ワンちゃんを飼ううえで心がけたいのは「犬らしい生活をさせること」です。
散歩もその一環で、毎日ある程度の運動をさせることで、運動欲を満たすとともにストレスを解消させることができます。
本記事では、ワンちゃんにとって大事な日課である散歩を、キャバリアという犬種視点で解説します。
目次
散歩しないのはNG?キャバリアの散歩事情
キャバリアは小型犬なので、そこまでの運動量は必要としません。中には「小型犬に散歩は不要」と考える飼い主さんもいるかもしれません。
しかし、散歩は愛犬の運動という目的以外にもさまざまなメリットがあるため、可能であれば毎日連れて行ってあげましょう。
運動以外にも役割がある?寿命にも影響する散歩
ワンちゃんの日課である散歩には、定期的な運動という意味だけでなく、ストレスの解消や日光浴といったメリットもあります。
そのため、比較的運動量が少なくすむ小型犬であっても、家の中で遊ばせるだけでなく、外に連れ出して散歩をさせる必要があるのです。
また、散歩中は家族以外の人間や動物と触れ合う機会が生まれるので、社会性を育むことにもつながり、不特定多数とコミュニケーションを取ることができる点も見逃せません。
散歩ができない日は一緒に遊んであげよう
愛犬のことを考えると、散歩には毎日連れていきたいところです。しかし、天候や体調、そのほかさまざまな理由で散歩に出かけられない日もあるでしょう。
そんな場合は、無理に外に出かけずに、室内でおもちゃを使って遊んであげてください。
室内で遊ぶ際、フローリングのような滑りやすい床だと関節に負担がかかってしまうので、滑り止め代わりにマットやカーペットを敷くと良いでしょう。
キャバリアの散歩はどのくらい?1日の頻度や時間
ここまで解説してきた通り、小型犬であるキャバリアは、それほど多くの運動量が必要な犬種ではありません。それでも可能であれば毎日散歩には連れて行ってあげたいもの。
ここではキャバリアが1日に必要な散歩の時間や距離、回数を紹介します。
キャバリアの散歩は20~30分を1日2回
小型犬であるキャバリアは、1回につき20~30分ほどのお散歩に、1日2回連れて行ってあげましょう。距離に換算すると、およそ1~2kmほどとなります。
小型犬は骨や関節が弱く、過度な運動は健康を損ねる恐れがあるので、無理なく愛犬のペースに合わせてあげてください。
また、毎回同じ散歩ルートでは飽きてしまうので、マンネリ化防止のために散歩コースを
複数用意したり、たまには逆回りにルートを辿るなど、ちょっとした工夫をしてあげると良いでしょう。
キャバリアの散歩はいつからOK?
子犬を家族に迎えて、一緒に散歩に出かけることを楽しみしている方も多いでしょう。しかし、子犬を迎えてすぐ散歩に出かけるのはNGです。
では、散歩はいつからOKなのでしょうか。
犬種によらず、散歩はワクチン接種が終わってから
子犬が散歩できるようになるのは、犬種問わずワクチンプログラムが終了して獣医さんからの許可が出てからになります。
生後2~3ヶ月頃の子犬は、母犬の初乳からもらった免疫が徐々に失われてしまい、感染症に対して無防備な状態になってしまいます。そのため、感染症対策としてワクチンを接種する必要があるのです。
子犬が1回目のワクチンを接種するのは、免疫が薄れてくる生後2ヶ月頃から。その後3~4週間後に2回目を、そこから3~4週間以降に状況に応じて3回目の接種を受けることもあります。
ワクチンプログラムを終えてかかりつけの病院から散歩の許可が降りたら、最初のうちは15~30分程度の散歩からはじめてください。
キャバリアの散歩に必要なグッズや準備
ワンちゃんとの散歩は、ただ一緒に歩けば良いというわけではなく、道具を揃えたりしつけをしたりと、それなりの準備が必要です。
ここでは、キャバリアと散歩にでかけるために必要となる準備について解説します。
散歩に必要なグッズ
首輪は飼い主の意思を伝えやすい反面、首に負担をかけるてしまいます。
一方、ハーネスは体全体に装着するタイプなので、比較的ワンちゃんへの負担がありません。興奮しやすい子には、首輪とハーネスどちらにもリードをつけるダブルリードがおすすめです。
また、万が一に備えて保護した人がすぐに飼い主さんに連絡できるように、迷子札を付けておきましょう。
一般的な『スタンダードリード』や広い場所で使用できる『ロングリード』、手元で長さを
調整できる『伸縮性リード』など、種類が豊富なので、好みや用途に合わせて選べます。
