「パグ」と「ブルドッグ」は、間違われやすい犬種です。
どちらも、マスティフ系の犬種を祖先に持つワンちゃんで、顔のシワとペチャンコな鼻が似ていることもあり、混同されることもしばしば。確かに見た目の特徴には共通点がある犬種ですが、では具体的にどんな点に違いがあり、どうやって見分ければ良いのでしょうか?
今回は、パグとブルドッグなどのよく似た犬種の違いを解説していきます。
目次
ざっくりまとめ!パグとブルドッグの明らかな違い
ぱっと見で分かるパグとブルドッグの大きな違いは以下です。
ブルドッグは25kq前後の中~大型犬
ブルドッグは全体的に皮が垂れ下がり、まぶたも垂れて目を少し覆っている
ブルドッグは種類が豊富でさまざまなバリエーションが見られる
パグとブルドッグの違い①「体の特徴」
飼い主からすれば、間違われたら「違います」と言いたいところでしょうが、犬種に詳しくない人からすればどこが違うのか分かりません。
では、どこに注目すればパグなのかブルドッグなのか、見分けられるのでしょうか?
一見そっくり?顔の違い
※1枚目:パグ、2枚目:ブルドッグ
パグは、全体にシワが寄ったくしゃっとした顔立ちと、少し飛び出たような大きく真ん丸な目が特徴。額には縦にシワが寄っているので、どこか困ったような表情に見えます。
一方、ブルドッグは全体的に皮が垂れ下がっているのが特徴で、まぶたの皮膚も垂れているためパグよりも目が小さく見えます。
パグとブルドッグは体のサイズが違う
そもそも、小型犬のパグと中型犬のブルドッグとでは体の大きさが違い、ブルドッグの方がパグよりも明らかに大きいです。
パグとブルドッグ、それぞれの平均的な体高・体重を見てみましょう。
体高 | 体重 | |
---|---|---|
パグ | 25cm前後 | 6~8kg |
ブルドッグ | 40cm前後 | 23~26kg |
パグと比べてブルドッグは毛色の種類が豊富
パグとブルドッグでは、実は毛色の種類も違います。
パグの毛色は、「アプリコット」「シルバー」「ブラック」「フォーン」の4色。このうち、日本国内でよく見かけるのはフォーンのパグです。鼻の周りや耳が黒くなっており、多くの方がイメージするパグはこの毛色でしょう。
ブルドッグは被毛の種類が豊富で、主流はブラック、クリーム、フォーンなどの単色です。その他、スマット、ブリンドル、パイドなど様々なバリエーションが存在します。
パグとブルドッグの違い②「性格」
外見の特徴が似ているパグとブルドッグですが、性格はどうなのでしょうか?
可愛らしいパグに対し、ブルドッグは一見すると強面で怖そうに感じてしまう人も多いかもしれません。
どちらも温厚!頑固なところは良く似ている
ユーモラスな見た目のイメージ通り、誰に対してもフレンドリーで明るいパグに対して、ブルドッグは見た目こそ怖そうですが、おっとりとした優しい性格です。
どちらも気が優しく温厚な性格なので、初めて飼うワンちゃんに向いているといえるでしょう。
ただし、どちらも共通して頑固な一面があるので注意が必要です。
例えば散歩中、急に動かなくなったり、行きたい方向に向かって歩き出すことがあります。しかし、こうしたある種わがままで頑固な性格も、しつけ次第では落ち着いて素直に従ってくれるようになります。
パグとブルドッグの違い③「祖先と原産国」
似ている点が多いパグとブルドッグですが、では血統はどうなのでしょうか?
