ペットを飼うと決まったら、「とりあえずペットショップへ行こう!」という方が多いのではないでしょうか。生後間もないワンちゃんやネコちゃんが、ペットショップのショーケースから「出して!遊ぼうよ!」と言わんばかりにアピールしてくるとたまらないですよね。気に入った子を抱っこさせてもらったり、直接触れ合ったりしたら、ついそのまま連れて帰りたくなります。
ところで、ペットショップ以外でペットを購入する方法として、ブリーダーさんから“直接購入”することができるということをご存知でしょうか。ブリーダーとは、犬や猫を中心にペットの交配や繁殖をおこない、ペットショップなどに流通させる仕事です。血統書付きのワンちゃんのほとんどが、ブリーダーさんの手によって誕生しています。
実は最近、ブリーダーさんから直接ワンちゃんをお迎えする方が急増しています。なぜペットショップからではなく、ブリーダーさんからお迎えする方が増えているのでしょうか。本当にブリーダーさんから購入した方が良いのでしょうか。そこで今回は、ペットショップとブリーダーの違いをメリット・デメリットを含めてご紹介したいと思います。
目次
1.ペットショップで購入するメリット
ペットを飼ったことがない方でも、一度はペットショップに行かれたことがあるのではないでしょうか。
ペットショップでは、ワンちゃんや猫ちゃんを中心とした動物を販売しており、実際に触ったり抱っこさせてくれたりする店舗もあります。
また、店舗によっては鳥や魚などを販売している場合もあり、“いろいろな動物や犬種を見比べられること”が魅力の一つであると言えます。
そのほか、ペットの販売だけでなくペットフードやグッズなど、ペットに必要な用品も幅広く取り扱っているのが特徴です。
〇 好きな時にいける
ペットショップの場合は購入の意思がなくても立ち寄ることができます。また、自分の都合が良い時にいつでも気軽に来店できるので、予約をする必要がありません。
〇 様々な犬種がいる
特定の犬種だけでなく、小型犬~大型犬まで様々な犬種がいるので、選択肢が広がります。
お店によっては人気犬種のみを取り扱っていることもあり、販売犬種に偏りがある場合もありますが、多くののペットショップでは、比較的自分の生活スタイルに合った子を探すことができます。また、犬以外の猫や鳥、魚など様々な動物を扱っているので、何の動物を飼うか決まっていない方にもオススメです。
〇 必要なグッズがすぐ買える
ワンちゃんのサークル、ケージ、ご飯などの必要なグッズをすぐに購入できるので、ワンちゃんを迎える前にあらかじめ準備ができます。
スターターセットとして、一式をセット販売しているショップもあるので、子犬をお迎えすると同時に購入する方が多いようです。
〇 補償、アフターケアがしっかりしている
ワンちゃんを迎える際に、ペットショップによっては独自の病気補償や生命補償が付いている店舗もあります。そのため、お迎え後1年間ほどであれば、万が一のケースでもアフターケアがしっかりしています。
また、ペット保険への加入がその場でできる場合もあるので、ペット保険がより身近なものになりました。
2.ペットショップで購入するデメリット
× 親犬、兄弟犬と引き離すのが早い
子犬には子犬ならではの可愛さがあるため、ペットを飼うなら「子犬の頃から一緒にいて成長を見守っていきたい」という飼い主さんが圧倒的に多いです。
そういった理由から、ペットショップでは小さい子のほうがお客様からの注目を浴びやすいという傾向があります。そのため、生後間もなく親犬や兄弟犬から離されてお店にやってくることが多いです。生後すぐに親兄弟から離されてしまうと、子犬にとってストレスになったり、兄弟たちとのじゃれ合いの中で学ぶことができる社会性を身につけることが難しくなります。
そのため、無駄吠えや噛み癖など、問題行動を起こす可能性が高くなってしまうのです。
また、子犬が飲む母乳には、母犬の免疫力が含まれており、子犬の体を守るはたらきをします。あまり母乳を飲まずに育ってしまうと、子犬の健康状態が悪くなってしまったり、病気に対する免疫力が弱くなってしまうのです。
× 狭い部屋でストレスがかかりやすい
ほとんどのペットショップでは、ワンちゃんたちの生活スペースが狭く十分な運動ができないため、ストレスがかかりやすい環境になってしまっています。
ストレスがかかると、自分のしっぽを噛む、自分のうんちを食べてしまう食糞などの問題行動を起こしやすくなります。また、健康状態にも異常が出やすく、毛艶が悪くなったり下痢をしたり、どんどん悪循環に繫がってしまいます。
× 親犬の情報がわからない
すべてのショップに当てはまるわけではないですが、やはり市場で仕入れたワンちゃんを入荷するショップも多いため、親犬の情報、血統が分からないことがあります。
また遺伝性の疾患の有無も分からないことが多いです。
× 価格が高い
ブリーダーさんから購入することとは違い、間に中間業者が入るため、ワンちゃんの価格が高くなりがちです。また、血統が良い子や人気犬種、珍しい犬種であれば、価格はさらに上がります。
3.ペットショップの営業に関する法律改正について
