菊地ブリーダーインタビュー｜千葉県｜トイプードル、ポメラニアン、チワワ、ボルゾイ

幼稚園の頃の夢は「動物園の飼育員さんになること」

―菊地さん、初めまして。今日は菊地さんのことを色々お伺いさせていただければと思っておりますので、お願いします。

菊地ブリーダー：初めまして。こちらこそ、本日はよろしくお願いします。

―早速ですが、平成26年（2014年）7月に君津市でブリーダー業を開業されたとありましたね。今年でブリーダー歴は7年目になるということでよろしかったでしょうか。

菊地ブリーダー：以前は神奈川県内に住んでいまして、そこでペットショップを経営しておりました。なので最初の開業は神奈川県なんです。

また動物関連の専門学校も出ており、動物関連のお仕事自体はかれこれ20～30年ほど携わっていますね。

―20～30年！それはかなりベテランの域を達していますね！では以前は神奈川にいらっしゃり、そこから君津市に移られたんですね。

菊地ブリーダー：ありがとうございます（笑）

そうですね、結婚してからワンちゃんをのびのびと育てたいという気持ちから暖かい千葉県に移り住みまして、現在はここでブリーダー業を営んでおります。

―そうだったんですね！菊地さんは動物関連のお仕事をされて長いですが、そもそも何故動物に携わるお仕事をしようと思ったのでしょうか？

菊地ブリーダー：幼少期から動物全般が大好きで、将来の夢は横浜市にある「野毛山動物園の飼育員さん」と言っていたほど、無類の動物好きなんです。
なので、哺乳類全般はもちろんのこと、ヘビなどの爬虫類系も大好きだったりします（笑）

それがあってか、小さい頃から動物に携われる仕事に就きたいという思っておりまして、今に至ります。

―幼稚園の頃に「動物園の飼育員さん」という素敵な夢をお持ちだったんですね。そこから今現在のお仕事に就いているなんて、ある意味夢が叶いましたね！

菊地ブリーダー：ありがとうございます（笑）

残念ながら、飼育員さんにはなれませんでしたが、動物好きが相まって動物関連の専門学校に入り、ペットショップを運営し、今では多くのワンちゃん猫ちゃんたちに囲まれながら仕事ができてすごく幸せです。

―天職ということですね！素敵です♪
菊地さんは小さい頃から動物がお好きということは、今まで多くの動物を飼われていたのですか？

菊地ブリーダー：横浜市に住んでいた頃は、集合住宅が密集していたためペットが飼えなかったんです。

だからこそ、動物に携わる仕事に就きたいという想いが強かったんだと思います。

―そうだったんですね。そうなると、今は多くのワンちゃんたちに囲まれて幸せですね！

菊地ブリーダー：そうですね。毎日賑やかで本当に楽しいです！

生命の誕生に携われるのがブリーダー業の醍醐味

―菊地さんにとってブリーダー業はどんなところにやりがいを感じますか？

菊地ブリーダー：やっぱり赤ちゃんが生まれる瞬間に携われることですかね。
お母さんのお腹から赤ちゃんが出てきた瞬間だったり、出産が終わりお母さんがホッとしている表情だったりを見ると、この場に立ち合えることができて本当に嬉しいですし、やりがいを感じますね。

―ワンちゃんの出産に立ち会える機会って普通では中々ないですものね。

菊地ブリーダー：ありがとうございます。
時には大変なこともありますが、大好きな動物たちと触れ合い、出産にも立ち会えることができて幸せな毎日だなぁと、つくづく感じております。

―ワンちゃんの出産に毎回立ち会うとのことですが、出産っていつ生まれるか分からないじゃないですか。それでも毎回必ず立ち会っていらっしゃるんですか？

菊地ブリーダー：はい、毎回必ず出産には立ち会っています。

―そうなると睡眠時間もあまり取れていないのではないですか？

菊地ブリーダー：3～4時間は眠れていますから大丈夫ですよ（笑）

―ええっ！それはちゃんと眠れていないですよ！疲れが取れないじゃないですか。

菊地ブリーダー：やっぱり、ワンちゃんたちのことが気になりますから。

私の生活はワンちゃんと猫ちゃんたちが中心ですし、何かあったらいけませんからね。

それにこの生活は全然苦ではないんですよ。毎日素敵な瞬間に携われることができ、幸せなんです。

―もうこの仕事は菊地さんの為にあるといっても過言ではないですね。
でも、身体は１つしかないですからご自愛くださいね。

菊地ブリーダー：そんなことないですよ（笑）でも、ありがとうございます。身体が資本なので気を付けます（笑）

どの子もみんな穏やかな性格ばかり

―菊地さんのお宅付近は、緑豊かな素敵な場所ですよね。この環境なら、ワンちゃんたちものびのびと安心して成長できるなと思ったのですが、敷地内のお庭でいつも元気よく遊ばせているのですか？