同じ「犬」であっても、見た目や特徴は全然違う種類がほとんどです。それなのに似ているということは、「祖先や生まれた地域が同じ、もしくは近いのでは?」と考えてしまいます。
ここでは、パグとブルドッグ、双方の犬種としての歩みを見ていきましょう。
それぞれの原産国と歴史
<パグ>
パグは、紀元前2000年頃にはアジアで存在したといわれている、中国を原産国とする最も古い犬種の1つです。元々は現在ほど小柄な犬種ではなく、チベタン・スパニエルやペキニーズとの交配を重ねることで小型化されたといわれています。
1500年代に入りヨーロッパに渡ると、王侯貴族の寵愛を受け王室のシンボルになるほどの人気を博しました。
19世紀にはアメリカへと伝わり、1885年にアメリカンケネルクラブの公認に。そして20世紀、戦中から戦後の1900年代前半になり、パグは愛玩犬として日本へとやってきました。
<ブルドッグ>
ブルドッグはイギリス原産の犬種で、1630年代に独立した犬種として分類されました。
ブルドッグの起源は、「ブルベイティング(牛に噛みつく)」という競技のために、マスティフ系の犬種を改良したのが始まりとされています。
こうした背景からも分かるように、何よりも強さを求めて改良が加えられたことで、現在のような姿になりました。当時のブルドッグは、現在よりも体重が重く60㎏近くもあり、性格も獰猛かつ攻撃的だったといわれています。
しかし、この「ブルベイティング」という競技は、動物愛護の観点から1835年に禁止されることとなり、存在理由を失ったブルドッグは一時絶滅の危機に瀕してしまいます。
その後、絶滅を危ぶんだ一部の愛好家たちが、犬種存続のため時代に合った愛玩犬へとブルドッグを改良していきました。こうして、現在良く知られるブルドッグの姿になりました。
パグとブルドッグの価格相場は?
小型犬のパグと中型犬のブルドッグ、似てはいるものの体の大きさが違うこの2つの犬種ですが、販売価格に違いはあるのでしょうか?
ここでは、ブリーダーナビに掲載されているパグとブルドッグの販売価格の平均値を紹介します。
2犬種の平均販売価格
ワンちゃんの販売価格は、犬種団体が各犬種に定めている「スタンダード(標準)」に基づいて判断されます。スタンダードに近ければそれだけ価格は高くなり、ここに供給と需要、健康状態、血統などを考慮して価格が決められるのです。
2022年2月2日 時点でのブリーダーナビ上の平均価格は、パグは約 42万0,635 円。ブルドッグは約 54万1,018 円でした。
そっくり?パグとフレンチブルドッグ、ボストンテリア
パグと似ている犬種として良く引き合いに出されるブルドッグですが、実はブルドッグ以上に似ている犬種が存在するのをご存知でしょうか?
それが、「フレンチブルドッグ」と「ボストンテリア」です。
では、「パグ」「フレンチブルドッグ」「ボストンテリア」は、どれだけ似ていてどこに違いがあるのでしょうか。見ていきましょう。
見分けるポイントは「耳」
※1枚目:パグ、2枚目:フレンチブルドッグ、3枚目:ボストンテリア
パグ | フレンチブルドッグ | ボストンテリア | |
---|---|---|---|
体型 | 体高のわりにギュッと詰まっていて、シワが多い | 手足、胴体が短い 胸板が厚く脚の幅が広い | 筋肉質でスリム 足が長く顔も小さい |
耳 | 前に垂れた耳 短く巻いた耳 | 先端が丸い大きな耳 成長に伴い垂れ耳から立ち耳に変化 | 先が尖った三角形の大きな立ち耳 |
尻尾 | 丸まっている | とても短い | パグより短くフレブルより長い |
原産国 | 中国 | フランス | アメリカ |
photo(1枚目) by Katrinbechtel
photo(2枚目) by ivanovgood
photo(3枚目) by skeeze
まとめ
短頭種でシワの多い犬種は、良くパグに間違われてしまいます。顔だけ見ていると特徴が似ているので無理はないかもしれません。
しかし、それぞれの特徴を理解すれば見分けられるようになるでしょう。
パグの性格や飼い方など、基本的な情報については下記ページでご覧いただけます。まずはパグがどんなワンちゃんなのか理解すると、分かりやすいのではないでしょうか。
パグの性格は?飼いにくい?
パグを飼うことを検討中であれば、ブリーダーからお迎えするという選択をおすすめしています。
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著者/ブリーダーナビ編集部