ペキニーズの大きな特徴の1つが、長くボリュームのある被毛です。ダブルコートの下毛は抜け毛が多いですが、上毛は抜けることなく伸び続けるので、ある程度の長さを維持するためにはカットすることが有効といえるでしょう。
本記事ではペキニーズの被毛をカットする際、知っておきたいカットスタイルや自宅でのカット方法を解説します。
ペキニーズのカットスタイル集!どんな種類がある?
ペキニーズは基本的に被毛をカットしなくも問題ありませんが、放っておくと毛が伸び続けてしまうため、お手入れの観点から定期的にカットした方が良い犬種といえます。
被毛を短くすることで、ブラッシングなどのお手入れの手間が減り、絡まりにくく汚れにくくなるのでおすすめです。
せっかくカットするのであれば、可愛くしてあげたいと思う方も多いのではないでしょうか?
ここでは、ペキニーズの人気のカットスタイルを見ていきましょう。
まんまるカット
ペキニーズのような毛量が多い犬種向けのスタイルです。全体の飾り毛を整えてあげるだけで、自然と丸く可愛いらしい仕上がりになります。
ペキニーズは長毛なので汚れやすいですが、このカットスタイルならその問題も大分解消されるでしょう。バリカンをかけたくない場合や冬にもおすすめのスタイルです。
コアラカット
顔の輪郭と耳周りを丸くカットすることで、まるでコアラのようなシルエットに仕上げる、ペキニーズのカットの中でも人気が高いスタイルです。
トップコートの毛が硬質なペキニーズだからできる、他の犬種では再現が難しいスタイルといえるでしょう。
サマーカット
名前の通り、夏の暑さを回避するためにペキニーズの長い被毛を短くするカットスタイルで、見た目の印象も大きく変わるでしょう。サマーカットをべースに、首周りと尻尾の先の毛を残すとライオンカットになります。
短くしすぎると皮膚に直接紫外線が当たり、刺激により皮膚炎を起こす場合があるので注意しましょう。
飾り毛カット
特徴的な飾り毛を長く残すカットスタイルで、女の子におすすめです。
顔周辺を丸く、体の毛は短くしすぎずハサミでカットすると印象も変わります。
フルコート
ペキニーズの被毛は元々特徴的なので、特別なカットをしなくても、丁寧にお手入れして特徴を活かしてあげるだけでも十分に魅力な仕上がりになります。
ブラッシングをはじめ毎日丁寧にお手入れをしてあげれば、とても素敵姿になるでしょう。
カットしないでも大丈夫?注意点や頻度・料金
ペキニーズの被毛は見た目からして特徴的ですが、長いからといって必ずしもカットしなくてはいけないというわけではありません。
ここでは、ペキニーズの被毛はどんな性質なのかと合わせて解説していきます。
ペキニーズの被毛の特徴
ペキニーズの被毛は、下毛と上毛という2種類の被毛で構成された、【ダブルコート】と呼ばれる二重構造です。
上毛と下毛はそれぞれ違う役割があり、ダブルコートの犬種は、比較的寒さに強く暑さに弱い傾向にあります。
また、ダブルコートの犬種は抜け毛が多く、特に年に2回訪れる換毛期には大量の毛が抜け落ちるため、毎日のお手入れが欠かせません。
ペキニーズの抜け毛に関しては、下記のページからご覧になれます。抜け毛対策にどんなお手入れが必要なのか紹介しているので、参考にしてみてくださいね。
ペキニーズの抜け毛は少ない?多い時期はある?カットやお手入れも
カットはいつからできる?
シャンプーやカットを含め、子犬のトリミングはワクチンプログラムが終了してから2週間〜1ヶ月後できるようになります。
免疫力や体力が低い子犬が安全にトリミングができるようになるのが、この時期といわれているためです。
また、感染症のリスクが高い状態で不特定多数のワンちゃんがいるお店を訪れてしまうと、他のワンちゃんにも病気をうつしてしまう恐れがあるので、必ずワクチンを接種してからにしてください。
シニア犬になったらカットは控える
ワンちゃんの被毛のカットは、飼い主が考えている以上に体力的な負担をかけてしまいます。
そのため、基本的にカット必要ないペキニーズの場合は、シニア犬になったらカットはしない方が良いかもしれません。汚れが気になるようなら、その箇所だけ毛を短くすれば、清潔に保てるでしょう。
またシャンプーも同様で、普段のブラッシングで被毛を整え、グルーミングスプレーなどのグッズを使ってあげるのも有効です。
それでも、どうしても汚れが気になるようなら、シャンプーを使わずぬるま湯で洗ってあげてください。
カットの頻度
上述したように、ペキニーズは被毛のカットが必要な犬種ではありません。
そのため、カットをする場合でもそれほど頻繁に行わずに、シャンプーに合わせて月に1回程度してあげれば問題ないでしょう。
カットの料金
地域やお店によって料金体系はさまざまですが、ペキニーズのカット1回にかかる料金は、4,500円~1万円が相場のようです。また、カットにかかる時間は、1回1.5~3時間が目安となっています。
自宅カットの仕方は?なにが必要?