菊地ブリーダー：そうですね。発情期を迎えている子は別のエリアで遊ばせていますが、それ以外の子は一緒になってワイワイ遊んでいますよ。

―それは大きさ問わず1つのエリアで遊んでいるのですか？ケンカやトラブルになることはないのでしょうか？

菊地ブリーダー：1つのエリア内ですね。

私の所のワンちゃんたちは、どの子も性格が穏やかで優しい子が多いため、ケンカやトラブルを起こすことなく仲良く遊んでいますよ。

―それはすごいですね！性格の違いからケンカになる子もいると聞きますが、菊地さんのところはそんなことがないんですね。

菊地ブリーダー：基本的に性格が穏やかな犬種のみを取り扱っているからかもしれません。

お庭で遊んでいる子たちを見ていただければ分かると思うのですが、本当にどの子ものびのびと楽しく遊んでいますよ。

―それは素敵ですね！ちなみにお外で遊ぶ時間は決まっているんですか？

菊地ブリーダー：1日2回ですね。午前中に1回と午後に1回は外に出て思いっきり遊ばせています。

―そうなんですね。遊ぶ姿はきっと見ているだけでも癒されるんでしょうね。

菊地ブリーダー：そうですね！
楽しく走り回っているので、見ているだけで癒されますよ。

―ちなみに菊地さんのところでは、現在何頭ぐらいのワンちゃんがいるのでしょうか？

菊地ブリーダー：ワンちゃんだと50頭ぐらいでしょうか。

ただ、2019年に起きた台風15号の影響で犬舎の屋根が跳ぶなどの被害があり、残念ながら数が減ってしまったんです…

―「令和元年房総半島台風」と名前が付くほど、凄まじい威力で千葉県を中心に大きな被害が出ましたものね…その影響で命を落としてしまった子もいたのですね。

菊地ブリーダー：そうなんです…今でも「守りきってあげられなかった」と悔やんで仕方がありません。

でも今いる子たちが健康にスクスク成長してくれているので、それが唯一の救いではあります。

―きっと菊地さんのその優しい愛情はワンちゃんたちにも伝わっていると思いますよ。

菊地ブリーダー：ありがとうございます。

健康な子犬を産むためには母体の食生活が大切

―菊地さんがブリーディングをする上で常に気を付けていること、心掛けていることはありますか？

菊地ブリーダー：やはり『食事』でしょうか。お母さんが健康体でなければ、元気な子どもは生まれません。

そのため、私のところではお母さんたちの食生活に人一倍気を使っています。

―例えばどのように気を配っていらっしゃるのでしょうか？

菊地ブリーダー：例えばフードを食べづらそうにしていたら、ふやかして食べやすくしてあげています。
またカリカリが嫌いな子には、柔らかい缶詰のフードを混ぜてあげたりするなど、その子その子の食べやすい方法を模索しながらスタッフと対応しております。

―例えば10頭いれば10通りの食べ方があると思うのですが、1頭ずつ様子を見ながら対応なさっているということでしょうか？

菊地ブリーダー：そうですね、1頭1頭その子に合った対応をしています。

やはり、私たち人間でも健康は食事からというように、ワンちゃんたちの食生活も大切ですからね。

食が細く、あまり食べないお母さんから生まれてくる子犬は、弱々しい子が生まれることが多いんですが、ごはんをしっかり食べているお母さんから生まれる子犬は、みんな元気で健康な子が多いんです。

