ポメラニアンの特徴であるフワフワの被毛をキレイに保ち、皮膚の健康を維持するためには定期的にお風呂に入れ、シャンプーをしてあげる必要があります。しかし、人間と違い毎日シャンプーするのは逆効果になり、健康を害することになりかねないので注意しましょう。
ポメラニアンをお風呂に!頻度や入れ方は?注意点
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人間と比べ、ワンちゃんは皮膚が薄く弱いので、あまり頻繁にシャンプーしてしまのはよくありません。では、ポメラニアンを迎えたら、いつから、どんな方法でお風呂に入れてあげればいいのでしょうか?
お風呂を入れるのはいつから?
お風呂は子犬のうちから入れてあげても問題ありません。子犬のうちからお風呂に入れてあげて、濡れることを怖がらないように慣らしていくといいでしょう。
子犬は免疫力が弱いので、お風呂に入れ皮膚を清潔に保ってあげれば、皮膚病や感染症への対策としても期待できます。ただし、ワクチン接種後やケガや病気の治療後などは、獣医さんの指示に従いましょう。
どのくらい頻度で入れればいいの?
お風呂は、湯舟に浸かるだけなら毎日入れても問題ありません。ただし、ワンちゃんの皮膚の厚さは、人間の20~30%ほどしかなくデリケートなので、毎日シャンプーするのは控えましょう。過度なシャンプーは、被毛にある脂分をすべて洗い落としてしまい、皮膚病などの原因になりかねません。
また、ポメラニアンは水を嫌がる子が多いので、嫌がるようなら無理に入れたりせずにお湯で濡らしたタオルで体を拭いてあげるといいでしょう。それだけでも、表面の汚れを十分落すことができます。
お風呂の準備
ワンちゃんをお風呂に入れる準備として、入浴や洗うための準備だけでなく、乾燥のための準備もしておきましょう。入浴後は素早く被毛を乾かしたいので、事前に準備しておけば安心です。
<用意するもの>
・バスタブ(ワンちゃんのサイズに合わせたもの)
・温水の出るシャワー(37~38℃が適温)
・スリッカー
・犬用シャンプー
・乾燥用タオル(大・小 各2枚ほど)
・ドライヤー
・ティッシュペーパー
お風呂の入れ方
実際にワンちゃんを湯舟に入れる時もいくつか注意が必要です。
ワンちゃんが一度に許容できる刺激には限度があり、それを超えた刺激を一度に感じると警戒態勢に入ります。
そのため、落ち着いて入浴させるために、はじめはシャワーを使わずお湯に浸けるだけにしてあげてください。シャンプーを使わない時は、お湯を手ですくって全身にかけ、特に敏感な顔周辺は濡らしたガーゼで拭いてあげるだけでもいいでしょう。
湯舟に浸ける時間は10分前後で、長湯はしないよう気を付けてください。
お風呂に入れる際の注意点
・お湯の温度
ワンちゃんをお風呂にれる際注意したいのが、「お湯の温度」です。
ワンちゃんの皮膚は人間よりも大分薄いため、人間にとってちょうど良い温度でも、ワンちゃんにとっては熱湯になってしまいます。
具体的には、子犬なら35℃、成犬は30℃くらいの、人間にとってのぬるま湯くらいがおすすめです。中には、25℃が適温というトリマーさんもいるので、愛犬にとって最適な温度を見つけてあげましょう。
・耳に入った水
ワンちゃんの耳に水が入ると、外耳炎や中耳炎など、耳の病気に繋がります。通常であれば、ワンちゃんは頭を振ることで耳に入った水を出すので心配はいりません。しかし、予防のため、お湯をかける際は耳栓で水が入らないようにするほか、入浴後は指にティッシュを巻いたり、コットンやタオルを使って丁寧に水分をとってあげるといいでしょう。
・滑り止め
人間がお風呂場で転ぶことがあるように、濡れた床ではワンちゃんも滑りやすくなります。
小型犬であるポメラニアンには関節への負担が大きいので、タオルや滑り止めのマットなどを敷くといいでしょう。
・体調
人間同様、ワンちゃんも疲れている時や体調が良くない時は入浴は避けましょう。お風呂の湿度や温度の高さは、心臓や呼吸器官に問題があるワンちゃんには大きな負担になります。
シャンプーはいつから?頻度・やり方・サロンでの料金も
子犬は、産まれたばかりの頃は免疫力が低く、体温調節などの機能も未発達です。愛犬の健康のためにも、正しい情報を知ったうえで行いましょう。
初めてのシャンプーはワクチン接種が終わってから
子犬をお風呂に入れるのは、生後2ヶ月頃に受けるワクチン接種を終えて、2週間が経過してからにしましょう。
ワクチンを終える前に、体が汚れるなどの理由でお風呂に入れたいのなら、ウェットティッシュやタオルを濡らしてふき取ってあげてください。排泄物がついたりしたら、お尻など汚れた部分だけ洗ってあげるといいでしょう。
シャンプーの目安は月に1回
シャンプーは、夏場には月2回、それ以外の季節であればで月1回程度で十分です。
ダブルコート(二重構造)の被毛を持つポメラニアンは、抜け毛が多く毛量が多いので、その分シャンプーも必要に思われますが、毎日のお手入れはブラッシングで十分。
頻繁にシャンプーを行うと皮膚炎を始めとした皮膚疾患の原因になります。
高齢犬の場合は体力的にシャンプーは負担になるので、体を拭いてあげる方がおすすめです。
