老犬の散歩方法とは?立ち止まってしまうのは?

ワンちゃんも高齢になれば足腰の筋力が衰え、若い頃のような活発さはなくなっていきます。それでも、心身の健康を維持するためには相応の運動を行う必要があるのも事実です。
今回は、老犬の散歩や運動について解説します。

老犬との散歩、時間や回数は?

老犬にも散歩は大切ですが、若い頃と同じだけの運動をするのは難しいでしょう。そのため衰えた体力に見合うように、距離や時間、回数を調整して、散歩メニューを見直しましょう。

散歩前のウォーミングアップ

老犬になると筋肉や関節が硬直して硬くなってしまいます。そのため、何も準備運動をせずに散歩すると、ケガをしてしまう恐れがあります。ケガの予防のためにも、運動前の準備運動として、散歩に出掛ける前にマッサージなどで身体を温めてあげましょう。

愛犬のペースに合わせる

ワンちゃんの散歩は、基本的に飼い主が主導権を握る必要がありますが、老犬との散歩の場合は、逆に飼い主がペースを合わせてあげるようにしましょう。
歩く速さや距離、時間など、あくまでもワンちゃんを中心に、息切れしたり疲れて動かなくなるようなら、早めに切り上げて帰宅することも考えてください。

また、高齢になるとケガや病気のリスクも高くなるので、突然体調不良に陥る危険も考えられます。そんな万が一に備えて、動物病院に連れて行ける交通費や診察費程度の現金もお散歩バッグに入れておくと安心です。

時間や回数の調整を

老犬との散歩は、距離だけでなく時間や回数も調整しましょう。
自力で歩けても、体力的な問題もあり途中で疲れて足を止めてしまうことも考えられます。そのため、若い頃と比べて距離は短めに、途中で引き返すことも考えて往復の距離を見直しましょう。

成犬は1日に30分程度の運動を必要としますが、老犬の場合では30分以下を目安に、個々の体力に合わせて時間を調整してください。また、距離を短くした分、回数は1回程度多めに、こちらもワンちゃんの体力や運動量に合わせて決めるといいでしょう。

寝たきりや途中で立ち止まる場合はどうする?

高齢になれば足腰の衰えから、寝たきりになることがあります。寝たきりになれば当然歩くことはできなくなりますが、それでも散歩は必要です。
では、寝たきりの老犬はどのように散歩すればよいのでしょうか?

寝たきり・自分では歩けない場合

年老いると筋力が落ち、ほとんど歩けなくなることも珍しくありません。中には、自力での歩行ができなくなり寝たきりになってしまうこともあります。それでも、ハーネスで補助したりカートに乗せたりするなど、できる限りサポートをして散歩に連れて行ってあげましょう。

ワンちゃんにとって散歩は、ただの運動でも外出でもありません。安易に散歩をやめてしまうと、筋力の低下が加速してしまいます。
かといって、無理は禁物なので、愛犬の体調と相談しながらできる範囲で散歩に連れて行ってあげましょう

散歩中に帰ろうとする、立ち止まる場合

老犬になれば、筋力や体力の低下が原因で、若い頃と同じ散歩コースでも息切れや疲れで思うように歩くのは難しくなります。そのため、散歩の距離を短くしたり、散歩コースそのものを変えたりするなど、一度見直してみるといいでしょう。

歩くことをあまりに嫌がるようなら、散歩の行き道は抱っこしてあげたり、カートに乗せて、帰り道は自分で歩かせるほか、疲れたらいつでも帰れるように、散歩コースを家の周りに留めるのもいいかもしれません。

歩みが遅くなった場合

歩きはするものの、足を引きずったり足の裏を気にするような仕種をしたりするようなら、ケガや病気が原因かもしれません。
足を曲げたり伸ばしたりして、傷や腫れがないか確認してみましょう。また、足裏や肉球の間も確認して、触れられることを嫌がるようならケガや病気の可能性あります。

特に「呼吸が乱れている」「咳を頻繁に繰り返す」ような場合、心臓病の疑いがあるので、すぐに動物病院に連れて行きましょう。

夏と冬の散歩には注意

人間と比べ、体温調整機能が低いワンちゃんは、気温の差に気を付ける必要があります。
高齢になれば体温調整機能はさらに衰えるので、準備は万全にして散歩に出かけましょう。

老犬は体温調節がうまくできない

老犬は若いワンちゃんと比べて体温調整機能が衰えています。そのため夏場の熱中症には特に注意しましょう。散歩中はこまめに水分補給したり、冷却効果のあるペット用バンダナのようなグッズで、体温調整をサポートしてあげてください。

また、老犬との散歩は、基本的に高い時間帯は避けて、少しでも涼しい時間帯に出掛けるようにしましょう。犬種によっては体内に溜まった熱を放散することが苦手なので、より注意が必要です。

上述したように、年老いると体温調整機能が衰えるので、その分飼い主がサポートしてあげる必要があります。下記のページでは、室内外の暑さ対策について詳しく解説しているので、こちらも参考にしてみてくださいね。
犬の暑さ対策は?扇風機やペットボトル、保冷剤の使い方 犬の暑さ対策は?扇風機やペットボトル、保冷剤の使い方
一方、老犬は寒さを感じやすく、冷えることで関節に痛みが出たりお腹が緩くなったり、心臓に影響が現れることがあります。冬場はいきなり外に出さず、部屋から廊下、そこから玄関へというように、少しずつ寒さに慣らしてから外出するようにしましょう。

散歩に出掛ける時間帯は夏場とは逆に、なるべく暖かい日中に行くようにし、洋服を着せるなどの防寒対策を心掛けてください

散歩ができない日はこんなことを

散歩は日課ですが、毎日ともなれば体調や天候などの問題で出掛けられないこともあるでしょう。そんな日は、家の中で散歩の代わりに遊んであげたり、マッサージをしてあげることをおすすめします。

お家の中でできること

散歩できない日は、家の中で散歩代わりの運動をさせるといいでしょう。柔らかい布団の上を歩かせたりして、足に負担をかけないような運動がおすすめです。

また、おやつなどのご褒美を利用して後ろ向きに歩く練習をさせるのもいいでしょう。
老犬の運動能力を考えて過度な運動は避けつつ、無理のないようゆっくりと、褒めながら行ってください。

マッサージやブラッシングも効果的

年を重ねると筋肉や関節が固まってしまいます。そこで飼い主さんの手で、愛犬のマッサージをしてあげましょう。力を入れると痛がらせてしまうので、背中やお腹、脚などを軽く撫でるようにマッサージしてあげてください。

また、ブラッシングは被毛のお手入れだけでなくブラシの種類によってはマッサージ効果が期待できるので、定期的なブラッシングも有効です。

まとめ

ワンちゃんにとって散歩が大切なのは周知の事実です。それは年齢を重ね老犬になっても同様で、心身の健康を保つためにも、今回の記事を参考に衰えた体力や筋力に合わせて時間や距離を調整して継続しましょう。

老犬の介護については、下記のページでも解説しています。こちらも参考にしてみてください。
老犬の食事やトイレの介護はどうする?環境や必要なものを解説 老犬の食事やトイレの介護はどうする?環境や必要なものを解説

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