また、肩から胴体にかけたり腰に巻いたりすることで、両手をフリーにできる『ハンズフリーリード』は、雨の日や荷物が多いときなどに便利です。
専用のボトルやペットボトルに取り付けられるシャワーキャップもあるので、使いやすいものを選ぶと良いでしょう。
体高の低さもあり、ただでさえ視認性が低くなる夜間には、ワンちゃんを認識するのはとても難しくなります。ライトだけでなく、ワンちゃんの首輪やハーネスに付ける、グッズの活用もおすすめです。
首輪、リードに慣れてもらう
散歩するワンちゃんが当たり前のように付けている首輪やリードですが、苦手な子は違和感を覚えて装着することを嫌がります。
そのため、本番でいきなり付けるのではなく、あらかじめ家の中で慣らしておく良いでしょう。最初から身につけるのではなく、触れさせたりすることで慣れさせてから付けると抵抗が薄くなります。
他のしつけ同様、おもちゃかおやつを利用するとやりやすいでしょう。
抱っこ散歩から始めよう
ワクチンプログラムを終えないと散歩デビューできないとはいえ、生後6ヶ月までに外の世界を経験させることができないと、散歩を嫌がるようになる可能性があります。
そのため、本格的な散歩デビューの前に、獣医さんの許可を得て抱っこ散歩に連れて行ってあげると良いでしょう。
まずは愛犬を抱っこして近所を1周する程度で良いので、家の外を体験させてあげてください。これをやるとやらないとでは、その後の散歩が大きく変わる可能性があります。
家に迎えてから散歩デビューするまで、子犬は基本的に外に出ることなく家の中で過ごすことになります。そのため、外の世界になれておらず、家族以外の人間や動物、車や自転車を怖がることが珍しくありません。
本格的な散歩デビューの前に「家の庭やベランダを歩かせる」「近所を抱っこ散歩する」など、短い時間でも構わないので、外の世界を体験させてあげましょう。
散歩で守るべきマナーと注意点
公共の場では、マナーを守ることが求められます。それはワンちゃんとの散歩にもいえることで、飼い主として愛犬をコントロールして、マナーを守らせなくてはいけません。
では、具体的にどんな点に注意すれば良いのでしょうか。
リードは絶対に外さない
散歩中、リードは絶対に外してはいけません。極少数ながらノーリードで散歩している飼い主さんもいるようですが、周囲への配慮だけでなく、愛犬の身を守るためにもリードは必要不可欠です。
「うちの子はしつけが行き届いているから絶対に噛みつかない」と考えている方もいますが、これはまったく関係ありません。
不測の事態で一度興奮してしまうと、例え温厚なキャバリアであっても、飼い主の抑えが利かない可能性もあります。
排せつ物の処理は飼い主の義務
散歩中に愛犬が排泄したうんちやおしっこは、飼い主さん自身が適切に処理するようにしましょう。
具体的には、うんちはペットシーツに包んでゴミ袋に入れて持ち帰り、自宅で処分。おしっこはお水で流しい臭いを残さないようにしてください。
公共の場でのマナー
散歩で通るルートは、自宅以外すべて公共の場です。不特定多数の人が利用する場所なので、利用する際にマナーを守り使い方にも配慮するようにしましょう。
例えば、公園のベンチでブラッシングするのは、抜けた毛が舞い散って周囲への迷惑となってしまいます。ワンちゃんの抜け毛は、アレルギーを持っている人にとってはとても有害なものなので、公共の場でのブラッシングは絶対に止めてください。
また、公園の水飲み場を利用する際は、直接口を付けないように自前の容器に入れてから飲ませるようにしましょう。
相手の許可なく近づかない
愛犬の社会化のためにも、多くの人やワンちゃんと触れ合うことはとても大切です。しかし、何の断りもなく突然近寄るのはよくありません。ワンちゃんが苦手な人もいますし、警戒心から攻撃的になるワンちゃんもいるでしょう。
そのためコミュニケーションを図るなら、まず挨拶をして許可を得てから接触するようにしてください。
マンネリ化しないように注意
ワンちゃんの散歩は、毎日同じ時間、同じ散歩コースではマンネリ化してしまうので良くありません。
散歩が毎日同じ時間だと、その時間になると要求吠えをするようになり、天候などの理由で散歩ができないとストレスを感じることになります。
また、いつも同じ散歩コースでは飽きてしまい、そこが自分のテリトリーであると勘違いするようになることも。
散歩のマンネリ化を避けるためにも、散歩に出かける時間はある程度バラバラにして、散歩コースも複数用意して日によって変えるとよいでしょう。
散歩嫌いは克服できる?
