ドーベルマンの寿命は?長生きしてもらうために何ができる?

ドーベルマンの寿命は?長生きしてもらうために何ができる?

ドーベルマンは、警察犬や軍用犬として重用されるほど優秀な頭脳と身体能力を持った犬種です。高い能力を裏付けるようなスマートでクールな佇まいから、高い人気を誇っています。

一見怖そうにも見えますが、実際の性格は穏やかで家族に対して愛情深く、家庭犬としても申し分ないワンちゃんでもあります。

本記事では、ドーベルマンを飼うにあたり、特に気になること問題の1つである平均寿命について解説していきます。

ドーベルマンの平均寿命は何歳?

ドーベルマンの平均寿命は10~13年で、大型犬全体で見ると、特別長くも短くもない平均的な長さの寿命といえるでしょう。

ワンちゃんの寿命は、大型犬よりも小型犬の方が長い傾向にあり、大型犬の方が小型犬よりも成長速度が急激で老化も早く、その分平均寿命が短くなっていると考えられています。

ドーベルマンの年齢を人の年齢に換算すると?

「この子は人間だと何歳なんだろう?」
ワンちゃんと一緒に生活していて、一度はこう考えた方も多いのではないでしょうか。

2019年11月4日、米カリフォルニア大学サンディエゴ校(UCSD)の研究チームがラブラドールレトリバーを対象とした、ワンちゃんの年齢に関する研究論文を発表しました。
それによれば、「犬の実年齢の自然対数を16倍して31を加えた数値が、ヒトの年齢に換算した犬の年齢である」ことが分かりました。

これを式にまとめると、以下のようになります。

「人間に換算した年齢=16ln(犬の年齢)+31」

この式から導き出したワンちゃんの年齢を人間の年齢に換算した数値がこちらです。

ワンちゃんの年齢人間に換算した年齢
1歳31歳
2歳42歳
3歳49歳
4歳53歳
5歳57歳
6歳60歳
7歳62歳
8歳64歳
9歳66歳
10歳68歳
11歳69歳
12歳71歳
13歳72歳
14歳73歳
15歳74歳
16歳75歳

ここから分かるのは、
「ワンちゃんは生まれてから1歳までの間に急激に成長し、それ以降は人間に近い早さで老化していく」
ということです。

ただし、この研究の対象となった犬種は、ドーベルマンではなくラブラドールレトリバーということを忘れてはいけません。
同じ大型犬とはいえ違う犬種であるため、より正確に答えを導き出すためには、今後の研究を待つ必要があります。

長生きしてもらうために知っておきたい「食事・運動・環境・病気」

愛犬に長生きしてもらうためには、日常的な生活環境の整備や病気への備えが大切です。
ここでは、ドーベルマンの食事、運動、環境、病気について、飼い主が知っておくべき情報を紹介します。

食事の管理

生きるためには食べなくてはいけません。長生きするためには、どんな物をどう食べるかが深く関係します。

基本的には、消化吸収のよい食べ物を与えましょう。良質なタンパク質を摂取し、脂肪分の多いものは控えるよう意識すれば、肥満の予防にもなります。

またおやつも食事の一部なので、しつけなどで与えた分のおやつのカロリーも1日の食事量に入れて計算しましょう、

そのうえで、愛犬のライフステージに合わせて与えるフードの種類や量、食事の回数などを調整して、肥満にならないように、かつ十分な栄養素を摂取できるように管理してあげてください。

毎日十分な運動をさせてあげる

日本で暮らすワンちゃんは、中々広い場所で運動することができません。特に大型犬は元々太りやすく、食事量に大して運動量が足りなくなりがちなので、飼い主が意識してバランスを調整する必要があります。

肥満は万病の元といわれており、さまざまなリスクを抱えることになります。
愛犬に1日でも長く生きてもらうためには、若い頃からしっかりと運動量を管理して、十分な筋肉をつけておきましょう。

ドーベルマンは大型犬ということもあり、1日に必要な運動量が多いので、1回60分前後の運動を毎日2回行うことを目安にしてください。そのうえで、週に1度は広い公園やドッグランなど、思い切り走り回れる環境で運動させてあげましょう。

できれば室内で生活させる

大型犬は生活スペースも小型犬とは比べ物にならないので大変ですが、可能であれば室内で生活させてあげましょう。

過酷な環境に晒される屋外よりも、温度管理がしやすく生活環境を整えやすい室内の方が健康管理は楽で、その分長生きしてくれる可能性も高くなります。

では、ドーベルマンのような大型犬を室内で飼う場合、どんな点に注意が必要なのでしょうか。

大型犬が不自由なく暮らすためには、大型犬用のサークルやケージを無理なく置くことができる1LDK以上の広い部屋が望ましいです。
そのうえで、ワンちゃんが一年を通して快適に暮らすことができる、20~25℃くらいの室温を常に保つようにしてあげましょう。

さらに、子犬の頃から育てる場合は、成犬になった時どれくらいの大きさになるのかまで考えて、室内を作るようにしてください。

かかりやすい病気を知っておく

拡張型心筋症
心臓の働きが弱くなってしまう病気で、重度になると食欲低下、体重減少、肺水腫、呼吸困難といった症状が現れます。
胃拡張・胃捻転性症候群
ガスで胃が膨れ上がり捻じれてしまう病気で、早食いや誤飲、食後すぐの激しい運動、空気を大量に飲み込んだ場合などが原因として挙げられます。

この病気は緊急性が高く24時間以内に亡くなることもあるため、「腹部が膨れる」「嘔吐」「呼吸が荒くなる」などの症状があったら至急動物病院に連れて行きましょう。
股関節形成不全
股関節の形態的な異常のことで、遺伝的素因のほか、成長期の偏った食事や過度な運動が原因と考えられています。

軽度であれば、運動制限や体重管理、鎮痛剤やレーザー療法で治療が可能ですが、重度になると外科手術が必要になるかもしれません。
ウォブラー症候群
しっぽに近い頸椎や椎間板の障害により脊髄が圧迫されてしまう病気で「後ろ足がふらつく」「運動失調」などの症状が現れます。

運動制限と投薬による内科的治療、脊髄を圧迫しているものを手術で取り除く外科的治療があります。

全ての病気に言えることですが、早期発見が大切になってきます。年1回の健康診断は欠かさず受けるようにしましょう。

シニア犬(老犬)になったら飼い主はどうすればいい?

