ワンちゃんを飼うにあたって、飼い主の楽しみの1つであり、欠かせない日課でもあるのが散歩です。しかし初心者の飼い主さんの場合、散歩時間や持ち物、マナーなど分からないことも多いでしょう。
ここでは、愛犬の散歩について知っておきたいことを詳しく解説します。
散歩時間はどのくらい?
愛犬に必要な散歩時間や距離は、サイズや年齢によって異なります。
体の大きいワンちゃんや若いワンちゃん、運動が好きな犬種ほど長い時間・距離が必要になり、より多くの運動量を確保しなくてはなりません。
また、子犬に成犬と同じだけの散歩をさせると、逆に健康を害してしまうことも。
散歩デビューしたばかりの子犬なら、まずは5〜10分程度から始めていくと良いでしょう。
散歩時間・回数 | 代表的な犬種 | |
---|---|---|
小型犬 | 1回20~30分程度を日に1、2回 | トイプードル、ミニチュアダックスフンド、ビションフリーゼ、パグ など |
中型犬 | 1回30分~を日に2回 | 柴犬、コーギー、ビーグル、ボーダーコリー など |
大型犬 | 1回60分程度を日2回 | シベリアンハスキー、ラブラドールレトリバー、ダルメシアン、秋田犬 など |
骨格が小さく筋肉量が少ない小型犬は、それほどの運動量を必要としません。チワワなどの超小型犬の場合、長時間の運動は健康促進どころか、逆に体に負担をかけてしまうこともあるので気を付けましょう。
中型犬は小型犬よりも多くの運動量を必要としますが、特に運動好きな犬種の場合、散歩だけでは満足しないこともあります。そんな時は、週に1回程度ドッグランで思い切り走らせてあげてください。
大型犬の場合、長い距離を歩くことを意識しつつ、途中公園などで軽く走らせることをおすすめします。ただし、成長前の大型犬に過度な運動をさせると、何かしらの障害が現れる危険があるので、成犬になるまでは注意が必要です。
毎日の散歩コース同じ方がいい?変えた方がいい?
散歩は「量」だけでなく「質」にも気を遣いたいところです。
1日2回の散歩を毎日欠かさずしていれば仕方ないことですが、毎日の散歩はワンパターンになりがち。せっかくの楽しい散歩も、毎回同じルートでは飼い主もワンちゃんも次第に飽きてしまいます。
愛犬とのお散歩を楽しく満足度を上げるためにも、散歩コースを何通りか用意して、日によって使い分けるといいでしょう。
例えば、人の多い大通りを歩いたり、自然の多い公園を選んだり。同じコースであっても、逆回りするなど、ちょっとした工夫をするだけでも気分が違ってきます。
お散歩に必要な持ち物
ワンちゃんとの散歩で使用する「お散歩グッズ」。なくても問題ないものもありますが、あるとないとでは散歩の時間が大違いです。毎日のことなので、少しでも快適に楽しくお散歩したいですよね。
ここでは、お散歩グッズを各種ご紹介します。
これだけは欠かせない必需品
ワンちゃんと散歩に出掛けるためには、最低限の準備が必要です。ここでは、散歩のために最低限揃えておきたい、必需品をご紹介します。
リード
散歩をする上で絶対に外せない、ワンちゃんと飼い主をつなぐリードですが、愛犬の体格や犬種によって最適なリードは異なります。例えば大型犬であれば、ワンちゃんの力に負けない太く丈夫なリードが適しますが、小型犬ならデザイン重視で選んでも問題ないでしょう。
首輪/ハーネス
首輪は文字通り首に着用する輪っかで、ハーネスはデザインによってたすきや前掛けのように胴体に装着する、リードをつなぐグッズです。
素材や太さ、厚さも多種多様ですが、形や色・柄といったデザインも実に多彩で、選び甲斐のあるグッズと言えます。
うんち袋とマナーポーチ
散歩時に外でしたうんちの処理は、最低限のマナーです。手が汚れず臭いを防ぐことができるものを選ぶとよいでしょう。消耗品なので、値段的にも使い続けられる物がおすすめです。
また、処理したうんちを入れるマナーポーチも用意しましょう。
飲み水ボトル(おしっこの処理も兼ねる)
愛犬のおしっこ跡の処理も兼ねて、飲み水も忘れてはいけません。特に夏場の暑い日などはあると安心です。
首輪とハーネスどちらにすべき?
