「ゴールデンレトリーバーを飼いたいけど、室内では難しい…」と悩んでいる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
確かに、日本の住宅事情を考えると、大型犬を室内で飼うためには制限があるかもしれません。
ここでは、ゴールデンレトリーバーを外飼いするうえで、知っておきたい情報を紹介します。
ゴールデンレトリーバーの外飼いにメリットはある?
現在、ワンちゃんを飼うのではあれば、室内での飼育が一般的です。しかし、大型犬のゴールデンレトリーバーの場合、そうもいかない事情があるご家庭もあるでしょう。
では、ゴールデンレトリーバーを外飼いする場合、どんなメリットがあるのでしょうか。
室内が汚れずにすむ
室内で飼っていると、お散歩などで外出る度汚れた足裏を拭いたり抜け毛を掃除したりと、室内の汚れに気を遣わなくてはなりません。その点、外飼いであればお散歩後のお手入れが不要で、家の中が汚れるのを抑えることができます。
また、飼い主は気付きにくいですが、動物のにおいというのは気になるものです。
室内飼いだとどうしても部屋ににおいが染みついてしまうので、来客がある際は気を遣う必要が出てきますが、外飼いであれば心配いらないでしょう。
誤飲誤食の危険性が低い
ワンちゃんの誤飲誤食は、散歩中などに良くある事故です。室内にはワンちゃんの好奇心を刺激するような物がたくさん落ちているので、室内飼いでは愛犬が誤飲誤食をしないように気を付ける必要があります。
外なら、ゴミの片付けさえしておけば基本的に興味をそそるような物は落ちていないので、誤飲誤食の心配は少ないでしょう。
ただし特に子犬のうちは石を飲み込んでしまう子もいるので環境には注意が必要です。
ゴールデンレトリーバーの外飼いはデメリットが多い
外飼いには、メリットがある以上に多くのデメリットがあります。
ゴールデンレトリーバーを外で飼うことを検討している方は、下記のデメリットを良く理解したうえで、ぜひもう一度考えてみてください。
寂しさや孤独感から問題行動を起こしやすくなる
ゴールデンレトリーバーは元々猟に付いていき、飼い主の撃ち落した鳥を回収してくる仕事をしていた犬種です。
飼い主の求めていることを察して行動できる頭の良さがあり、そのためにも飼い主と一緒に過ごすことを幸せと感じる性質です。
そのため家族と別に屋外で長時間生活することになると孤独感が募り、そのストレスから無駄吠えや異食などの問題行動を起こすようになってしまう可能性があります。
ゴールデンレトリーバーの性格については、下記の記事で詳しく解説しています。ぜひご覧ください。
ゴールデンレトリーバーの性格は?
室内飼いに比べて平均寿命が短くなる
ワンちゃんの平均寿命は、50年前と比べて3倍程度延びていることをご存じでしょうか。これにはさまざまな理由が考えられますが、室内飼いが主流になったことが大きな要因の1つと考えられています。
外飼いは、寄生虫やウイルスなどさまざまなリスクに晒されていることに加え、普段は飼い主の目が届かない場所にいるので、体調の変化に気付くことが遅れがちでした。
また、夏の暑さや冬の寒さの影響を直接受けていたことも、大きな負担となっていたといえるでしょう。
室内飼いが主流となったことでこうしたリスクから遠ざかり、外飼いが一般的だった頃に比べて平均寿命が延びたのは、間違いないと思われます。
脱走のリスクがある
外飼いの場合、ワンちゃんは飼い主の目が届かないところで普段生活しているので、その間何をしているのか分かりません。
しっかりとリードでつないでいても、気付かないうちに「脱走して行方不明になった」ということも。最悪、車道に飛び出して事故に遭い、命を落とす可能性もあります。
ゴールデンレトリーバーのような大型犬は人間が考える以上に力が強いため、どれだけ対策をしていても、十分とはいえないかもしれません。
天候の影響を直接受ける
愛犬のために雨風をしのぐ犬小屋を用意していても、家の中に比べると十分な環境とはいえません。雷雨や台風など、散歩に出かけることがためらわれるような天候でも、外で過ごさなければいけないこともあるでしょう。
人間にとって過酷な環境は、ワンちゃんにとっても過酷な環境です。
こうした点も、外飼いのデメリットといえるでしょう。
盗難やいたずらにあうリスクも
上述したように、外飼いは基本的に飼い主の目が届きません。そのため、悪質ないたずらをされる恐れがあります。
