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チワワは、1日に必要な運動量が少ない犬種です。そのため、「チワワに散歩はいらない」といわれることもあります。しかし、それは本当なのでしょうか?
ここでは、チワワの散歩について、そうした疑問に答えるとともに、しつけなどの疑問について解説していきます。
目次
チワワに必要な運動量は?
超小型犬であるチワワに必要な1日の運動量は、部屋の中で遊べばこなせる程度と多くありません。室内を自由に動き回れるようなご家庭であれば、毎日の散歩は必要ないでしょう。
そのため、天候や気温などの問題で散歩に出かけられなくても運動不足の心配はなく、散歩の時間を確保できない人でも飼いやすい犬種といえます。
また、チワワの子犬の場合、運動のし過ぎは逆効果になりかねないので注意しましょう。
疲労から体調を崩すこともあり、骨が細くてケガをしやすいため、過度な運動は避けるようにしてください。
運動量が少なくても散歩が必要な理由
上述したように、チワワの散歩は毎日でなくても問題ありません。しかし、運動以外にも気分転換やストレス解消、社会性の学習など多くのメリットがあるため、可能であれば散歩には付き合ってあげましょう。
また、室内だけではストレスが溜まってしまうこともあります。散歩はチワワの好奇心を満たし、気分転換にもなるので、心を健康に保つためにも散歩は必要といえます。
チワワの散歩の時間や頻度はどのくらい?
距離 | 子犬:約1km 成犬:約2km |
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時間 | 10~20分/回 |
回数 | 1~2回 |
表の数字は、特別運動を意識しなくても部屋の中で遊んでいればこなせる運動量です。ただし、これはあくまで平均的な数字なので、愛犬の性別や年齢などの条件を考慮して運動量を調整してあげましょう。
もともと運動不足にはなりにくい犬種なので、週に1回程度の休息日を作ってもいいかもしれませんね。
チワワの散歩はいつからOK?必要なグッズは?
チワワの子犬を迎えても、すぐに散歩できるわけではありません。散歩デビューできる時期は、ワクチンプログラムを終えて2~3週間後。そのうえで、獣医さんから許可が下りれば可能になります。
ただし、生後4ヶ月をすぎてからのお散歩デビューは「恐怖期」と呼ばれ、社会化が難しくなってしまいます。そのため、愛犬を無理なく社会化させるためにも、お散歩のデビューは生後3ヶ月までにすませておくのが理想です。
ワクチンの問題でその期間中のお散歩デビューが難しいという場合は、「抱っこ散歩」で少し家の前に出るだけでも大丈夫なので、外の感覚を体験させてあげてくださいね。
ただし、抱っこ散歩も100%安全というわけではないので、獣医さんに相談して許可を得たうえで始めるようにしましょう。
散歩に必要なグッズ
また、お水は散歩中のおしっこを流すためにも使えるので、多少多めに持っておくと安心です。
散歩の注意点は?
チワワのような超小型犬であっても、基本的な散歩のやり方は他の犬種と一緒です。基本的な注意点も同様なので、そこにチワワが気を付けるべきことをプラスで意識しましょう。
特に、暑さや寒さへの対策はしっかりしておきたいポイントです。
体の小ささと目の大きさには注意
超小型犬のチワワは骨や関節が弱いため、過度な運動は禁物です。飼い主が想像する以上に小さいため、散歩中に細い隙間や側溝にハマってしまい、抜け出せなくなってしまうことも。ちょっとでも危険を感じたら、近寄らないようにするか抱っこして通過するようにしましょう。
また、チワワの特徴である大きな目は、ケガをしやすいので注意が必要です。
道端の草や木の枝でも目を傷つけてしまう恐れがあります。できるだけ安全な道を散歩しましょう。
夏の散歩で注意すべきこと
チワワの原産国はメキシコなので、暑さに強いと思われがちですが、湿度が高い日本の夏とは暑さの質が違います。そのため、夏には熱中症をはじめとした暑さへの対策をしなければなりません。
最も気を付けるべきは、散歩に連れて行く時間帯です。人間と比べ、地面に近い高さを歩くワンちゃんは、アスファルトなどの熱された道の影響をもろに受けてしまいます。
そのため散歩へ出るなら、陽が落ちた時間、もしくは陽が昇り切らない時間にするといいでしょう。
また、脱水症状の予防のために、必ず水を持ち歩き小まめな水分補給を心掛けてください。
・できれば早朝が◎ 日中は避ける
・水分補給は小まめに
冬の散歩で注意すべきこと
チワワは、寒い日に散歩に連れて行こうとすると嫌がるくらい寒さに弱い犬種です。チワワが震える姿を見たことがある方も少なくないでしょう。そのため、冬場の散歩には服を着せてあげるなどの防寒対策が欠かせません。
特に屋内と外との温度差には注意が必要で、場合によっては外気の冷たさで気管支を痛めてしまうため、廊下や玄関で寒さに慣れてから散歩に出かけましょう。
また、帰宅後のケアも重要です。
雨や雪で体が濡れてしまったら、乾いたタオルで拭いてあげてから、ドライヤーでしっかりと乾燥させてください。その後、皮膚の乾燥を防ぐため、人間と同じように保湿をしてあげましょう。特に、鼻や肉球は乾燥するとひび割れてしまうので、保湿成分が含まれたワンちゃん用のジェルやクリームで保護してあげてください。
・温度差に注意、寒さに慣れさせてから徐々にウォーミングアップ
・散歩から帰ってきたらしっかりケア
散歩を嫌がる、吠える場合の対策
人間に個人差があるように、ワンちゃんにもそれぞれ個体差があります。
中には散歩嫌いで、出かけることを嫌がったり、散歩中に突然怖がって動かなくなってしまう子もいます。
理由は一概には言えませんが、もしも愛犬が散歩を嫌がる場合、どうすればいいのでしょうか?
