ワンちゃんを迎える際、どうしても気になるのがその犬種の寿命でしょう。大切な家族だからこそ、できるだけ長く一緒にいたいと思うのが飼い主さんの本音でしょう。
本記事では、愛らしい風貌のペキニーズの寿命と、長生きしてもらうために飼い主が気を付けたいことを紹介します。
ペキニーズの平均寿命は何年?
ペキニーズの平均寿命は12〜15年。犬全体の平均寿命が12歳前後、小型犬の平均寿命が13歳前後なので、平均よりもやや長生きな犬種といえるでしょう。
また、正式な記録ではありませんが、これまでで確認されているペキニーズの最高寿命はなんと18歳。昔に比べ寿命は長くなっていますが、18歳まで生きる例は非常に珍しいといえるでしょう。
もちろん個体差や生活環境などの条件によって、同じペキニーズであっても寿命は長くも短くもなるので、あくまでも目安とお考えください。
ペキニーズの年齢を人間に換算すると?
ワンちゃんと一緒に生活していると、不意に「この子は人間でいうと何歳なんだろう?」と疑問に思うことがあるのではないでしょうか。
この疑問は昔からさまざまな説が提唱されていました。しかし、近年になり、より確度が高い新たな説が出てきたのです。
計算式で人間の年齢に換算可能?
ラブラドールレトリバーを対象とした「ワンちゃんの年齢に関する研究論文」を、米カリフォルニア大学サンディエゴ校(UCSD)の研究チームが2019年11月4日に発表しました。
その内容とは、「犬の実年齢の自然対数を16倍して31を加えた数値が、ヒトの年齢に換算した犬の年齢である」というもの。簡単にいえば、「ワンちゃんの年齢を人間の年齢に換算すると何歳なのか」導き出すための計算方法の紹介です。
式に表すと、以下のようになります。
「人間に換算した年齢=16ln(犬の年齢)+31」
さらに、この式から導き出した年齢をまとめたのが下記表になります。
犬の年齢 | 人間の年齢 |
---|---|
1歳 | 31歳 |
2歳 | 42歳 |
3歳 | 49歳 |
4歳 | 53歳 |
5歳 | 57歳 |
6歳 | 60歳 |
7歳 | 62歳 |
8歳 | 64歳 |
9歳 | 66歳 |
10歳 | 68歳 |
11歳 | 69歳 |
12歳 | 71歳 |
13歳 | 72歳 |
14歳 | 73歳 |
15歳 | 74歳 |
16歳 | 75歳 |
こうして表で比較してみると、ワンちゃんは1歳まで急激に成長して、以降人間とほぼ同じペースで年齢を重ねていくのが分かるでしょう。
ただし、この論文ラブラドールレトリバーを対象とした研究であり、他の犬種にどの程度合致した内容なのかはまだ分かっていません。大型犬のラブラドールレトリーバーと小型犬のペキニーズとでは、平均寿命も違うため参考程度に考えてください。
ペキニーズに長生きしてもらうために知っておきたいこと
愛犬に長生きしてもらいたいと思うのは、飼い主であれば誰もが願うことでしょう。
ここでは、愛犬のために飼い主ができることを解説します。
室内の環境と温度の管理
短頭種と呼ばれるペキニーズのような鼻ペチャな犬種は、一般的な犬種と比べて呼吸が苦手で、パンティングによる体温調節をうまく行うことができません。
そのため、熱中症や脱水症になりやすいので、夏は散歩などの外出時だけでなく、普段生活している室内の温度にまで気を配る必要があります。
ペキニーズを飼う場合、基本的にエアコンは年中点けっぱなしにして、室温の設定を25℃前後に保つようにしましょう。
ワンちゃんと人間とでは体感温度が違うため、飼い主基準で温度を設定すると、愛犬が暑がってしまうということもあります。そんな場合は、エアコンだけでなくクールマットなど他のグッズを併用すると良いでしょう。