ワンちゃんは基本的に散歩好きな動物ですが、中には散歩を嫌がる子もいます。
これは犬種による特性だけでなく個体差もあるので、実際に散歩してみるまでは分からないでしょう。
しかし、嫌いだからといってまったく散歩させないというわけにはいきません。
もしも愛犬が散歩嫌いだった場合、どう対処すれば良いのでしょうか。
散歩を嫌がる理由を知る
ワンちゃんが散歩を嫌がる理由は1つではありません。
散歩が嫌という子もいれば、車など特定の物や場所を嫌がる子もいます。
また、ケガや病気といった問題で突然散歩を嫌がる場合もありますし、高齢になり体力や筋力が衰えたことで、歩くことが難しくなることも考えられます。
このほか、天候や気候が理由で外に出るのを嫌がるケースもあるので、まず愛犬がどんな理由で散歩を嫌がるのか、その原因を把握することが大切です。
効果的な対処法
例えば、車が苦手な場合、散歩中にご褒美を見せて意識を車に向けないようにすれば、ある程度は気を紛らわせることができるでしょう。
また、苦手な物が近付いてきたら、愛犬がそちらに意識を向ける前に名前を呼んで、苦手なものに注目させないようにするのも有効です。
そのため、夏であれば気温が高い日中を避け、冬は比較的暖かい昼間に出かけると良いでしょう。
その場合は、散歩コースをガラッと変えてみましょう。あらかじめ複数のコースを用意して、日によってコースを変えられるといいかもしれません。
歩くこと自体を嫌がるようなら、ケガや病気の可能性があるので、一度動物病院を受診することをおすすめします。
散歩中は拾い食いに注意!必要なしつけは?
ワンちゃんは何でも口に咥えてしまいます。散歩中であってもそれは変わらず、落ちている物を好奇心から拾い食いしようとすることも珍しくありません。
しかし、道端に落ちているの物は、場合によってはワンちゃんにとって有毒なものかもしれないので注意が必要です。
拾い食いを防止する方法
散歩中にワンちゃんがしてしまう問題行動の1つに、拾い食いがあります。
ワンちゃんは食べられそうな物があれば、それが何であれ取り合えず口にして拾い食いしようとします。飼い主が気づければ良いですが、見過ごしてしまうと、有毒な食べてはいけない物を拾い食いしてしまうかもしれません。
拾い食い防止のポイントは、リードを持つ長さです。
まずは、愛犬の鼻先が地面にくっついてしまわない長さを確認しましょう。手を自然に下ろして、散歩中リードがややたるんだ状態になるのが理想です。この状態から、愛犬が拾い食いをしそうになったら、リードを持つ手をお腹に持っていきましょう。
こうすることで、普段はストレスを与えることなく散歩でき、拾い食いしようとしても地面に口が届くのを防ぐことができます。
拾い食いしようとしてもできなかった愛犬がこちらを見上げたら、褒めておやつをあげてください。
これで、「拾い食いはできない」「飼い主を見上げたら良いことがある」と覚えて、拾い食いをしなくなります。
引っ張り癖をやめさせるには
散歩中、愛犬がリードごと飼い主を引っ張ることは良くあること。これは、以下の3つが大きな原因として考えられます。
- 好奇心旺盛な性格
- 飼い主を無視している
- 興奮している
愛犬の引っ張り癖を直すには、「引っ張っても良いことはない」ということを教える必要があります。
例えば、リードを引っ張った瞬間にその場に立ち止まり、諦めるまで我慢して動かないように待ちましょう。
大型犬えあれば難しいかもしれませんが、キャバリアのような小型犬であれば難しくありません。そして、引っ張ることを諦めたら、愛犬が行きたがっていた方向とは逆に進んでください。
これを繰り返すことで、「引っ張ると、行きたい場所に行けなくなる」ということを覚えてくれます。
散歩中に吠えてしまう場合はどうすればいい?
キャバリアは温厚な性格で、無駄吠えをしにくい犬種です。それでも、状況によっては吠えることはあります。
例えば、「見知らぬ人が急に走って近付く」「正面から目を合わせたまま近寄る」「大声を出す」といった行為は、犬の警戒心を刺激して吠える原因になるでしょう。こうした行動は、特に子どもがやりがちなので、子どもを苦手とする犬種も少なくありません。
吠えているワンちゃんを大声で叱ったりするのは、「一緒に遊んでいる」と勘違いしたり、興奮を助長することにつながります。そのため吠えるのを止めさせたい場合は、低い声で静かに注意して、止めたら褒めてあげるとよいでしょう。
まとめ
キャバリアは小型犬ですが、好奇心旺盛で活発な犬種なので、可能な限り毎日散歩に連れて行ってあげてください。
温厚で社交的、人間好きな性格なので、大きなトラブルになることは滅多にないと思いますが、散歩中何があるかわかりません。
今回の記事を参考に、しつけや準備を万全にして、愛犬との散歩を楽しんでくださいね。
また、キャバリアの飼い方については下記ページでも解説しています。
初心者向けキャバリアの飼い方
著者/ブリーダーナビ編集部