ペキニーズのカットは、基本的にトリミングサロンでお願いしたいところです。ですが、簡単なお手入れ程度のカットであれば、ご自宅でのセルフカットも難しくありません。
ここでは、自宅で愛犬の被毛をカットする際に必要な道具や、やり方について詳しく確認していきましょう。
自宅カットは最低限にとどめておく
自宅でのカットは、トリミングサロンでプロにお願いすることに比べると安く仕上げることができますが、反面どうしても安全性やクオリティに問題が生じます。
そのため、自宅でカットしたいと考えている飼い主さんも、基本的にはトリミングサロンでカットすることをおすすめします。自宅でのカットは、最低限簡単なお手入れにとどめておくようにしましょう。
自宅カットで必要なものと気を付けるべきポイント
- コーム
- スキバサミ
- バリカン
自宅でのカットは、何よりも愛犬にケガをさせないよう安全第一を心がけましょう。ワンちゃんが動いてしまう時は、ハサミを小さく開いてカットをするようにしてください。
ペキニーズは毛量が多いので、一度にまとめてカットしようとせず、少量を手に取り少しずつカットしていくと安全にできるでしょう。
顔まわり
顔は目や耳、鼻といった大事なものが集中しているので、特に注意したい箇所になります。
傷つけないようにコームで毛を逆立てるように立ち上げ、スキバサミを皮膚に近付けないよう平行に動かして、先端から少しずつゆっくりと切っていきましょう。
顔まわりの毛は、伸びすぎると涙やけの原因にもなるので、月1回程度のカットができると良いかもしれません。
足裏(肉球まわり)
足裏のカットは、伸びた毛が肉球にかからないようにするためなので、ハサミを使うと肉球を傷つける恐れがあります。肉球を傷つけると、歩行に支障が出るので、比較的安全なバリカンを使うと良いでしょう。
バリカンの刃は短いミリ数を使い、小さい肉球から大きい肉球に向かい足裏に対して平行に動かしていきます。
バリカンを使用する際の注意点として、使う時のみONにしてそれ以外はスイッチを切っておきましょう。常にONにしていると刃が熱を持ってしまい、肉球を火傷させてしまう恐れがあります。
お尻まわり
お尻周りは特に汚れやすい箇所なので、排泄物がつきにくくお手入れがしやすくなるように、ある程度短くカットすることをおすすめします。
デリケートな部分なので細心の注意を払い、ケガをさせないためにもハサミではなくバリカンを使うといいでしょう。
自宅カットで失敗しないために
お家でカットする際のポイントとして、ハサミは専用のスキバサミを使うことが挙げられます。
「ハサミだったら何でも良い」と考える方がいるかもしれませんが、一口にハサミといっても用途によって切れ味などの性能が異なります。
そのため、スキバサミ以外のハサミを使うと、カットが上手くいかず愛犬に痛い思いをさせることにもなりかねません。
ただし、スキバサミは切れ味が鋭いので、刃先が皮膚に少し当たっただけで傷つけてしまいます。刃物を扱う意識で慎重に扱ってください。
また、カットする際は毛並みに逆らわず、毛の流れに沿ってカットすることで、カットした時にハサミの跡がつきづらいのでおすすめです。
まとめ
ペキニーズは本来カットしなくても良い犬種ですが、お手入れのしやすを考えると、カットすることも悪くはありません。加えて、カットすることで元々特徴的な被毛の魅力をさらに引き出すことができるでしょう。
今回紹介してきたカットスタイルを試してみてはいかがでしょうか。
ペキニーズの性格や飼い方については、下記ページで解説しているので、こちらも参考にしてみてくださいね。
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著者/ブリーダーナビ編集部