ワンちゃんへのしつけは、飼い主の義務といっても過言ではありません。周囲に迷惑をかけないためにも、何より愛犬の健康・安全を守るためにも十分なしつけをしてあげる必要があるのです。
本記事では、ラブラドールレトリーバーへのさまざまなしつけについて解説していきます。
目次
ラブラドールレトリーバーのしつけは難しい?コツはある?
ラブラドールレトリーバーのような賢く人間好きな犬種は、比較的しつけがしやすいといえるでしょう。しかし、ワンちゃんへのしつけは、総じて簡単なことではありません。
場合によってはしつけが難しくなることも
ラブラドールレトリバーはとても賢い犬種なので、基本的にしつけに困ることは少ないでしょう。
しかし、正しいしつけ方ができないと飼い主の言うことを聞かない、自分勝手な行動をする子に育ってしまいます。
しつけやすいというのは、「しつけが簡単」ということではありません。
「しつけは難しいこと」「しつけには時間がかかる」という事実を理解して、愛犬と向き合いましょう。
最初は信頼関係を築くことから
群で生活する犬は、群のリーダーに従うという習性があります。そのため、飼い主をリーダーとして認めれば、しつけもしやすくなるでしょう。
しかし、甘やかしすぎてしまうと、自分を群のリーダーと認識してしまい、飼い主に従わなくなってしまいます。そのため、まずは飼い主との関係性を築くことから始めましょう。
ただし、力づくで従わせるような真似をすると、愛犬を萎縮させてしまうことになります。愛犬には「この人に着いていけば安心」と思ってもらえる、信頼関係を築くようにしてください。
ラブラドールレトリーバーをしつけるコツ
しつけをするうえでまず知っておきたいのは、愛犬の性格や好みです。愛犬がどんなタイプなのか理解できれば、しつけもスムーズに進むでしょう。
また、しつけは褒めることを基本に、もし失敗しても叱らないようにしてください。
褒める際、おやつやおもちゃを利用するのも有効です。愛犬がどんなご褒美を喜ぶのか事前に調べておけば、より高い効果が期待できます。
「成功すれば良いことがある」と覚えさせることで、積極的にしつけを覚えてくれるようになるでしょう。
ラブラドールレトリーバーのしつけはいつから?
ラブラドールレトリーバーに限らず、ワンちゃんのしつけは早ければ早いに越したことはありません。では、子犬と成犬とでは、しつけ方に違いはあるのでしょうか。
また、性別によるしつけ方の違いの有無についても紹介します。
子犬と成犬、性別でしつけ方に違いはある?
一般的に、成犬よりも子犬の方がしつけはしやすいといわれています。
その理由として、成犬の場合それまでの経験から恐怖などの感情が邪魔をしてしまうことがあるからです。
また、真っ新な状態で1からしつけを教えられる子犬と違い、成犬の場合は新たなしつけを上書きすることになるので、その分手間がかかってしまうといいます。
性別の違いを見ると、攻撃性や縄張り意識が強いオスの方がメスよりもしつけに時間がかかる傾向にあるといわれています。ただし、去勢をすればそうした気の強さも落ち着くことがあるので、一度獣医師に相談することをおすすめします。
子犬期にやっておきたい社会化トレーニング
社会化トレーニングとは、ワンちゃんが人間社会で問題なく暮らしていくためのしつけです。人間社会には、ワンちゃんの世界にはない刺激が多いので、社会化できないと日常生活に支障を来す恐れがあります。
さまざまな刺激に慣れさせる社会化
子犬の生後3週~12週は社会化期と呼ばれ、ワンちゃんをしつけるうえで最も大切な時期です。この期間にさまざまな経験を積ませることで人間社会に慣れ、物事を無闇に怖がることがなくなります。日常の「音」「物」「人」「環境」などを経験させることが社会化です。
社会化期をすぎると好奇心よりも恐怖心が強くなってしまうので、この時期に十分な社会化ができないと散歩の時などに困ることも。
また環境だけでなく、体に触られることにも慣れさせておけば、動物病院やトリミングサロンでお世話になる際負担が少なくなります。
社会化期が終わっても社会化は続くので、12週齢を過ぎても継続的に行っていきましょう。
ラブラドールレトリーバーのトイレのしつけ
トイレトレーニングは、ワンちゃんを家族に迎えてまず最初にやっておきたいしつけです。
人間と同様、ワンちゃんも排泄しない日はないので、できるだけ早くトイレを覚えさせてあげましょう。
トイレトレーニングのやり方
ワンちゃんにトイレを覚えてもらうためには、環境作りをしてあげることが何よりも大切です。トイレの設置場所や周辺の環境を気を付けてあげましょう。
具体的には、トイレに集中できるよう「静かで落ち着ける場所」に、はみ出さないよう小さすぎない「体の大きさに合わせたサイズ」のトイレを設置してください。
そのうえで、「行動範囲を狭めること」と「排泄のタイミングを知ること」など、飼い主さんが配慮をして成功経験を積ませてあげることがポイントです。
まずは、かなり広めにペットシーツを敷き、周辺をケージなどで囲い、その上でトイレができたら大げさなくらいに褒めてあげてください。
成功したら少しずつ範囲を狭めていき、最終的にトイレ本来の大きさにして、自主的にトイレで排泄するようになったら完了となります。
トイレトレーからはみ出してしまう場合の対処法
ラブラドールレトリーバーのような大型犬は、体が大きいのでトイレが小さいと排せつ物がはみ出すことが多くなります。愛犬の体の大きさの1.5倍以上のサイズを目安に使うと良いでしょう。