人間と同じように、ワンちゃんも高齢になればさまざまな機能が衰えていき、それまでと全く同じように生活することは難しくなっていきます。

しかし個体差もあることから、一概に「この年齢から高齢」と言い切ることは難しいもの。
では、どんな点に注目すれば愛犬がシニア犬になったのか判断することができるのでしょうか。

シニア期に入ったかどうかのチェックポイント「外見」

体型
人間同様、ワンちゃんも高齢になると基礎代謝が低下し、筋力・体力の衰えにより運動量も減るため、食事量に変化はなくても肥満体型になりやすくなってしまいます。
イボやコブ
シニア期に入るとイボやコブのようなふくらみが現れますが、基本的には問題ありません。ただし、中には悪性のものもあるので注意が必要です。
お尻
老化に伴い筋肉量が低下し、若い頃よりもお尻が小さくなってしまいます。
真上から見ると分かりやすいでしょう。
被毛の濃さ
新陳代謝の低下やホルモン分泌量が変化するため、老人と同じように薄毛が目立つようになります。
毛の色
人間が高齢になると髪に白い物が混じってくるように、ワンちゃんの被毛も鼻先や口の周りから少しずつ白くなっていきます。
フケ
高齢になると皮脂の分泌量が減り皮膚が乾燥しやすくなるので、若い頃よりもフケが多くなります。
口臭
ワンちゃんも人間同様、高齢になると歯周病のリスクが高くなります。口臭が気になるようなら、歯周病が悪化している可能性があります。
目の濁り
目のレンズに当たる水晶体が白く濁る、老齢性白内障など目の病気を患う可能性が高くなります。

シニア期に入ったかどうかのチェックポイント「行動」

睡眠時間
犬は1日のほとんどを眠って過ごす動物ですが、高齢になるとホルモンの分泌量が変化するなどの理由で、寝て過ごす時間がより長くなります。
散歩を嫌がる
関節の痛みや体力の低下が原因で動くことが億劫になり、散歩に行きたがらなくなります。
ケガや病気が増え、それも散歩を嫌がる原因になります。
頻繁に物にぶつかる
シニア犬は視力や筋力が低下しているので、真っ直ぐ歩くことが困難になり、暮らし慣れた空間であっても家具などにぶつかることが増えます。
歩幅
筋力が低下することで歩幅が狭くなり、動きから機敏さがなくなって緩慢になります。
呼んでも反応しない
高齢になれば耳が聞こえにくくなるのは、人間もワンちゃんも一緒です。聴力が低下することで、飼い主の呼び声にも反応しにくくなります。
柔らかい食べ物を好むようになる
筋力の低下は、噛む力にも影響します。口腔内の環境が悪くなることもあり、柔らかいものや小さいものを好むようになります。
好奇心の減退
大好きだったおもちゃや遊びへの興味が薄くなっていき、好奇心がなくなることで物事への興味が低下します。
粗相
おしっこを溜めておく膀胱の筋力が衰えることで、尿意を我慢できなくなり、粗相が増えることがあります。

飼い主が愛犬にしてあげられること?

コミュニケーションやスキンシップ
ワンちゃんが自分から飼い主に甘えるのにも、元気が必要です。高齢になれば体力も筋力も衰えるので、それまでのように積極的に甘えることができなくなります。

それでも、飼い主に甘えたいという気持ちは残っているので、飼い主側からコミュニケーションやスキンシップを図ってあげてください。
清潔に保つ
老犬になると粗相することが増えたり食事が上手にできなくなったりするので、何かと汚れやすくなります。汚れた体をそのままにすると、健康にも害が出る恐れがあるので、若い頃以上に清潔さを意識するようにしましょう。

シャンプーはやはり負担が大きいので、おしぼりで全身を拭いてあげる程度でも十分です。
床ずれ防止のために
高齢になり1日の大半を寝ている状態ですごすようになると、床ずれができやすくなります。自分では寝返りを打つことも難しいので、飼い主さんが寝返りを打たせてあげましょう。
看取る準備をしておく
どれだけ長生きをしても、生き物である以上いずれ最期の時はやってきます。
考えることをしたくないというのが本音とは思いますが、心の整理をして覚悟をしておきましょう。

ドーベルマンの飼い方については下記ページでも解説しています。
こちらも参考になれば幸いです。
ドーベルマンの性格や価格相場は?初心者向け飼い方について ドーベルマンの性格や価格相場は?初心者向け飼い方について

まとめ

ドーベルマンは、大型犬の中でも平均的な寿命を持つ犬種です。
小型犬と比べると短いですが、食事や運動を管理して生活環境を整えてあげることができれば、平均寿命以上に長生きしてもらうのは難しいことではありません。

今回の記事を理解し実践できれば、きっと愛犬に長生きしてもらえるのではないでしょうか。

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