そのため、吠えるのを落ち着かせるためにも最初にお客さんに挨拶をさせて、頭を撫でてもらうなどしてもらいましょう。
もう1つのパターンとしては『防守タイプ』です。ワンちゃんにとって、自宅は自分のテリトリー。知らない人が来るとそれだけで怖いものです。もしお客さんが触ろうとしたら逃げたり、飼い主さんの後ろに隠れたりするようであれば「この人は知らない人だ!侵入者だ!」と警戒の塊になってしまいますので、できるのであれば事前に外でワンちゃんと一緒に待ち合わせをしてみましょう。そうすることで、侵入者だと思わず吠えることを予防することができるかもしれませんよ。
●お留守番中に吠える:ストレス発散タイプ
飼い主さんが自宅にいない時にとにかく吠えてしまい、ご近所迷惑になっていることはありませんか。この手のタイプはもしかしたら『ストレス発散タイプ』に当てはまるかもしれません。
ひとりの時間が多いと、ワンちゃんはとても寂しく分離不安になってしまう恐れがあります。「もうご主人さまは帰ってこないんだ、ずっとひとりなんだ…」という不安から、吠えたり部屋を破壊したり、トイレでない場所でうんちやおしっこをしたりするなどの問題行動を起こしていまいます。そうならないようにするためにも、しつけをきちんとすることが大切です。
飼い主さんはいつも毅然とした態度を取り、常日頃からワンちゃんに安心感を与えてください。そしてお留守番は当たり前のことだと、普通に出かけるようにしてください。このとき「ごめんね…」と申し訳ない気持ちをワンちゃんに知られてはいけません。また、かまいすぎもよくありません。ひとりの時間も問題なく過ごせるようにするために、また自信をもたせるためにもワンちゃんには様子を気にしていることがわかる素振りはしないようにしましょう。
まとめ
photo by Raven Underwood
カニヘンダックスフンドは、とても賢くて飼い主さんのことが大好きな犬種です。また根気強く、しつけをすることでその内容をきちんと学習することができる犬種でもあります。確かに性質上、吠えやすい性格を持ち合わせてはいますが、吠えることにはきちんと理由があるということを飼い主さんもきちんと理解してあげてください。そして、吠える理由に沿って問題解決に努めていきましょう。
カニヘンダックスフンドをお迎えしようとお考えのあなたへ
「カニヘンダックスフンドは吠え癖があるのか…」とマイナスなイメージを持った方も少なからずいるかもしれませんが、どの犬種でも吠え癖や問題行動はあります。これらを改善するのは、飼い主さんによるしつけでなんとでもなります。カニヘンダックスフンドは、とても愛嬌があってかわいい犬種ですので、少しでもご興味があるようでしたら“ブリーダーナビ”でワンちゃんを探してみてくださいね!
著者/ブリーダーナビ編集部