パグがなりやすい病気まとめ!パグ脳炎や遺伝性疾患ってどんな病気?

パグがなりやすい病気まとめ!パグ脳炎や遺伝性疾患ってどんな病気?

飼い主なら知っておきたいパグがなりやすい病気

パグはくりくりの目にシワの寄ったチャーミングな顔、垂れた耳やぼてっとした体型など、見た目も愛くるしい人気の犬種ですよね。

今回は、パグを飼っている、もしくは飼いたいと思っている方が知っておきたい、パグがかかりやすい病気についてご紹介します。

病気のことは考えたくないことでもありますが、ワンちゃんの健康を維持するうえでは外せない情報です。身近な耳の病気や目の病気に加え、パグならではの注意したい病気などもありますよ。

パグだけでなく多くのワンちゃんが注意したい皮膚病については、別の記事でも詳しく紹介していますので、そちらもご確認くださいね。

パグが気を付けたい皮膚病についてはこちらから
パグは皮膚が弱いので注意!かかりやすい3つの皮膚病とは パグは皮膚が弱いので注意!かかりやすい3つの皮膚病とは

短頭種だからこそ気を付けたい病気

軟口蓋過長(なんこうがいかちょう)

パグやブルドッグといった短頭種に多い呼吸器系の病気です。

〇症状
呼吸に雑音が混ざる、呼吸困難、大きないびき、口呼吸をする、食べ物を飲み込むが困難になる、吐き気、気管虚脱、チアノーゼ、失神、最悪のケースは命を落とすこともあります。

〇原因
口腔内の天井部分にある軟口蓋という組織が、通常よりも長いことで呼吸が妨げられ、さまざまな症状が出ます。

〇治療法
推奨されているのは軟口蓋の切除です。肥満気味のワンちゃんは肥満の改善が促されます。呼吸困難が重篤な場合には、酸素吸入や消炎剤などで症状を落ち着かせます。

〇予防
頭蓋骨の幅に対して口吻が短いワンちゃんに多く、先天性の病気であるため予防は困難です。パグは日常的に呼吸が荒いことも珍しくなく、いびきも見られるため、病気に気づかないことがあります。普段から少しでも呼吸がおかしいなと感じたときは、早めに診てもらうといいでしょう。

興奮時や夏場湿気の多い時期は症状が出やすいため、温度管理に気を付け、遊びの最中などもあまり興奮させないように工夫しましょう。肥満も悪化の原因となるため、食事管理にも注意が必要です。

鼻腔狹窄(びくうきょうさく)

パグ、ブルドック、ペキニーズなど、口吻の短いワンちゃんに発症例の多い病気です。病名の通り、鼻腔が狭くなることでさまざまな症状が出ます。

〇症状
寝ているときや普段の呼吸でいびきのような音を出している、鼻水が多い、興奮していないときや暑くないときでも口呼吸をしている、ちょっとした運動でも酸欠になる、激しい運動時にはチアノーゼになることもある。

〇原因
短頭種のパグの場合は、生まれつき鼻腔が狭いことが原因になる先天性の場合が多いです。先天性のほかに、アレルギーや感染症などにより、鼻腔が炎症を起こして発症するケースもあります。

〇治療法
呼吸がうまくできない場合は鼻腔を広げる手術を行います。また酸素吸入などの内科治療が行われることも。激しい運動を避け、空気を乾燥させないなどのケアも必要です。

〇予防
先天性のものは予防法がありません。肥満は病気を進行させる原因にもなるため、おやつの与え過ぎには気を付け、日頃から健康管理を行いましょう。

垂れ耳のパグはこんな病気にも注意

外耳炎

ワンちゃんでは発症例の多い耳の病気です。特に垂れ耳のパグは外耳炎になりやすい要因を抱えているため、注意が必要です。

〇症状
耳に痒みや傷みが出る、首を振る、足で耳を引っ掻く、赤くなる、炎症により皮膚が腫れ上がる、悪臭、耳垢が出るなど。

〇原因
細菌、真菌、耳ダニといった寄生虫によるもの。異物が入る、湿気がこもる、アレルギー、垂れ耳である、耳の毛が多いなど。

〇治療法
耳ダニによるものは駆虫薬を、アレルギーが原因になっている場合はアレルギーの治療を行います。そのほかに、耳の洗浄で汚れを落とすなど、原因によって治療法を選択します。

〇予防
日頃から耳を清潔に保つことが大事です。シャンプー・耳掃除のやり過ぎや、やり方が間違っている場合なども外耳炎の原因となるため、正しいお手入れ方法を実践しましょう。

特に外耳炎になりやすい垂れ耳のパグは、日頃から耳の状態や臭いをチェックすることも病気の早期発見や予防につながります。

遺伝が関与している?パグならではの恐ろしい病気

パグ脳炎

マルチーズやヨークシャーテリアにも見られる病気ですが、特にパグの発症例が多いことから「パグ脳炎」という病名が付けられています。大脳と髄膜が壊死し、炎症を起こすことにより神経症状がでます。