2019年の法改正に伴い、2021年6月頃からは生後56日齢以内の犬猫は引き渡しや展示が規制されることが決まっています。
ただし、特例措置として「天然記念物指定犬」に該当する秋田犬、甲斐犬、紀州犬、柴犬、北海道犬、四国犬に関しては、生後49日を経過しないものの販売が制限されます。
そのため、今後はペットショップで生後間もない子犬たちが販売されることがなくなり、問題行動を起こす子が少なくなることが期待されています。
もちろん、最終的に問題行動を起こす要因は、飼い主とのコミュニケーション不足やしつけ不足です。適切にしつけをおこない、より良いワンちゃんに成長するようサポートしましょう。
4.ブリーダーから購入するメリット
〇 特定犬種の、良質で優秀なワンちゃんと出会うことができる
ブリーダーさんの中には、さまざまな犬種を交配、繁殖している方もいらっしゃいますが、大抵のブリーダーさんは特定の犬種だけに力を入れていることが多いです。
例えば、チワワに力を入れているブリーダーさんなら、より優れたチワワを繁殖しようと心掛けているため、より“スタンダード”(その犬種の基本的な骨格・カラー)に近い子を多く扱っています。
中にはドッグショーで活躍した優秀な親犬、先祖犬を飼育しているブリーダーもいるため、“優れた血統”を持つ良質な子犬を迎えることができるかもしれません。
〇 ワンちゃんの生活環境を見ることができる
ワンちゃんたちがどんな環境で暮らしているのかを見ることができます。狭くて汚い不衛生な環境での生活なんて、もってのほかです。
清潔で快適なお部屋で生活しているか、親犬や他のワンちゃんたちとどのように生活しているかなどを確認することができます。
また、ブリーダーさんがワンちゃんに対してどんな接し方をしているかどうかも、しっかり見ておきましょう。
〇 ブリーダーと話ができ、親犬情報やアドバイスなどを直接聞くことができる
子犬の情報のみならず、親犬の体長・体高・体重についての詳しい情報や、親犬からの遺伝性疾患の有無などをしっかり聞くことができます。
これらは、ペットショップではあまり聞くことができない情報と言えるでしょう。そのため、成長した時の容姿や性格がイメージしやすくなり、飼い主にマッチしたワンちゃんを探しやすくなります。
また、犬種やその子の性格に合わせた飼育方法やしつけについても、アドバイスをもらうことができます。
〇 適正な価格で購入することができる
ブリーダーはその犬種のプロフェッショナル。ワンちゃんの状態を見て、大きさ・毛の量・顔立ちなどから、適正な価格を子犬につけることができます。
またブリーダーさんによっては値段交渉ができる場合もあります。
5.ブリーダーから購入するデメリット
× 良質なブリーダーさんかどうか、見極める必要がある
一時期のペットブームによって爆発的にペットのニーズが高まり、多くの世帯がペットを飼おうとペットショップを訪れました。
その結果、商売のためだけに繁殖をおこない、劣悪な飼育環境で多数のペットを飼育している“悪質なブリーダー”も中には存在していました。
現在でこそ悪質なブリーダーは少なくなったものの、無理な繁殖を繰り返す悪徳ブリーダーはまだまだ存在すると言われています。
ですので、良質なブリーダーかそうでないか、自身の目で“見極めること”が大事です。事前に知識を身に付けて見学に行くようにしましょう。
× 訪問・見学する際は事前に連絡が必要
ブリーダーさんは第一種動物取扱業者として、ワンちゃんを売る際には事前にそのワンちゃんの特性や状態について必ず“対面で説明をすること”が義務付けられています。
また、ワンちゃんを迎えるにあたりブリーダーのところへ見学に訪れる際には、事前にブリーダーさんに連絡をしておきましょう。急に行ってもワンちゃんを見ることができないので、見学予約が必要になります。
× 犬舎へのアクセスが悪い場合がある
上で述べたように必ず対面する必要があるため、実際に犬舎に行くことになると思いますが、必ずしもアクセスが良いとは限りません。
ワンちゃんをのびのびと育てられるよう広い土地に犬舎がある場合もあり、都心から離れたところにあることがほとんどです。
そのため事前に犬舎までの交通手段も確認しておく必要があります。
6.優良なブリーダーの探し方は?
いかがでしたか?ワンちゃんをお迎えするのであれば、健康状態が良好で、親兄弟の情報や生育環境がよく分かっているということに、安心感を抱くことができるでしょう。そのようなイメージがあるため、ブリーダーさんから子犬をお迎えする方が増えているように思います。
「どうやって優良ブリーダーを探せばいいの?」
という疑問を持つ方もいると思います。
一般的にはドッグトレーナーや獣医師など、動物に関係する専門家から教えてもらう方法があります。特に獣医師はその職業柄ブリーダーと関わることが多いので、豊富な情報を持っていますよ。
上記以外にも、近年では直接ブリーダーさんとやり取りできるWEBサービスも登場しています。こうしたWEBサービスのメリットは、時間を問わず犬舎の見学申請や相談などができる点が挙げられます。
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著者/ブリーダーナビ編集部