例えば、愛犬に勝手に食べ物を与えられたり、いたずらでけがをさせられたり、場合によっては連れ去られてしまう恐れもあります。
こうした行為を防ぐには、防犯カメラを設置したり敷地内に入れないように柵を立てるなど、何かしらの対策をしましょう。
外飼いの注意点
ワンちゃんの室内飼いと外飼いには、まったく違う点もあれば、逆に共通している点もあります。
メリットとデメリットを理解したうえで、実際に外飼いするにあたり、どんな点に注意すれば良いのでしょうか。
屋外用のサークルは必須
愛犬を外で飼う場合、屋外用サークルは絶対に設置してください。これは、愛犬の逃走防止のためだけではなく、外から他人の侵入を防ぐという意味もあります。
設置するサークルは、愛犬がジャンプしても飛び越えられない高さで、抜け出してしまわないように、高さだけでなく隙間の間隔にも注意してください。
また、屋内で飼う場合と同様、安心して眠れる場所が必要です。適度に狭く、愛犬に落ち着ける場所を与えるという側面もあります。
リードは適切な長さの物を
外飼いする場合、愛犬をリードでつなぐ必要がありますが、この際リードは適度な長さの物を用意しましょう。
短かすぎると動くのに不便ですし、長すぎるとリードが絡まったりそもそもの用をなしません。リードは敷地内を自由に動き回れる程度の長さを目安にしてください。
外飼いでもトイレトレーニングは必要
ワンちゃんを飼ううえで、絶対に外せないトイレトレーニングですが、それは外飼いであっても例外ではありません。室内飼い同様、決まった場所でトイレができるようにしっかりしつけておきましょう。
また、排泄物を放置するのは衛生的に問題があり、近隣に臭いで迷惑をかけることになるので、愛犬の健康を守るためにも、常に清潔さを保つよう心掛けてください。
夏と冬・悪天候時の対策
愛犬を外飼いするうえで、季節や天候の影響は無視できません。
ゴールデンレトリーバーは、寒さに強い犬種ですが暑さには弱いので、熱中症や脱水症状から守るために、日陰を作ったり打ち水をしたり対策をしましょう。
それ以外にも、いつでも避難できる屋根付きの犬小屋を用意して、場合によっては暖房やクーラーも活用してください。
しかし、どれだけ入念な対策をしたとしても、限度があります。台風や大雪など、外にいること自体が危険な環境の場合、無理をせず屋内に避難させてあげてください。
ご近所トラブルにならないように無駄吠えのしつけも
外飼いに限りませんが、ワンちゃんを飼ううえで無駄吠えの対策は重要です。特に外飼いの場合、遮るものがないため、室内で飼うよりも音が直接響き渡ります。
家の中と違い、外はワンちゃんを刺激するものが多いため、様々なことに反応して吠えていては、近隣の迷惑になってしまうでしょう。
そのため、室内で飼う以上にしっかりと無駄吠えのしつけを行い、犬がいることを知らせるステッカーや注意書きを貼るなど、周知することも心掛けてください。
定期的な掃除も欠かさないこと
ワンちゃんは私たち人間が考えている以上にきれい好きな動物です。そのため、愛犬の生活範囲は掃除を徹底して、極力きれいな状態を保つようにしてください。
例えば換毛期。ゴールデンレトリーバーはダブルコートの被毛を持つ犬種なので、抜け毛が多く、特に換毛期になればブラッシングだけでなく地面に落ちた毛を掃除しなければなりません。
舞い散った毛が近所迷惑にならないようにするためにも、丁寧な掃除が必要です。
また、外飼いするということはトイレも外でさせることになるので、糞尿の臭い対策もしなければなりません。
排泄物をそのまま放置すると、同じ場所でのトイレを嫌がるだけでなく、臭いが周囲にただようので、近所迷惑になってしまいます。
愛犬が気持ちよく過ごせる環境作りとご近所トラブルを避けるためにも、ペットシーツを敷いたり排泄物の処理をしたりするなど、外飼いするうえで衛生面の配慮は必要不可欠です。
まとめ
現在ワンちゃんを飼うのであれば、室内飼いが一般的です。今回紹介してきたように、外飼いにはメリットがある以上に多くのデメリットがあるので、この流れは自然なことなのかもしれません。
しかし、ご家庭の事情などで、どうしても外飼いしなければならい方もいらっしゃるでしょう。その場合は、近隣への配慮や愛犬の安全を考慮して、万全の準備をしたうえで外飼いをしてください。
ゴールデンレトリーバーの飼い方については下記ページで詳しく解説しています。こちらも参考にしてみてくださいね。
著者/ブリーダーナビ編集部