首輪とハーネスは、どちらもリードをつなぐためのグッズですが、一般的には小型犬ならハーネス、大型犬なら首輪がいいといわれています。
その理由として、小型犬の細い首には首輪は大きな負担になってしまいます。一方、大型犬にハーネスだとリードを引いたときの負荷が弱いため、力の強さに飼い主が負けてしまうかもしれません。
また、呼吸器系の弱い短頭種は、首輪で喉を圧迫して大きく負担をかけることがあるので、避けた方がいいでしょう。
あれば便利な散歩での持ち物
以下で紹介するグッズは、なくても問題ないものの、あれば確実に役に立つという便利グッズです。
散歩用バッグ
お散歩用のグッズをまとめて持ち運ぶためのバッグです。
散歩用のグッズが入ればいいので、そこまで容量の大きなものでなくても問題ありませんが、防水のものや汚れが目立ちにくいものがおすすめです。
ワンちゃんとお散歩する都合上、どうしても手がリードでふさがれることになるので、手に持つタイプよりも肩にかけたり腰に付けられたりするタイプがおすすめです。
おやつ
お散歩時のおやつは、興奮して手が付けられなくなった時などに意識を向かせるために使います。アイコンタクトなどの練習でも役立ちますよ。
ただし、あまり与えすぎるのも良くないので、量には注意しましょう。
おもちゃ
ある程度汚れに強い素材でできた、ボールやビニール製のものがおすすめです。使う場所によっては、砂まみれになったりするので、ビニールなどほかのグッズと別にできる入れ物を用意するといいでしょう。
雨の日の散歩を快適にするグッズ
雨天の散歩に備えて、雨具などのグッズも揃えておくと安心です。
あまり乗り気になれない雨の日の散歩も、グッズを使って楽しく乗り切ってくださいね。
犬用のレインコート
ワンちゃんの被毛が雨に濡れるのを防いでくれるレインコートはあると便利です。ジャケットやポンチョなど、様々なデザインのものがあります。
犬用のブーツ
普段から素足で行動するワンちゃんですが、雨の日は特に汚れが気になります。犬用ブーツを履かせれば、雨の日でも足のフリンジ(飾り毛)を汚さずに散歩することができます。
水に強いリード
雨の日は、リードの素材にも気を付けるといいでしょう。可能であれば、水に濡れても大丈夫な素材や撥水性の高い素材のものを選びましょう。
吸水性の高いタオル
お散歩から帰って来たら濡れた毛を拭いてあげるために、吸水性の高いタオルも用意しておきたいところ。ペット用のタオルのほか、スポーツブランドのタオルもおすすめです。
肉球を守るグッズ
ワンちゃんのチャームポイントの1つでもある肉球は、その独特な触り心地と可愛らしい見た目から好きな人も多いのではないでしょうか?。
肉球は正式名称を「蹠球(しょきゅう)」といい、ワンちゃんにとってとても大切な部位であり傷つくと大変なことになります。
肉球の乾燥を防ぐために、保湿クリームを塗ったり、散歩時に専用の靴を履かせたり、日頃から肉球の健康には気を付けてください。
肉球のケアについては、こちらのページでより詳しく解説しています。
大切な愛犬の肉球にトラブルが起こらないように、記事の内容をよく読んで最適なケアをしてあげてくださいね。
夜のお散歩にはライトなどで存在をアピール
日が落ちて暗くなってからの散歩は、日中と比べて多くの危険が伴います。
一人暮らしや共働きのご家庭であれば、仕事の都合などで日が暮れてから散歩することもあると思うので、ライトなど夜間の散歩用のグッズも揃えておきましょう。
例えば、散歩用のLEDライトやワンちゃんの首輪に付けるタイプのライトがあれば、暗い夜道でも「そこにいる」ことが分かるので、用意しておくことをおすすめします。
愛犬の散歩はいつから?
ワンちゃんが散歩デビューできる時期は、ワクチン接種を終えて2週間後。そのうえで、獣医さんから許可が下りれば可能になります。
子犬へのワクチンの回数は、基本2回、免疫次第で3回。1回目は生後1〜2ヶ月半頃に、2回目はそこからおよそ1ヶ月後に接種することになります。そこから2週間後となると、お散歩デビューは早くても生後3〜4ヶ月頃になるでしょう。
ここから、さらに3回目のワクチン接種が必要になるようなら、さらに1ヶ月ほど遅れることになります。
子犬の散歩に関して詳しくは、こちらのページをご覧ください。
散歩を嫌がる、散歩中に歩かない時の対処法なども解説しています!