また、人間からすればちょっとした段差であっても、体が小さなペキニーズにとっては大きな落差になります。小型犬は骨や関節が弱いので、愛犬の生活圏内にはできるだけ段差がある家具を置かないようにしましょう。
同様に、フローリングなど滑りやすい床材も関節に負担をかけてしまうため、カーペットや絨毯を敷いて滑り止めにするのもおすすめです。
食事の管理
愛犬に長生きしてもらうためには、健康を維持することが欠かせません。肥満は万病の元なので、食事を管理して適正な体重を保つように心がけましょう。
ワンちゃんは与えたら与えただけ食べてしまうので、飼い主が食事を管理してあげなければなりません。
まず、与えるフードの量は、パッケージに記載された内容を基本的にしましょう。そのうえで、愛犬の体調や肥満具合に合わせて調整するようにしてください。
便の状態を毎日確認して、便が柔らかいなら量が多すぎ、硬すぎるようなら少なすぎると判断できます。
こまめなブラッシングを
ペキニーズの被毛はダブルコート(二重構造)になっています。長くてボリュームのある被毛は抜け毛が多いため、毎日のブラッシングが欠かせません。
特に、年に2回訪れる換毛期には多くの量の毛が抜け落ちて生え変わります。
また、ブラッシングを怠るとすぐに絡んで毛玉になってしまい、蒸れたり細菌が繁殖したりしやすくなり皮膚病のリスクが高くなってしまうのです。
ペキニーズはトリミング必要な犬種ではありませんが、汚れや皮膚炎を防ぐために、月に1度ほどの頻度でトリミングをしても良いかもしれません。
運動は無理のない範囲で
愛犬の健康を維持するには、毎日の運動も必要です。ペキニーズは小型犬なのでそれほど多くの運動量は必要ありませんが、10分程度の散歩を1日2回ほど行うと良いでしょう。
体が小さいペキニーズの歩幅を考慮して、散歩のペースはゆっくりと気分転換するくらいの運動でも十分です。加えて、たまには広い公園やドッグランで思い切り遊ばせてあげられれば、ストレス発散にもなるので良いでしょう。
ただし、ペキニーズのような短頭種は、激しい運動をすると呼吸困難に陥るおそれがあるので、無理は禁物です。
かかりやすい病気を知っておく
ペキニーズは遺伝性の病気を患うリスクが低いので、一般的に健康で丈夫な犬種といえるでしょう。しかし、気を付けるべき病気はいくつかあります。
例えば、ペキニーズのような短頭種は呼吸器系の病気になりやすいので、気温が高い夏場や過度な運動には気を付けるようにしてください。
下記リンク先のページでは、ペキニーズが気を付けたい病気を紹介しています。症状や予防方法などを紹介していますので、これからペキニーズをお迎えしたいと考えている方はこちらもご覧になってくださいね。
数ある犬種の中でも比較的丈夫なペキニーズが気を付けるべき病気は?
老化にいち早く気づくための健康チェック
人間もワンちゃんも、老化と寿命は密接に関係しています。
老化することでさまざまな機能が衰え、それまで普通にできていたことができなくなったり鈍くなったりするものです。
ここでは、老化に伴う変化を確認するためのポイントを紹介します。
外見の変化のチェックポイント
行動の変化のチェックポイントを
老犬になってから飼い主が心がけたいこと
高齢になるとシャンプーの負担はとても大きくなるので、洗い流さないシャンプーやお湯を絞ったタオルで拭くのも良いでしょう。
頬や肘、肩甲骨、腰など、骨が出っ張った箇所に床ずれは起きやすいです。
まとめ
ペキニーズは小型犬の中では平均的、犬全体でみれば比較的長く生きる犬種です。
ただし、短頭種特有の呼吸器系の病気や、小型犬ならではの骨や関節の病気・ケガには気を付ける必要があります。
今回の内容を参考に、少しでも長生きできるようにペキニーズの生活を管理してあげてくださいね。
ペキニーズの性格や飼い方については、下記ページで詳しく解説しています。こちらも参考になれば幸いです。
著者/ブリーダーナビ編集部