散歩を好きになってもらうために
例えば、人混みが苦手なら人が少ない河川敷など、生活音や他のワンちゃんが少ない場所を歩くといいでしょう。
外の世界が苦手なら、自宅近くを短い時間歩くことからはじめて少しずつ遠くに、時間を長くしていくようにしてください。
散歩と「嬉しいこと」「楽しいこと」を結び付けて、少しずつ好きになってもらいましょう。
そのため、できるだけ早くに散歩デビューさせることが散歩好きになってもらう一番の近道。ですが、一度散歩嫌いになってしまっても、しつけ次第では散歩を大好きになってくれる可能性は大いにあります。
人やワンちゃんに吠えてしまう時は?
チワワは臆病な性格なので、知らない人やワンちゃんに警戒して、すれ違い様に吠えることがあります。噛みつくなどの、直接的な行動に出ることはないものの、すれ違うことで「吠えたらいなくなった」と学習してしまい、吠え癖がついてしまいます。
こうした問題行動がクセになってしまわないように、吠えそうな気配を察したら、抱っこしてその場から離れるか、視界を遮って見せないようにしましょう。その他、注意を逸らすために指示を出したりおやつを与えたりするのも有効です。
吠え癖のほか、チワワのしつけについてもっと詳しく知りたいという方は、下記のページも参考にしてみてください。
チワワのしつけは難しい?吠え癖・噛み癖のしつけ方や怒り方は?
リードを引っぱるクセは直る?
ワンちゃんの中には、リードを引っ張るクセを持つ子がいます。
引っ張る理由はさまざまですが、散歩がスムーズにいかなかったり愛犬の体に負担をかけたり、通行者の邪魔になったりと、何かとトラブルに発展しかねない問題行動といえるでしょう。
そのため、愛犬にリードを引っ張るクセがあるのなら、できるだけ早めにしつけることをおすすめします。
しつけのポイントは、「リードを引っ張ったら立ち止まること」です。
まず、リードの先の輪を手首に通して、長さに余裕を持たせて短めに持ちます。引っ張ったり離れすぎたりしてリードがピンと張ったら立ち止まり、引っ張ると前に進めないことを教えましょう。
こちらに意識を向け、リードがゆるんだ時点で褒めてあげて再び歩き出します。
「引いたら立ち止まる、緩んだら歩き出す」を繰り返しましょう。しつけの間は視線を合わせないようにします。
ワンちゃんの集中力が続く範囲で無理せず、焦らず根気よく続けることが大切です。
また、引っ張り癖を直すために、リーダーウォークを教えるのも高い効果が期待できます。
次の項目ではリーダーウォークのしつけ方について解説しているので、ぜひご覧ください。
愛犬を守ることにもなる散歩のしつけ
散歩は公共の場を歩くことになるので、当然周囲への配慮は欠かせません。しつけと聞くと、愛犬が周囲に迷惑をかけないためのものと考える方もいらっしゃると思いますが、何よりも愛犬を守るために必要になります。
散歩のしつけ「リーダーウォーク」
まずは、飼い主のリードの持ち方から覚えましょう。慣れていないと愛犬が好き勝手に動かないように力を込めて強く持ちがちですが、互いの負担を抑えてトラブルにも対処しやすいように、リードは少し緩めに持ってください。
①ワンちゃんがリードを引っ張り、先に行こうとする時は必ず立ち止まる
②リードを緩める
③愛犬を褒めてあげる
④飼い主が先に道を歩く
また、お座りや待て、来いなど、他のしつけも覚えさせることで、スムーズにお散歩できるようになります。
まとめ
チワワは必要な運動量は少ない部類に入ります。
ですが、運動量の問題以外にも散歩はワンちゃんにとって多くのメリットがあるので、今回の内容を参考に、チワワとの散歩を楽しんでください。
下記のページでは、チワワの飼い方やしつけ方を解説しています。初心者の方にも分かりやすい内容となっているので、これからチワワの子犬を迎えるという方は、ぜひご覧ください。
また、チワワの性格については下記のページで詳しく紹介しています。チワワを迎えたいと考えている方は、こちらも参考にしてみてくださいね。
著者/ブリーダーナビ編集部