1.飼い主のにおいがするから
ワンちゃんにとって大好きな飼い主のにおいがついた場所は、それだけで特別な場所になるのです。直前まで飼い主が座っていた椅子ならにおいも強く残っているので、そこに居たいと思うのも自然なことといえます。
そのため、仮に飼い主さんが場所を譲って他に移動したとしても、席を外せばまたそこを奪われてしまうでしょう。
ただしこの場合、場所自体にこだわりがあるわけではないので、どいてほしければ簡単にどいてくれると思います。飼い主のにおいが名残惜しいのであれば、その後も飼い主のそばで寄り添って過ごすでしょう。
これは飼い主が好きだからこその行動なので、邪険にせず優しく接してあげてください。
2.飼い主と同じ目線に立ちたい
身長が違うので当然ですが、基本的にワンちゃんは人間よりも低い目線で生活しています。けれども何かを要求したり意思の疎通を図ろうとするときに、ソファやベッドの上に乗って目線を合わせようとすることもあるでしょう。
人間でも、大人がしゃがみ込んで幼い子と目線の高さを合わせることをするので、何となく気持ちが分かる人もいるのではないでしょうか。
コミュニケーションでアイコンタクトが重要なのは、人対人でも人対ワンちゃんでも同じです。ワンちゃんもそれを本能的に理解しているから、高い所にのぼって飼い主と目線を合わせようとしてくるのでしょう。
3.甘えたいのを我慢している
ワンちゃんにとって飼い主と一緒に遊んだり構って貰ったりすることは、日常で感じる幸せです。素直に甘えてくる子も多いですが、ワンちゃんの中には中々上手に甘えることができない子もいます。
そうした不器用な子は、飼い主本人に甘える代わりに飼い主のにおいが残る場所で、寝転がったり座ったり、においを嗅ぐことで甘えたい気持ちを満たすことがあります。ワンちゃん本人からすれば、場所を奪っているもつもりはなく、飼い主に甘えているつもりなのでしょう。
普段、積極的に甘えてこない子でも、こうした行動を取るのであれば実は「甘えたい」と思っているかもしれません。我慢強い子であれば余計にこうした傾向が強いので、「この子はひとりが好きなんだ」と決め付けたりせず、コミュニケーションやスキンシップの時間を作って上げると良いでしょう。
リスクと注意点
ここまで紹介してきたように、ワンちゃんが飼い主の椅子を奪い取るのは、基本的に悪気があったり飼い主が嫌いだったりして取る行動ではありません。そのため、基本的には優しく相手をしてあげれば問題ないでしょう。
しかし、この行動にはリスクがあります。日本では住宅の広さの都合もあり、小型犬が主流です。人間にとっては何の問題もない高さの椅子でも、小型犬の大きさではとても高い位置になるため、そこから飛び降りると脱臼や骨折などケガの恐れがあります。
犬は猫と違い上手に受け身が取れないため、小型犬を飼っているご家庭では、ケガのリスクを考えると高い椅子の利用も控えた方がよいかもしれません。
やっぱり飼い主が大好き
ワンちゃんが飼い主の椅子を奪うのは、他でもない飼い主さんが好きだからという理由がほとんどです。好きだからやってしまうというのは可愛いもの。
具体的な解決策はありませんが、それも飼い主さんへの愛情の証と思えば、「仕方ない」と許せてしまうのではないでしょうか。
著者/ブリーダーナビ編集部