そのため私どもの犬舎では、食生活に十分配慮しながら対応にあたっています。

その影響もあってか、お陰様でうちの子たちはみんなプクプクしていて健康な子ばかりなんですよ（笑）

―人間のお母さんでも妊娠中はしっかり栄養摂りなさいといいますもんね。それはワンちゃんたちでも同じなんですね。

菊地ブリーダー：そうですね。食事はなによりも大切だと考えています。

また私どもの犬舎では、子犬のワンちゃんたちを見る前に必ず親であるお母さんとお父さんを見てもらっているのですが、どの子もプクプクして健康な子ばかりなんですよ。

さらに性格も穏やかで優しい子ばかりなので、ぜひたくさん触れ合っていただきたいなと思っております。

―ちなみに親犬のワンちゃんたちは、知らない人が急に来ても吠えないんですか？

菊地ブリーダー：基本的に私たちがいる時は、安心してくれているのかほとんど吠えないですね。

うちの子たちはみんな穏やかで優しい性格の子ばかりなので。

今も犬舎の近くにいるんですが、鳴き声が全然聞こえないかと思います。※1

※1．今回のインタビューは電話にて取材を行っています。

―そういえば確かに聞こえないですね！
親犬のワンちゃんたちがこんな穏やかで大人しいのであれば、ワンちゃんをお探しになっていらっしゃる方も安心して見学できますね。

菊地ブリーダー：ありがとうございます。

犬種や性別、環境によっての性格の違いはありますが、親から受け継いだ遺伝的な性格もやはりありますので、ぜひ親犬の性格や体つきなどを見ていただき、安心してお迎えいただきたいなと思います。

犬舎は常に清潔に。1頭1頭をしっかり管理

―ワンちゃんの食生活に人一倍気を付けて対応されているとのことでしたが、それ以外に気を付けていることはありますか？

菊地ブリーダー：これはもう当たり前のことなのですが、犬舎内の清掃ですね。

毎日私を含めたスタッフ9名で1つひとつの犬舎を綺麗に掃除しています。

―9名のスタッフさんで、50頭近いワンちゃんの犬舎を掃除なさっているんですね。それだけでも結構時間がかかるのではないですか？

菊地ブリーダー：そうですね、犬舎の清掃だけで半日は過ぎますね。

でも犬舎が臭ったり、不衛生だったりするとワンちゃんたちの健康に悪影響を与えてしまいますので、隅々まで丁寧に掃除を行っています。

―ワンちゃんたちの気持ちに立って考えられる菊地さんが素敵すぎます！

菊地ブリーダー：いえいえ、そんなことないですよ（笑）

―さすがだなぁと思ってしまいました！
ちなみにワンちゃんたちは、冷暖房完備の部屋に1頭ずつ管理されているとのことですが、50頭全てですか？

菊地ブリーダー：そうですね、1頭ずつ管理しております。

ただし、冬の寒い時期は毛が少ないワンちゃんや毛がないワンちゃんに関しては、毛の長いワンちゃんと同じ部屋にしています。

―それはなぜですか？

菊地ブリーダー：冷暖房完備なので寒くはないと思いますが、それでも毛がないワンちゃんたちは心なしか寒そうにしているんですね。

なので、毛の長い子や毛の量が多い子と一緒にくっついて温め合ってもらっているんですよ。

―その姿を想像しただけで「かわいい」と思ってしまいました（笑）

菊地ブリーダー：かわいいですよ（笑）

また、私のところでは大型犬小型犬問わず一緒に遊んでいますが、みんな仲良しなのでその辺りも犬舎に来て見ていただきたいですね。

―大きさ問わず、みんな仲良く遊んでいるなんて素敵ですね！

ごはんがきちんと食べられるようになってからのお渡し

―菊地さんのところでは、見学後にお目当てのワンちゃんを迎え入れたいと申し出るお客様に対し、どのような流れで手続きされているのでしょうか？

菊地ブリーダー：私どものところでは、対面販売を必須とさせていただいております。

そのため、必ず千葉県君津市にあるこちらの犬舎まで出向いていただく必要があります。

もし出向くことができないといった場合は、残念ながらお断りさせていただいています。

―やはり実際一度お会いして、会話をすることは大切ですよね。それに、実際見学していただかないと「思った感じと違う」と思われる方もいるでしょうし。

菊地ブリーダー：そうですね。やはりお互いが気持ちよくやり取りするためにも、一度犬舎に来ていただき納得してワンちゃんをお迎えしてもらいたいなと思っております。

―もし「この子がいい」となった場合は、すぐにお迎えすることはできるのでしょうか？

菊地ブリーダー：基本は生後50日を過ぎてからのお渡しになりますが、ワンちゃんがしっかりごはんを食べられるようにならないとお渡しはできないので、お待ちいただく場合もあります。

