マルチーズはとても古くから存在しており、最初から愛玩犬だったという珍しい犬種です。
先祖とされる犬種は、紀元前1500年にはすでに確認されており、それから長い年月を経た今でも、多くの人に愛されている、まさに愛玩犬の代表のような犬種といえます。
本記事では、そんなマルチーズを歴史の観点から解説していきます。
マルチーズの原産国（先祖）は？どんな特徴の犬種？
- 犬種名：マルチーズ
- 英語名：MALTESE
- 原産国／原産地：イタリア／中央地中海沿岸地域
- 毛色：基本は純白で、淡いタンやレモン色も許容されます
- 大きさ（体高）：20～25cm
- 体重：2～3kg
ママルチーズの特徴
マルチーズの特徴といえば、その長く純白な直毛でしょう。体の両サイドに長く垂れ下がった被毛は鼻先から尻尾の先まで全身を覆っており、まるでシルクをまとって歩いているかのようです。
定番の人気を誇る小型犬ですが、近年になって作出された犬種と違いマルチーズは個体差が少なく、どの子もサイズに大きな違いは見られません。
毛色は基本的に純白ですが、やや黄色がかった白や薄いベージュのような毛色の個体も存在します。
マルチーズの歴史と名前の由来
ワンちゃんについて理解を深めるために、まず歴史と名前の由来を調べる方もいるのではないでしょうか？マルチーズは日本でも馴染みのある犬種ですが、どこの国の犬でこれまでどんな歴史を辿ってきたのか、ご存じの方は少ないと思います。
ここでは、マルチーズという犬種の歴史と、その名前の由来をご紹介します。
最初から愛玩犬だった犬種
過去使役犬として活躍しいた犬種や、新しく作出された犬種とは異なり、マルチーズは最初から愛玩犬として誕生しました。
起源は定かではありませんが、その歴史が非常に古いのは間違いありません。紀元前1500年頃にフェニキア人が連れていた犬が先祖と言われており、海上交易行った際地中海のマルタ島に伝わりました。
紀元前500年頃の陶製の壷や皿には、明らかにマルチーズと思われる犬の姿が描かれており、死んだマルチーズのために詠んだ紀元前100年頃の詩も確認されています。
このエピソードから、マルチーズがいかに古くから、人間に愛されてきた犬種なのかがわかりますね。
日本でのマルチーズの人気
マルチーズは日本でも小型愛玩犬として不動の人気を誇っており、JKCの調査によると、昭和43年～昭和59年（1968～1984年）の16年間、登録数が全犬種中1位であったという記録が残っています。
当時の日本では、ワンちゃんは外で飼うのが一般的でしたが、マルチーズの登場により徐々に室内飼いが主流になっていきました。
マルチーズは現在も高い人気を誇る、トップテンの常連犬種として多くの方に愛されています。
昔と変わらない姿の犬種
マルチーズは誕生してから今に渡り、姿形がほぼ変わっていません。その理由はマルチーズの原産国でもあるマルタ島が関連しています。
紀元前は、マルチーズ以外にもその地域にしかいない多種多様な犬種が存在しましたが、ヨーロッパやアジアなどに持ち込まれたことがきっかけで混血が進み、容姿が変化していくことが多かったそうです。
しかしマルチーズは、マルタ島という島で隔離された環境下にいたので他の犬種と接触がありませんでした。そのため、マルチーズ同士の交配が繰り返されたことにより純血が守れ、今も昔と変わらない姿を受け継ぐことができたそうです。
マルチーズの名前の由来は？
“マルチーズ”という名の語源は諸説あるようですが、ここではその中でも代表的な説を2つ、ご紹介したいと思います。
説2：セム語族と呼ばれる部族の言葉説
説1は、原産地であるマルタ島が由来しているという説です。
説2は、マルタ共和国の公用語であるアラビア語の方言の1つであるマグレブから。この言葉をセム語族が使用しており、「港」「避難所」などの意味を持つ“màlat”に由来する『Melita』から名づけられたと言われています。
そのほか、シチリアの町にある“Melita”に由来するという説もあり、歴史家の中でも意見が分かれているそうです。
まとめ
近年は「ワンちゃん＝愛玩犬」という図式が、多くの方の認識ではないでしょうか。
しかし、現在はペットとして可愛がられている犬種でも、元からそうだったわけではありません。そんな中、マルチーズは最初から愛玩犬として人間に可愛がられてきた犬種です。
マルチーズの歴史を知ることで、犬種への理解を深めて、より一層可愛がってあげてくださいね。
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著者／ブリーダーナビ編集部