揃えておきたいグッズと事前の準備
シャンプーを始める前に、まず準備として全身をブラッシングして毛の絡まりやゴミを取り除いてください。これにより、泡立ちが良くなり、絡まった毛を引っ張ることによる痛みを与えずにすみます。
慣れていない子犬にとってシャンプーは負担になるので、無理に行わずに濡れタオルなどで拭いてあげるだけでもいいでしょう。
どうしても汚れやにおいが気になるようなら、素早く終えられるよう、シャンプーやタオルなどの道具は手に届く範囲に置いてください。
また、水を嫌がるワンちゃんには、脱脂綿などで耳栓してあげるのもいいでしょう。
<シャンプーに必要なグッズ>
・犬用シャンプーと犬用リンス
・タオル(2~3枚)
・ドライヤー
・ブラシやコーム
シャンプーの手順
①全身を濡らしていく
シャンプー液を付ける前に、まずは全身を濡らしていきます。
お湯をかける勢いが強すぎるとワンちゃんを驚かせることになるので、シャワーの場合できるだけ近づけて動かすと安心です。背中からおしりの胴体から濡らしていき、足、頭、顔の順番に濡らしていきましょう。
②シャンプー
体全体をしっかりと濡らし終わったら、シャンプー液を泡立てながら全身に馴染ませていきます。四肢から洗い始めて、お尻や内股、胸、背中と続け、最後に顔と頭を洗ってください。
顔付近を触られるのを嫌がる子は多いので、最後に洗うといいでしょう。
洗う際は力をいれず、爪を立てないように注意しながら優しく撫でるように洗ってください。地肌までマッサージするようにしっかりと洗ってあげましょう。
③すすぎ
洗い終えたら、被毛や皮膚にシャンプー液が残らないように、しっかりとすすぎましょう。
洗う時とは逆に、すすぎは敏感な顔周りから行い体の高いところから低いところへ。具体的には「頭→顔→背中→胸→前肢→おなか→お尻→後肢」という順番で洗い落としていきます。
シャンプー液が残ったままだと、汚れを落すどころか皮膚炎の原因になってしまうので、指の隙間まで念入りに洗い流してください。
気を付けたい乾かし方
シャンプーを終え全身を丁寧にすすいだら、最後に濡れた被毛を乾かしていきます。
まずは背中からお腹にかけて撫でるように、また、足やしっぽ、耳は優しく握り絞るように水気を切ってください。その後、吸水性の高いタオルで全身を拭いていきましょう。
タオルで十分に水気を落せれば、ドライヤーで乾かす時間を短縮することができ、温風による皮膚への負担を軽くできます。
耳の穴や裏、指の間や脇の下といった、水分が残りやすい箇所は重点的に乾かしてください。耳の穴に乾かし残しがあると外耳炎などの耳の病気になる可能性があるので、指にティッシュや脱脂綿を巻いて、入念に拭き取ってあげましょう。垂れ耳のワンちゃんは通気性が悪く乾きにくいので、特に注意が必要です。
<ドライヤーのかけかた>
生乾きのまま長時間放置していると、細菌が繁殖して皮膚病のリスクにもなります。そのため、シャンプー後、ワンちゃんの濡れた被毛を可能な限り素早く乾かすために、ドライヤーを使う必要があります。
ただし、ドライヤーの熱風は人間と比べ皮膚が薄いワンちゃんにとっては大きな負担になります。ドライヤーを弱に設定して、手やスリッカーで毛をかき分け、根元から乾かしていきましょう。
ドライヤーの風は背中からお尻、お腹、脚、顔、尻尾の順に、あまり近付けすぎないよう30cm程度離して、一直線に当ててください。
ポメラニアンにおすすめのシャンプー
人間用のシャンプーでは皮脂が落ちすぎて毛並みが傷んだり科学香料の刺激が強すぎたりと、皮膚トラブルの原因になってしまいます。そのため、必ず犬用のシャンプーを選びましょう。
ポメラニアンの特徴的な被毛を美しく保つためには、自然由来の成分で作られたシャンプーがおすすめです。逆に界面活性剤が配合されている物は避けた方がいいでしょう。
自宅で難しければ無理せずプロに!気になる料金は?
シャンプーが苦手なワンちゃんも多いため、一度無理強いすると、それ以降シャンプーしようとすると、逃げたり嫌がったりするようになってしまいます。
また、肛門嚢に溜まった分泌液を取り除く肛門腺絞りも、シャンプーのタイミングでやっておきたいお手入れですが、慣れていないと肛門周りを傷つけてしまいかねません。
ワンちゃんは、一度苦手意識を持つとそれ以降はそのお手入れに抵抗を示すようになり、大人しくさせてくれないようになります。もしも自信がないのなら、獣医さんやトリマーさんなどのプロにお願いしましょう。
一般的に、シャンプーの料金は肛門腺絞り込みで4,000~5,000円程度の場合が多いようです。
まとめ
ポメラニアン最大の特徴である被毛を健康に美しく保つためには、定期的なシャンプーは欠かせません。今回の記事を参考に、シャンプーを含めたお風呂の入れ方を知り、愛犬をお手入れしてあげてください。
下記ページでは、ポメラニアンのお手入れ以外にも、飼い方について詳しく解説しています。気になる方は参考にしてみてください。
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著者/ブリーダーナビ編集部