―そうなると、例えば生後50日を過ぎてもなかなかごはんを食べない子の場合は、お渡しはできないということでしょうか。

菊地ブリーダー：そうですね。やはりワンちゃんの健康が第一優先ですので、お客様には大変申し訳ないのですが、少々お待ちいただくことになりますね。

―それだけ大切に見ていただけていると、お迎えする方も安心だと思います。ちなみにお迎えした後のアフターフォローなどが気になっている方もいるかと思うのですが、なにか行っていることはありますか？

菊地ブリーダー：まずワンちゃんをお渡する時に飼い方の要点を絞ったDVDと、母子手帳をプレゼントさせていただいております。

DVDは約10分間の短いものですが、分かりやすい内容が詰まっているで、初めてワンちゃんをお迎えする方には大変ご好評いただいております。

また母子手帳では成長記録や動物病院に行った時の履歴などを残すことができるので、ぜひお使いいただけたらなと思います。

―DVDと母子手帳が貰えるプレゼントがあるのは嬉しいですね！特にDVDは、初めてワンちゃんを飼われる方には大変重宝されるかと思います。

菊地ブリーダー：ありがとうございます。

また、お迎えして暫くすると「どうしたらいいんだろう？」「この場合はこれでいいのかな？」など、分からないことなどが増えてくると思うんですね。

そんな時はLINEやお電話でご相談承っておりますので、気兼ねなくご連絡いただければと思います。

ただお恥ずかしい話、私が機械が苦手なのでお電話だと嬉しいかな（笑）

―お迎え後のサポートもされていらっしゃるんですね！それなら、飼い主さんたちも安心ですね。

菊地ブリーダー：ワンちゃんたちのお世話をしている時は、すぐにお返事ができないこともあるかもしれませんが、気付いたらすぐにご連絡いたします。

お一人で抱え込まずに、気兼ねなくご相談していただければと思いますね。

ワンちゃんにも感情があるからこそ、家族の一員として迎え入れてあげて欲しい

―菊地さんのところでは、トリミングも行っていらっしゃるんですよね。

菊地ブリーダー：そうですね。小型犬から大型犬まで対応していますので、ぜひご利用いただけたらなと思います。

もちろん、爪切りや肛門腺絞りだけの利用も受付しておりますので、ご自宅で難しい場合はご連絡いただければと思います。

―菊地さんのお宅から近ければ、ワンちゃんをお迎えした後も❝ずっとのお付き合い❞ができていいですね！

菊地ブリーダー：そうですね。なかにはそういった方もいらっしゃり、長いお付き合いをさせていただいております。

あんなに小さかった子が大きく成長し、飼い主さんと幸せそうにしている姿をみると、私まで幸せな気持ちになります。

―確かにその後の成長過程を実際見れることって、お渡ししてからは中々ないですものね。そう考えると、トリミングサロンでまた出会えるとなると嬉しいですね。

菊地ブリーダー：そうですね。LINEなどでもご報告いただくのもすごく嬉しいですが、実際会えると本当に嬉しいです。

―では最後になりますが、ブリーダーナビをご覧になっている方、ワンちゃんをお迎え予定の方に対してメッセージをお願いします。

菊地ブリーダー：私はいつもワンちゃんをお迎えされている方に伝えている言葉があるんです。

それは「この子はペットではなく、あなたのお子さんですよ。大事に家族として育ててくださいね」ということです。

だってワンちゃんも人間のお子さんと一緒なんです。時にはトイレを失敗しちゃったり、嫌なことがあれば鳴いたりすることもあります。中々言うことを聞かず、イライラして怒鳴ってしまうこともあるかもしれません。

そんな時にはぜひ、ワンちゃんの目を見てあげてください。ワンちゃんにも感情があります。まずは心を落ち着かせて、ワンちゃんと心を通わせることから始めてみてください。

あなたが歩み寄れば、ワンちゃんもそれに応えてくれますから。ぜひ、我が子として大切に愛情を持ってお迎えしていただけたらなと思います。