「しっぽを振るから喜んでいる」「お腹を見せてくれるからリラックスしている」そう思い込んでいませんか?犬の行動は私たち人間が考えている以上に複雑です。1つの行動に1つの意味しかないわけではありません。
ブリーダーナビではインスタグラムでアンケートを実施し、犬が「嬉しいとき以外」にもしっぽを振ることを知っていたかを飼い主さんたちに伺ってみました!
犬は嬉しいとき以外にもしっぽを振るって知ってた?
(ブリーダーナビ公式Instagramでのアンケート 2021年7月26日実施 回答数87)
「知っていた!」という飼い主さんが約6割という結果になりました。子犬のうちは、とにかくなんでも嬉しくて楽しくてしっぽブンブン!という状態のことが多いものですが、少しずつ大人になっていくにつれ、嬉しい楽しい以外の気持ちのときにもしっぽを振っているのを目にするようになりますよね。6割の「知っていた」みなさんは、きっとベテラン飼い主さんなのではないでしょうか♪
それではしっぽを振る意味を含め、ビギナー飼い主さんが意外と勘違いしている犬の行動を5つご紹介していきます。
1.しっぽを振る
犬がしっぽを振るのは「嬉しい」「喜んでいる」というのが、広く知られている行動理由だと思います。しかし、犬は必ずしもこうした感情の時にしっぽを振っているわけではありません。
犬は、興奮している時や緊張している時でもしっぽを振ります。
例えば、来客に対して吠えながらしっぽを振っている場合は緊張を、散歩中に見知らぬ人や犬を前に興奮してしっぽを振ることもあります。
もちろん喜んでしっぽを振っている場合もあるので、しっぽの動きだけでなく、表情や耳の動きなど、総合的に見て判断するようにしましょう。
2.あくび
人間があくびをする場合、ほとんどが眠い時や、つまらないと感じている時ではないでしょうか。犬のあくびも同じと考えがちですが、実際は『緊張』『不安』『ストレス』『病気』などの理由でもあくびをすることがあります。
飼い主に叱られている時にあくびをすることがありますが、これは自分を落ち着かせるための【カーミングシグナル】です。「眠たい」「つまらない」と思っているわけではないので、怒らないであげてください。
また、不自然なほど頻繁にあくびをするようなら、何かしら病気を患っている可能性もあります。歩き方などに異常がないか確認してください。
3.お腹を見せる
犬がお腹を見せて寝転がる、いわゆる【へそ天】と呼ばれる無防備な格好。
これは、「信頼している証」と考えている方も多いと思いますが、実はそれだけの意味ではありません。
お腹は犬にとって大きな弱点であり、そこをさらけ出すということは、心底リラックスしている状態といえます。しかしそれとは別に、極度の緊張や強いストレスから「降参」しているポーズでもあるのです。
愛犬がお腹を見せているとつい撫でてあげたくなりますが、そっぽを向きしっぽを巻き込んでいる場合「近寄らないで」という意思表示なので、むやみに触らないようにしましょう。
4.首を傾げる
キョトンとした顔で愛犬が首を傾げたら、その可愛らしさに思わず抱きしめたくなりますよね。しかし、このポーズはただ可愛いだけでなく、しっかりとした理由があってしているのです。
ほとんどの場合、飼い主の声や気になる音を聴き取ろうとしています。また首を傾げることで視点を変えて、気になるものを観察しようとしている場合もあります。
ただし、あまりにも頻繁に首を傾げるようなら、何らかの病気が原因かもしれません。代表的なものでいえば外耳炎などの耳の病気の可能性があります。
少しでもわんちゃんの異変を感じたら、早めに病院で診察してもらいましょう。
5.甘噛み
甘噛みは子犬がよくする行動なので、飼い主としては「甘えられている」と思いがちですが、実際はもっと明確な理由があるのです。
犬は人間同様乳歯から永久歯に生え変わる時期があるのですが、歯が生え変わるときのむず痒さを紛らわせるために、さまざまな物に噛みつくことがあります。歯が生え揃い、成犬になるにつれて自然と納まっていきますが、場合によっては癖になってしまい、いつまでも続けてしまうことも。
子犬の甘噛みは深い傷にならないのでそのまま放置しがちですが、止めさせることができないと成犬になっても続けてしまいます。まだ顎の筋力が弱い子犬のうちにしっかりとしつけて止めさせるようにしましょう。
まとめ
今回は、まだワンちゃんを飼うのに慣れていない初心者が勘違いしがちな行動について解説してきました。
人間と同様に、犬の行動にも相応の理由があります。
「可愛い」というだけですべてを受け入れていると、病気の発見が遅れてしまう可能性も否定できません。
思い込みで判断するのは危険です。記事の内容を参考に、愛犬がなぜそんなことをするのか、普段から観察して行動の意味を理解できるようになりましょう。
著者/ブリーダーナビ編集部