また、ワクチン接種については、こちらのページに詳しく掲載しています。
お散歩のマナーについて
知らず知らずのうちに他人に迷惑をかけることのないよう、飼い主が知っておくべきマナーをおさえておきましょう。
必ずリードをつける
公共の場である道路でノーリードは、絶対にNGです。
リードで繋ぐのはかわいそうなことではありません。ワンちゃんを守るためにも必要なことなのです。ノーリードで遊ばせるのは、ドッグランやおうちの庭で行いましょうね。
「自分の愛犬は訓練されてるから大丈夫」と思っても、周りの人はどうでしょうか。繋がれていないワンちゃんがいたら、怖がる人もいるかもしれません。
またどんなに訓練していても、例えば急に鳥が近くで飛び立ち、ワンちゃんが驚いてパニックになってしまうなどは考えられませんか?走って車道側に入ってしまったら危険ですよね。
同じ理由から、長すぎるロングリードもリスクが大きいです。適切な長さのリードを使用するようにしましょう。
歩行者への気配りを忘れずに
散歩中出会う歩行者の中には、犬嫌いの人もいるかもしれません。
すれ違うときにはワンちゃんに道の端を歩かせる、必要に応じてオスワリやマテをさせるなど、迷惑をかけないように気配りしてください。
他の犬への挨拶は慎重に
他のワンちゃんと出会っても、犬同士にも相性があるので無理に挨拶をさせる必要はありません。
挨拶をさせる際には、まずは飼い主に声をかけて許可を取りましょう。それからワンちゃんの様子を見ながら少しずつ近づけて、慎重に接触させるようにしてください。
終わったら「ありがとうございました」などのお礼も忘れずに。
気持ちよく飼い主同士の交流を行ってくださいね。
排泄物の処理を行う
うんちの処理は飼い主の義務です。必ず持ち帰って処理するようにしてください。他の家の敷地内はもちろんですが、歩行者の少ない道端であろうと放置するのはNGですよ。
おしっこは道路の側溝や排水溝周辺でさせ、水で洗い流すのが無難です。
周りの人に不快な思いをさせないように心がけましょう。
散歩のしつけについて
当たり前のことですが、散歩するということは家の外に出て歩くこと。そのため、家のルールとは違う、外の社会でのマナーを守る必要があります。
では、散歩のマナーを守るためには、愛犬にどんなしつけをしておく必要があるのでしょうか?
問題行動を防ぐには?引っ張り・飛びつき・拾い食いの対処法
散歩中の行動で飼い主を悩ませることといえば、「引っ張り」や「飛びつき」、「拾い食い」が多いのではないでしょうか。
引っ張り防止には、飼い主の横を定位置として歩かせる「リーダーウォーク」が効果的です。
飛びつきや拾い食いも、飼い主の許可なしで勝手にやってはいけないということを認識させるのが重要になります。
いずれにしても言ってすぐできることではないので、根気強く訓練をしていく必要があります。
こちらのページでは、周囲への配慮のためにも、愛犬の安全のためにも、やっておきたいしつけについて解説しています。
ワンちゃんにしつけをすることはもちろんですが、飼い主であるあなたもマナーを理解して、迷惑にならないよう気持ちよく散歩を楽しんでください。
夏場や雨の日、時間帯など、散歩の注意点
歩きなれたご近所の散歩であっても、人間視点では気付きにくい危険がいっぱいです。
例えば、夏場の灼けたアスファルトや冬場の身も凍る寒さは、地面に近い高さを歩くワンちゃんへの影響は飼い主の想像以上。
どんなときでもワンちゃんに気を配れるように、注意点を確認しておきましょう。
夏場は時間帯に注意!冬場は防寒を
ワンちゃんは寒さに強く、暑さには弱い傾向があります。特に日本の夏は気温だけでなく湿度も高いので、多くのワンちゃんにとっては過酷な環境といえるでしょう。
そんな夏場の散歩は、日中の暑い時間帯を避け、日が落ちて比較的涼しくなってからが安全です。
夏の散歩の注意点に関しては、こちらのページで詳しく解説しています。合わせて参考にしてみてください。
また暑い国が原産国の犬種は寒さに弱いことが多いので、冬場の防寒対策もしておく必要があります。
服を着せる、ウォーミングアップをしてから散歩に行くなど、寒さ対策についてもチェックしておきましょう。
雨の日でも散歩は休めない?