〇症状
突発的なけいれん発作、歩行困難、壁に頭を押し付ける、失明、頸部の痛み、首の筋肉が縮むことで顔が傾くなど。

〇原因
明確な原因は分かっていません。遺伝性もしくはヘルペスウイルスなどの感染も考えられています。

〇治療法
発作の頻度や程度を軽減する抗けいれん剤やステロイドの投与で症状を緩和させる治療法があります。完治するような治療法はなく、発作の薬なども効かない場合は施す手立てがありません。重篤な場合は、獣医さんと飼い主との相談により、安楽死を選ぶケースもあるようです。

〇予防
原因不明の病気であるため予防は困難です。急速に進行するものと、ゆるやかに進行していくものもワンちゃんによって病気の進行具合は異なります。
早期発見、早期治療に努め、早い段階から治療を行うことが重要です。

パグが気を付けたい目の病気

角膜潰瘍

パグやシーズーなど、瞳が大きく露出しているワンちゃんに多い目の病気です。もともとパグなどの短頭種は目に外傷を受けやすいため、目の病気を発症しやすいと言われています。

〇症状
強い痛み、まぶたのけいれん、目が染みる、涙が出る、目やに、結膜の充血、角膜がむくむ・濁る、潰瘍ができる深さによっては角膜に穴ができるなど症状が重症化する。

〇原因
角膜の外傷、角膜や結膜の異物、眼瞼の異常や欠損、感染症、乾性角結膜炎、シニア犬に多い角膜変性症など。

〇治療法
抗生剤、消炎剤、角膜保護剤などの点眼薬による治療が一般的です。治療中に触ることのないようエリザベスカラーを着用することもあります。深い位置に潰瘍ができている場合は、ワンちゃんの血液から作った点眼薬を用いた治療法なども行われます。
こうした治療で間に合わない場合は、外科手術による治療法を選択することも。

〇予防
目で見て損傷が確認できない場合もあるため、涙の量や目やに、目の充血などには気を付けましょう。特にパグは瞳が大きく前に出ているため、外傷を受けやすいです。日頃から目の状態をチェックすることが早期発見につながります。

眼瞼内反症

まぶたが内側にめくれてしまう病気を「眼瞼内反症」と言います。めくれたまぶたやまつげが眼球を刺激するため、さまざまな目のトラブルを引き起こします。

〇症状
目の痒みや痛み、目やにや涙が増える、角膜が白く濁る・黒く着色する。

〇原因
先天的に瞼がめくれているケースが多いです。そのほか、外傷や結膜炎の重症化により発症することもあります。目の周りの筋肉や神経異常でも起こり得ます。

〇治療法
軽度の場合は眼球を刺激するまつ毛を抜いたり点眼薬を用いたりします。重度の場合や根本的な治療は、外科的手術により瞼の矯正が必要です。

〇予防
先天的なケースは予防ができません。先天的に問題が無い場合でも、瞼の形状に異常があれば早めに病院を受診しましょう。

小型犬に多い関節の病気についても知っておこう

膝蓋骨脱臼

膝蓋骨という膝にあるお皿のような骨が通常の位置からずれてしまう関節の病気です。パグのような小型犬の場合は、お皿が内側にずれてしまう「内方脱臼」が多いです。

〇症状
症状は4つのグレードに分けられます。

グレード1:膝蓋骨は正常な位置にあるが、指で押すと外れる。無症状がほとんどで、スキップのような歩行が見られることがある。

グレード2:膝蓋骨は正常な位置にあるが、膝を曲げると脱臼する。自然には戻りにくい。脱臼した状態では足を引きずって歩く。

グレート3:指で押せば一時的に戻ることもあるが、常に脱臼した状態になる。骨の変形も確認でき、足を引きずって歩くのが日常的になる。腰をかがめる、内股にして歩く。

グレード4:膝蓋骨は常に脱臼したままになり、指で押しても直らない。地面に足を付けなくなり、足を曲げたままうずくまるように歩くようになる。

〇原因
膝や膝関節周辺の形状に生まれつき異常がある、外傷や骨の栄養障害など後天的なケースもある。

〇治療法
根本的には外科手術による治療を行いますが、鎮痛剤、レーザー治療により一時的に緩和する治療法もあります。ワンちゃんの症状のグレードによっても適した治療法は異なります。

〇予防
先天的なケースは予防ができません。パグが膝蓋骨脱臼と分かった場合には、肥満に気を付け、滑りにくい床に変えるなど、膝への負担をできるだけ減らします。
足裏の毛をカットしたり、過度な運動を避けたりすることも大切です。

まとめ

パグに発症例の多い病気や、パグの容姿の特徴から発症しやすいものなど、注意したい病気はいろいろとあります。
パグがかかりやすい病気について少しでも知っておくことで、予防や早期発見に努めることができ、早期治療を行うことで最悪の事態から命を救うことができるかもしれません。

以下のリンクからはパグの子犬を探せますよ。こちらもぜひご覧ください。

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