ほかにはみ出してしまう理由として考えられるのは、足を上げておしっこをする場合です。特にオスに多く見られますが、メスでもすることがあります。
市販されているトイレトレーの中には、足をあげておしっこする用の商品もあるので、そういった商品の購入を検討してみるのもおすすめです。
人や物を噛むときのしつけ
ワンちゃんは、元々噛む動物です。そのため、特別しつけをしなければ噛むことそのものを完全に止めさせることはできず、噛み癖はついてしまうでしょう。
親兄弟がいる環境であれば遊びながら力加減などを学んでいきますが、人間が家で飼っているとそうはいきません。
ラブラドールレトリーバーは大型犬なので、「子犬の甘噛みくらい」と軽く考えていると、成犬になったとき大変なことになってしまいます。まだ噛む力が弱い子犬のうちにしっかりと噛み癖を直しておきましょう。
噛むことを完全に止めさせるのは難しいので、噛んでも良いおもちゃなどを与えて、それ以外の物は噛まないようにしつけておけば安全です。また、噛まれて困るものは届かない場所に隠すなど環境作りも心がけましょう。
ラブラドールレトリーバーの誤飲を防ぐためのしつけ
ワンちゃんの問題行動の1つに「誤飲」があります。誤飲してしまう最大の問題は、周囲への迷惑ではなく、愛犬の健康に害があることです。飲み込んでしまった物によっては、最悪死亡してしまう恐れもあるので、愛犬を守るためにも、誤飲への対策はしておく必要があります。
ラブラドールレトリーバーの性質上「誤飲」しやすい
ラブラドールレトリーバーは、食欲と好奇心が旺盛な犬種なので、誤飲しやすい傾向があります。
予防方法としては、しつけるよりもラブラドールレトリーバーが口に入れやすい物を極力なくし、届かない場所に置いたり目につかない場所に隠したりすると良いでしょう。
生活環境を見直すことで、誤飲の頻度を減らすことができます。
そのほかしつけておきたいこと
これまで紹介してきたしつけ以外にも、ワンちゃんを飼ううえでしつけておきたいことがあります。どういったしつけが必要になってくるのか確認していきましょう。
クレートトレーニング
クレートトレーニングは、愛犬専用の空間を与えることで、安心してすごせるようになってもらうトレーニングです。クレート内を愛犬専用の家と考えて「ハウストレーニング」と呼ばれることもあります。
中には、「閉じ込められて可哀そう」と考える方もいるようですが、クレートの中は音や光などが届きにくいので、子犬のうちに慣らしておけば落ち着いて過ごしてもらうことができます。
また、慣れてからも家の中であれば出入り自由にしておけるので、愛犬を閉じ込めることにはなりません。何よりもクレートは、病院や旅行に連れていく際や災害時の安全な移動に必要不可欠です。
こうした多くのメリットがあるクレートトレーニングは、ぜひともマスターさせてあげてください。
散歩のしつけ
ラブラドールレトリーバーは、大型犬で運動好きな犬種なので、他と比べても1日に必要な運動量が豊富な犬種といえます。
そんなラブラドールレトリーバーの散歩については、下記リンク先のページに掲載しています。知っておきたい情報や気を付けたいポイントについて解説しているので、愛犬の心身の健康のために記事の内容を参考にしつけてあげましょう。
ラブラドールレトリーバーの散歩まとめ!いつから?距離やしつけも
難しいようならしつけ教室という選択肢も
ワンちゃんを飼ううえでしつけは絶対に必要ですが、決して簡単なことではありません。場合によっては、素人の手には余ることもあるでしょう。そんなときは無理せず、プロに手助けしてもらうことも考えてはいかがでしょうか。
しつけ教室とは?
ワンちゃんのしつけ教室とは、ペット初心者など、「どうしてもしつけができない」という方の代わりにプロが愛犬をしつけてくれるサービスです。
しつけ教室にはいくつか種類があり、個人のドッグトレーナーが運営している教室のほか、動物病院やペットショップといったしつけ教室が有名でしょう。
そのほか、送迎やホテル、トリミングといったさまざまなサービスが付属した、犬の保育園・幼稚園もあります。
それぞれサービス内容や料金に違いがあるので、ご利用の際はどんなしつけをしてくれる教室なのか事前に確認しておきましょう。
飼い主も参加できる教室がおすすめ
おすすめのしつけ教室は、愛犬と一緒に飼い主も参加できるしつけ教室です。
しつけ教室で愛犬をしっかりしつけてもらっても、それだけでは十分とはいえません。愛犬と共にも飼い主も成長することで、確固とした信頼関係を築けるでしょう。
その点、飼い主も参加できるしつけ教室であれば、愛犬のしつけとともに、飼い主がどんなことを心がけ接すれば良いのかまで指導してくれます。
まとめ
ラブラドールレトリーバーはとても賢く飼い主に従順な犬種なので、しつけで困ることは比較的少ないでしょう。しかし、しつけをしなくて良いというわけではなく、大型犬ということもあり他の犬種と同等かそれ以上にしっかりとしつける必要があります。
今回紹介してきたラブラドールレトリーバーのしつけの内容をもとに、しっかりとしつけてあげればきっと良いパートナーになってくれますよ。
ラブラドールレトリーバーの飼い方については下記ページでも詳しく解説しています。こちらも参考にしてみてくださいね。
著者/ブリーダーナビ編集部