毎日散歩をしていれば、当然雨の日もあるでしょう。「散歩に行きたいのに、外は土砂降りの雨…」という日もあるかもしれません。
それでも「ワンちゃんの散歩は日課だから…」と多少の無理は押し切って、散歩に出る方もいらっしゃるのではないでしょうか?
確かに、ワンちゃんの運動不足やストレスのことを考えると、可能であれば散歩は毎日行いたいところです。しかし、悪天候だとケガをさせてしまう危険もあり、ストレス発散どころか逆にストレスを与えることにもなりかねません。
考えるべきは「ワンちゃんの都合」です。
ワンちゃんが散歩したがっているのに、飼い主のあなたが「雨だからいいや」と放棄するのはよくありません。
反対に雨の日は散歩を嫌がるワンちゃんもいます。無理やり散歩に連れ出すのもNGですよね。
雨の日は家の中や庭でたくさん遊んだり雨が弱まったタイミングで軽めに行ったりなど、工夫するようにしましょう。
トイレが外派のワンちゃんの場合は、雨の日も少し外に出してトイレをさせるようにしてくださいね。
夜の散歩は特に気を付けて!
一人暮らしや共働きのご家庭の場合、日によっては職場からの帰宅が遅くなることもあるでしょう。そうなると、必然的に愛犬との散歩も、日が落ちて暗くなってから出掛けることになります。
日が落ちて暗くなってからの散歩には、明るい時間帯にはない危険が潜んでいるので、昼の散歩以上に気を付けましょう。
分かりやすいところだと、視界の問題があります。ただ見通しが悪くなるだけでなく、中には見えなくなることで音に敏感になってしまい、歩くことを怖がってしまう子もいるかもしれません。
また、飼い主とワンちゃんでは視点が違うため、気付きにくいことも多いでしょう。
例えば「水たまり」。積雪地で使われる「不凍液」や車のオイルなど、口にすると危険な成分が混じっていることもあります。
そのほか、冬になれば地面が凍結して滑りやすくなるので、ケガをしないよう細心の注意を払って歩くようにしてください。
愛犬との散歩はなぜ必要?
犬を飼えば毎日の散歩は当たり前、と思っている方も多いでしょう。
中には「散歩はしていない」という方もいるかもしれませんが、ワンちゃんを飼っていれば毎日の散歩や散歩に代わる運動は欠かせません。
ワンちゃんが毎日散歩するのはなぜ?
運動のため
ワンちゃんに散歩が必要な理由の1つが、運動です。毎日欠かさず散歩をすることで、肥満防止や運動不足解消、筋力トレーニングの効果が期待できます。
肥満になると、関節炎や靱帯損傷、ヘルニア、心臓病、糖尿病などのリスクを高めることになるので、できるだけ適正な体重・体型の維持を心掛けましょう。
また筋力を上げることは、老化の予防にもつながります。加齢による筋量の減少は運動不足の原因となり、さらなる筋力の低下を招きますが、若い頃から運動を習慣化しておけば、老犬になった時の衰えを緩やかにする効果が期待できるでしょう。
ストレス解消
散歩は、ストレスの発散にも繋がります。
多くのワンちゃんはストレスが溜まると、自分でストレスを紛らわせようと問題行動を起こすほか、ストレス性の病気を発症してしまいます。散歩には、こうしたストレスの蓄積を予防する効果も期待できるのです。
事実、海外の研究によると、毎日散歩しているワンちゃんはストレス行動が少なく、より友好的でリラックスしていることが明らかになっています。
社会化
散歩は、家にこもっていては経験できないさまざまな物事に接することができます。
例えば、家族以外の人やワンちゃんと接触することで、他者とのコミュニケーションを学んだり、外の世界のルールを知ることができるでしょう。
他の動物や車の音、工事の音などさまざまな環境に慣らすこともできます。
まとめ
ワンちゃんの散歩について解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。
飼い主のみなさまが抱える散歩についてのお悩みが、少しでも解消されていたら幸いです。
「散歩に連れていかなくてはいけない…」という義務感ではなく、愛犬とのコミュニケーションを取れる楽しい時間として、毎日のお散歩を楽しんでくださいね!
ワンちゃんを家族にするなら、迎える前も迎えた後も、丁寧にサポートしてくれるブリーダーから迎えることをおすすめします。
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著者/ブリーダーナビ編集部